新型コロナウィルスの影響で、主流になってきた「オンライン授業」。密な状況を避けながら、学べると様々な塾でオンライン対応が進められています。しかしこれまで学校を含め「対面授業」を受けてきた我々にとって、「オンライン授業」は未知の領域かと思います。
- これから塾に通わせようと思っているが、オンライン授業で本当に大丈夫?
- オンライン授業ってどんな形で行われるの?
- オンライン授業で本当に勉強は定着するの?
など、様々な疑問や不安をお持ちのことでしょう。
そこで、今回はオンラインとオフラインの両方を実施している、プロの塾講師の方に、
「オンライン授業とオフライン授業の違い(メリットとデメリット)」
を実体験をもとに聞かせていただきました。
そしてメリットとデメリットに関しては、
「実際にオンライン授業とオフライン授業を受けた子どもや保護者の方の声」
も合わせてまとめております。
- 「オンライン授業」のメリット・デメリット
- 対面授業⇨オンライン授業に代わってどうなったか
- オンライン授業の塾を選ぶ際のポイント
それでは実際に見ていきましょう!
目次
今回ご協力していただいたプロの塾講師
<MEL School(メルスクール)三鷹代表 浅井利和子さん>
大学卒業後、出版社にて一般書、雑誌の編集に従事。後に株式会
<個別指導塾TESTEA代表 繁田和貴さん>
開成中・高を経て、東京大学経済学部を卒業。
小学生時代は有名進学塾 SAPIX で3年連続1位の成績を残し、 「10年に1人の逸材」として注目されるものの、その後は多くの失敗を重ねた学生時代を過ごす。
その結果、「目的意識のない勉強は続かない」ということを学ぶ。紆余曲折した経験を活かすべく、2006年に個別指導塾TESTEA を開校。小中高の各年代で実践した勉強法を分析し、独自の学習メソッドを開発。「受験勉強だけで終わらない一生モノの人間力を」という想いのもと、生徒のやる気を高め、勉強のやり方を次々と改善し、多くの生徒や保護者から厚い信頼を得る。現在は執筆、講演、テレビや雑誌など多くのメディアにも出演し、一人でも多くの生徒・保護者の支えになるべく、鋭意活動中である。開成番長の名で親しまれている。
大手学習塾講師・教務責任者、教育ベンチャー学習塾講師・教室長を経て完全オンラインで学べるコーチング塾、大学受験スタスタ塾を開校。 大手学習塾時代に、どんなに丁寧に教えて理解させたとしても生徒の主体性がないとその場限りになってしまうとの思いから、コーチングを学ぶ。生徒の主体性を重視した指導により2017年度、2020年度の受験生合格率は100%。銀座コーチングスクール認定コーチを取得し、現在もコーチング・クリニックプロでコーチングを学ぶ。大学生・フリーランス・個人事業主・会社員・経営者向けにも国際ルールに基づいたコーチングを提供している。
座右の銘は、知行合一(知識と行為は一体であること。本当の知は実践を伴わなければならないということ。)
結論
まずこの記事の結論です。
- オンライン授業とオフライン授業(対面授業)には、それぞれの良さがある
- オンライン授業になったことによるメリットはかなり多い
- オンライン授業だからといって、教育の質が落ちることはない(むしろ上がっている)
- まずはオンライン授業を体験してみることが大事
では、実際にオンライン授業について、より詳しく見ていきましょう。
オンライン授業とは?
オンライン授業とは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどを用いて、学習する授業スタイルです。場所を選ばず、デバイスさえあればどこでも受けられたり、密を避けながら勉強ができると、ウィズコロナ時代の新スタンダードとなりつつあります。
しかし一概にオンライン学習と言っても、大きく以下の4種類に大別されます。
- 映像授業型
先生が授業している様子をデバイスを通して試聴するタイプです。スタディサプリを代表とするようなアーカイブされている授業動画を試聴するスタイルや、リアルタイムで先生が授業を配信するスタイルがあります。 - 個別指導型
個別指導塾や家庭教師の授業がそのままオンライン上で受けられるようになるタイプです。基本的にはマンツーマンなので、お子様の性格や学力にぴったり合った授業が行われます。 - 教材型
主にタブレットを用いて勉強します。AIを用いた解答パターンを分析や学習者に最適化された問題の自動選定など、数多くのオンライン教材が開発されてきています。 - コーチング型
科目指導ではなく、勉強法や計画の立て方を指導します。主体的に勉強に取り組む姿勢が身に付きます。自習をしている様子を見ている「オンライン自習室」もあったりします。
上記4つのスタイルを組み合わせて、より効果的なオンライン学習を提供しています。それでは実際にオンライン授業のメリットとデメリットを見ていきましょう!
