- 良い塾をどのように見つければ良いのか?
- 自分に合う先生をどのように見つければ良いのか?
- 保護者が生徒にしてあげられること
こんにちは!スタスタ編集部です。
突然ですが、皆さんはお子様を「有名な塾」、「レベルの高い塾」に通わせれば「うちの子は安心!」と思っていませんか?
今ドキッとした方や、心当たりがある方もいらっしゃるでしょう。しかし、そのような塾に通わせたからといって、お子様の学力が必ず向上する訳ではないのです。
『「普通の子」を大きく伸ばす塾、先生の選び方 塾長歴半世紀の結論。塾選びは人生選び!』は、「普通の子」がどのような塾を選んだら良いのか、どのような先生を選んだら良いのかについて詳しく書いています。
今回は塾長歴半世紀の塾長が思い描く、理想の塾、先生選びについて触れていきたいと思います。
著者は、蚕虹英語塾塾長であり塾長歴半世紀の小林茂です。
小さな英語塾が起こす大きな奇跡とは?高校生で英検1級合格者を多数輩出する秘密はどこにあるのか?
などの気になる質問に、教育の原点を見据え続けてきた塾長が全て答えます。
また「塾選びは人生選び!」をモチーフに教育の確かな原理・原則に迫る内容となっています。
目次
先生の選び方
それでは早速先生の選び方について紹介していきたいと思います。ここでは先生を選ぶ上で多くの人が悩む、「講師歴」「国籍」「経歴」について触れていきます。
新人かベテランか
一般的に「信頼できるかどうか」「実力が未熟なのではないか」といった観点から、新人の先生を選ぶ方は少ないかと思われます。
しかし著者である小林茂は、一概に新人の先生を否定していません。むしろ本書の中で「子どもに見込みがあれば、迷ったら若い先生が良い。」と主張しています。また、ベテランの先生との違いとして「エネルギー」を挙げています。この活力が子どもに一生の糧となるものを与える可能性があると考えているのです。
またベテランの先生が選ばれる理由に関しても言及しています。保護者が先生を選ぶ際には、テクニックや経歴など様々なことを視野に入れ考えていると錯覚しがちです。しかしながら、実際は情緒的なもの、文化的背景、宗教・哲学などを決め手にしています。そのため、第一印象で勝るベテランの先生が選ばれてしまうのです。
以上のことから、「新人だから」「ベテランだから」という理由で先生を選べる訳ではないということがわかります。いい先生である条件として、講師歴は関係ないのです。
外国人か日本人か
英語学習において、外国人の先生が良いのか日本人の先生が良いのかという議論はよくなされています。「英語なのだから英語圏の先生に習った方が学力は上がる!」という考えの方は、お子様の先生選びを間違えているかもしれません。
目的によって異なる選択
著者である小林茂は、半世紀にも及ぶ英語の指導と、塾長の経験からある答えを導き出しています。それは目的が”会話”なのか、”受験なのか”ということです。
会話だけの場合は、ネイティブの先生を選び、また受験が目的の場合は日本人の英語教師の方を選ぶのが良いとしています。受験英語は英会話と異なり、文法を重視する傾向があります。日本人の先生はその特殊性について熟知しているため、受験英語に向いていると言えます。
また、2020年大学入試制度改革では英語4技能が重視されるようになります。このことを考慮すると既存の英語教育に対応できる日本人の先生と、スピーキング・リスニングに対応できる外国人の先生、どちらも並行して授業を受けていくことが求められるでしょう。
経歴・資格で判断できるか
よく「この先生は◯◯大学を出ているから、安心!」といったような声を聞くことがあります。たしかに経歴や資格などは目に見えるため、判断の材料となりやすいのが現状です。
しかし小林茂は、本書の中でしっかりと「判断材料にならない。」と断言しています。チラシや広告に経歴・職歴が載せられているのは、あくまで宣伝効果を狙ったものであるため、授業の質とは一切関係がないのです。
このことから最近の個別指導の流行を説明できます。経歴・資格に多少の不備があったとしても、先生が精一杯生徒に適した授業を行なってくれることを重視した保護者、生徒が増えているのです。
塾の選び方
ここからは塾の選び方について紹介していきます。「集団・個別」「進学塾・補習塾」などの形態別に解説します。
個別か集団か
ここまで読み進めてみると、「生徒にあった授業をしてくれる個別指導が一番なのでは?」と思われた方もいらっしゃると思います。しかし、個別指導だからといって100%生徒にあった授業を展開してくれるわけではありません。
グループダイナミックスの力
