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ルーブリックとは|注目される背景や例、メリット、課題点を解説!

キーポイント

✔ルーブリックとは、パフォーマンス
課題のための評価指標

✔注目される背景は、教育改革でアクティブラーニングが推進されるようになるから

✔メリット:教育者・学習者が学習の目的を明確化できる

✔デメリット:導入段階のルーブリックは適正な評価を下せない可能性がある

「ルーブリック」という評価指標をご存知でしょうか。

近年では大学や私立中高一貫校などで導入が進められていて、学校でのこれからの新しい評価基準として注目されています。これからは実際にルーブリックを使って評価する機会が増えることが予想されます。

そこで今回はルーブリックがどんなものなのか、なぜ注目されているのか、メリットやデメリットはあるのかなど、ルーブリックについてわかりやすく解説していきます。

ルーブリックとは

ルーブリックの概要

ルーブリックとは、レポートや発表といったパフォーマンス課題のための評価指標です。そしてこの指標の核として、ルーブリック評価表が使われます。これは評価観点と学習者の到達度をマトリクス化したものです。各観点ごとの評価基準はそれぞれ文章で表現されます。

百聞は一見に如かずです。以下で、ふたば未来学園高校で使われている実際のルーブリック評価表の一部を確認してみてください。

ルーブリックの目的

ルーブリックの目的は、評価指標が曖昧になるパフォーマンス課題に対して、明確かつ公正な評価を実現することです。

これまでにレポートや小論文、グループワークなどで、「どう公正な評価にしようか?」と悩まれた感じた経験があることでしょう。その疑問を生まないようにするのがルーブリックであり、そのため生徒にもこの評価表は提示されます。

ルーブリックが注目される背景

ルーブリックが近年注目を集めている背景は、教育改革によってアクティブラーニングが重視されるようになるからです。アクティブラーニングとは、議論やグループワーク、発表などを行う学習方法を指します。

つまりこれからは、従来のようなテストの点数だけで成績が決まる「知識重視の教育」から、「知識に加えて、思考力や判断力も重視した教育」に変わるのです。アクティブラーニング重視した教育への移行において、生徒に明確で公正な評価を実現できるルーブリックが注目されています。

ルーブリックを活用している具体例

既にルーブリックを導入している大学や高等学校があります。実際にはどのようなルーブリックが使われているのか、以下で確認してみましょう。

福島県立ふたば未来学園高等学校のルーブリック

みらい学園高校は「生徒をどのように育てたいか」を具体化した人材育成要件を、ルーブリックで評価できるようにしています。各生徒は半年に一度、このルーブリックに基づいて自己評価します。また自己評価の結果を他生徒と共有するのも特徴です。これにより生徒のメタ認知能力を養っています。

以下の表が同校で活用されているルーブリックを一部抜粋したものです。

東京薬科大学のルーブリック

東京薬科大学は卒業論文の評価にルーブリックを導入しています。同大学の薬学部で活用されている評価表を以下で確認してみましょう。

全米カレッジ大学協会の「VALUEルーブリック」

アメリカのVALUEルーブリックは、評価表作成の基盤になるメタルーブリックとして作成されました。VALUEルーブリックをカスタマイズすることで、各大学が学科や科目に応じた適切なルーブリック評価表を作成できるようになります。

ルーブリックのメリット

様々なところで導入が始まっているルーブリックですが、このような評価基準を設けることによって次のようなメリットがあります。

これまで評価が困難だったものに、公正な評価ができる

これまで評価すること自体が難しかったり、評価基準が人によって曖昧だったりするものは、なかなか公正な評価ができませんでした。

しかしルーブリックが活用されると、そういったものに公正な評価が行えるようになります。これは上記で説明したように、ルーブリックが、各観点それぞれに明確な評価基準を設けているからです。

実際に学校教育の中では、次のような活動への利用が期待されています。

  • ディスカッション
  • レポート
  • プレゼンテーション
  • 関心・意欲・態度
  • 表現力

このような点数化が難しいものにはルーブリックの活用が有効的です。感覚的な評価ではなく、しっかり達成度合いとレベルに応じた評価をすることができます。主観的になりがちな評価に、客観的な指標が設けられる点が特徴と言えます。