小林茂は集団塾の重要性をグループダイナミックスの効果から説明しています。グループダイナミックスとは通例「集団力学」と訳され、この世のもの全てが互いに影響を与え合っていると言う考え方を念頭に置いています。この理論は現在、産業や教育分野で実践的に応用されています。競争意識や味方意識が学力の向上につながるのです。
心理学者のクルト・レヴィンによって研究された集団力学のこと。
社会心理学の一部として、集団規範、集団目標の凝集力、集団の決定の在り方などが研究されています。
これを活用することで、場を活性化させ、受講者の気づきや意欲、学習効果を高めることができます。
トップアスリートの場合
しかし、よりハイレベルな次元となると話は異なってくるようです。トップアスリートを例にとって考えてみましょう。今現在、各分野の最先端では、専門家による個人指導が一般的になってきています。北島康介選手などは、選手個人に対して「チーム北島」がついていたり、世界的に有名なフィギュアスケートの世界では当然1対1の指導が行われています。
つまり、同じレベルでの競争率が高い場合にはグループダイナミックスを利用した集団指導塾、低い場合には個別指導にすることが良いと考えられます。上位層と下位層は競争率が低く、中間層は競争率が高くなることが予想されます。
進学塾か補習塾か
進学塾のリスク
進学塾の良い点として、やはり総合的な学力の早期向上が挙げられます。大手進学塾では小学1年生で高校3年生程度の計算力を持っている生徒も見られるようです。
しかしリスクも伴います。小林茂がこれまで見てきた具体例として、
- 知能を刺激したは良いが、学校を出てからの行き先がない、見当たらない。
- かえって脳を刺激した結果、パソコン・スマホオタク、ゲームオタクになって人間関係を学ばない。
- インプットが過剰になると、学習障害、情緒障害になる可能性が大。早い場合、4,5歳で文字、数字を見るのも嫌になる。
- あまりにも偏ると、自閉症傾向が強まる。
というようなことがあるようです。
補習塾の長所
補習塾の良い点としては、やはり地元に密着していることが多く、周辺の学校事情に明るいということが挙げられます。公立高校入試は県単位で行われることから、一般教材会社が知り得ない裏情報を持っていることもあります。
どちらも長所と短所がありますが、最後の決め手となるのは生徒の実力です。世の中には親に言われたからという理由で、授業についていけていないのに進学塾に通わされたり、基礎ができているのに補習塾に通わされている生徒がたくさんいます。もし、塾に通わせているのに、成績が上がらないという保護者の方がいらっしゃったら生徒の実力を再度見直してみることが必要なのかもしれません。
結論
ここからは、スタスタコンシェルジュ独自の経験から生徒に適した先生、塾の選び方の具体例を紹介していきます。
小学5年生 公立中学進学予定の場合
小学5年生のカラーテスト1個1個に対する競争率は、受験に比べて低いと言えます。そのため個別指導塾が向いているでしょう。また、プロフェッショナルな授業はまだ必要ないので、学生アルバイトが先生をやっている塾の方がコストを抑えられます。苦手分野にしっかりと焦点を合わせ、対応してくれる先生を選べば必ず成績は向上するでしょう。
中学3年生 難関高校受験予定の場合
高校受験の競争率はかなり高いため、ここではグループダイナミックスの力を借りることがもっとも効率よく学習する方法だと言えます。そのため、基本的には集団塾に通うことが先決となります。しかし、更にハイレベルで他の受験生に差をつけたい科目に関しては、個別で対応してくれるプロの家庭教師か、個別指導塾を選ぶ必要があります。
高校1.2生 大学進学予定の場合
高校生になると中学時とは異なり、高校独自の進度で進むことが多々あるため、成績向上を狙うためには臨機応変に対応してくれる先生を選ぶ必要があります。そのため、個別塾に通う必要があると言えるでしょう。また、学生アルバイトの先生からインスパイアされて大学への意識が高まるといったこともあるので、学生アルバイトの個別指導塾をオススメします。しかし、最近では大学入試改革の影響から、内情をよく知るプロの講師の授業を受けることが望まれます。それに伴う英語4技能試験のために、英会話やリスニングの受講も必要となってくるでしょう。
まとめ
今現在、様々な種類の塾がたくさんあります。その中で生徒にあった塾、先生を見つけなくてはなりません。大手の塾や、高額な塾は確かに人気がありますが、高いお金を払ったからといって生徒の学力が向上するわけではないのです。
何よりもまずは生徒と先生の相性が重要です。保護者としては「良い塾、良い先生」を探す前にまずは、子供についてしっかりと理解を深めることが先決だと言えるでしょう。