教育者が授業のねらいや目標を明確にし、授業の質を向上させられる

藤田雅也氏らが行ったルーブリックの効果についての研究では、ルーブリックは、教育者の授業のねらいや目標を明確にする効果を持つと報告されています。そしてこれに伴い、授業の質を向上させる効果も持ちます。

これはルーブリックの存在が、授業の振り返りを行いやすくしているためです。実際に同研究では、ルーブリックを用いた授業のあとに、教育者が以下のような反省をしています。

  • 普段の授業では、同じ観点ばかりを扱ってしまう傾向があった
  • ある観点の出来については生徒のレベルが高く、より高いレベルの授業が妥当であった
  • 次の授業ではもう少し焦点を絞りたい

このようにルーブリックは、授業の取扱い内容や授業レベルに対して、教育者が授業を振り返る客観的な指標になりうると言えます。授業内容をブラッシュアップするための手段としての効果も期待されます。

参照:藤田雅也、松岡宏明、赤木里香子、泉谷淑夫、大橋功、萱のり子、新関伸也『観賞学習ルーブリックの作成とその活用に関する一考察』

生徒が学習の目標や内容を明確にできる

ルーブリックのメリットの一つして挙げられるのが、生徒が授業の目標や内容をわかりやすくなることです。

生徒はどのレベルまで求められているのかがわからず、活動が曖昧になってしまいがちです。しかしルーブリックを活用すると、どのレベルまで達すればどのような評価がされるのかが可視化されるため、活動の方向性がわかりやすくなります。仮に活動が上手くかなかった時も、自分に足りないものが何なのかをルーブリックを確認することで自分自身で把握できます。

また授業を通して教育者が伝えたいものや想いが事前にわかるので、授業内容がよりわかりやすくなるメリットもあるでしょう。

ルーブリックを活用することで教育者と生徒が目的や到達レベルを共有して取り組むことができるので、授業がより活性化することが期待されています。

参照:京都大学:寺嶋浩介、林朋美『ルーブリックの構築により自己評価を促す問題解決学習の開発』
参照:鈴木雅之『ルーブリックの提示による評価基準・評価目的の教示が学習者に及ぼす影響』

ルーブリックの課題点

メリットも多く、既に導入も進められているルーブリックですが、現状まだ課題点が残されています。ここでは今挙げられているルーブリックの課題点についてお伝えします。

評価表の作成が難しい

ルーブリックを活用していく上で課題となっているのが、評価表作成のの難しさです。この原因として、日本には、作成の基盤となるルーブリックがないことが挙げられます。そのため生徒のパフォーマンスをどのように位置付けるかなど、妥当性のあるルーブリックを作るのが難しいのが現状です。

ルーブリック発祥の地であるアメリカには、「VALUEルーブリック」があります。これは多くの大学が実践を基に長い時間をかけて共同開発したものです。日本でも同じものを作れば良いだろうと感じるかもしれません。しかし日本では、まだ評価実践の歴史が浅く、妥当性や信頼性を備えたルーブリックを作るのは困難です。

したがってルーブリック開発にあたって、これからはVALUEルーブリックを参考にしながら、長い時間をかけて、分析と修正をする必要があります。そのためルーブリック普及当初に授業を受ける生徒は、発展段階の指標で評価を受ける可能性がある点には留意しておきましょう。

参照:松下佳代『学習成果としての能力とその評価-ルーブリックを用いた評価の可能性と課題-」

まとめ

これから学校教育ではアクティブラーニングが主体となり、ディスカッションやプレゼンテーションなどが授業に取り入れられていきます。

ルーブリックはそのようなアクティブラーニングに対して公正に、一定の基準で評価を下せるものになります。

まだ広く普及しているわけではありませんが、これからの教育改革の流れを踏まえると多くの学校で取り入れられることが予想されます。

評価をしやすくするといったメリットだけでなく、学習の狙いや内容も明確になるので学習意欲の向上や理解度UPにも繋がっていく可能性もあります。

今後は小・中学校にもルーブリックが広がってくる可能性もあるのでどのように活用されるのか注目してみてください。

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