オンライン授業のメリット・デメリット
オンライン授業のメリット
心身ともに余裕ができる
生徒さん及び保護者の方、共に最もメリットだと感じている部分は、「心身ともに余裕ができること」だと言います。オンライン授業ならわざわざ塾に行かなくて済むので負担が少ない!というような、”身体的な負荷”が主にピックアップされますが、実は心理的負荷もかなり軽減されるそうです。
例えば、どうしても用事があって塾にいけないとき。他の子達は授業受けていて、振り替えするとなると普段と違うクラスにいかないといけない。そんなとき、オンラインだと録画機能があるため、友達が受けた授業を別の時間に受けられます。普段の仲間が受けている雰囲気を感じられるので、次の授業にスムーズに入れます。
また小学生のお子様もつ保護者の方は、夜遅くに子どもを外で歩かせる必要がなくなります。塾への送り迎えも気にする必要がなくなるため、「仕事早く終わらせなきゃ!」「おばあちゃんに連絡してお願いしないと…」などの負担も減るでしょう。
心身ともに余裕を持った生活ができるのは、大きなメリットだと言えます。
集中して勉強に取り組める
しばしば、「オンラインは集中できないんじゃないの?」と、不安に思われる保護者様の声も耳にします。しかし、実際にオンライン授業をしている現場では、意外にもオンラインになったことによって、集中して取り組める!という声が多くあります。その要因は大きく二つ、
- 周りに騒がしい生徒がいないため、環境を整えることで集中空間を作れる
- 保護者の方も授業を受けている様子が見られるため、子どもはサボれない(先生の前だと甘えてサボってしまったりする)
が、あります。教室はある意味「無駄話」がしやすい環境なんです。お友達との交流といった意味ではそれも大事なのですが、勉強に対しての集中を阻害する要因ではあります。
もちろんゲームやスマートフォン、漫画など、勉強の妨げになるようなものが近くにある部屋では、勉強に集中できないです。しかしちゃんと勉強に適した環境を作ることができれば、オフラインで塾に通うよりも、むしろ集中して勉強に取り組めるのです。
自主性が育まれる
オンライン授業では、自主性が大事なります。特にオフラインで塾に通っている場合、すぐ近くに先生がいます。すぐに質問できると言えば聞こえはいいですが、特に考えもせず先生に丸投げみたいなこともしばしば起こっていると聞きます。
一方オンライン授業では、「まず自分で考えてみること」が求められます。その過程で、これからの時代に必要になってくる”自主性”が育まれていくわけです。
では、オンラインでは先生に気軽に質問ができないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。今回インタビューのご協力をしてくださったMEL School(メルスクール)では、”サポートタイム”と称して、無料で生徒さんの質問に対応する時間を用意しています。生徒さんと「じゃあ30分後にZOOMで!」と約束し、しっかり時間をとってサポートするのです。
自主性を育みながら、塾の先生の細やかな指導も受けられるのが、オンラインのメリットと言えるでしょう。
保護者がお子さんの様子を見ることができる(塾と密な連携が取れる)
すごく当たり前なことですが、オンライン授業では、お子様は基本おうちで授業を受けます。そのためお子様が実際に授業を受けている様子を見ることができます。よくよく考えると、お子様が授業を受けている様子は、なかなか見ることありませんよね。
「うちの子は一体どういう風に授業を受けているんだろう?」
オンライン授業であれば、毎回授業参観です!ぜひ様子を見てあげるといいかと思います。
またオンラインであれば、塾の先生とも密にコミュニケーションを取れます。例えば急遽先生に話したいことがあったり、先生から保護者の方に共有事項があったとき、オンラインであれば「〇〇くん、お母さんいる?ちょっと代わって!」なんてことも言えます。「塾に来てください!」なんてなかなか言えませんよね。
なかなか忙しくて、保護者会や面談など、特定の時間に集まるのが難しい親御さんも多いかと思います。そんな方にとって、送り迎えの負担だけでなく、こういった面からも大きなメリットと言えるでしょう。
通塾できない、あの行ってみたい塾にも通える!
全国には数多くの塾が存在しています。ある教科に特化している塾もあれば、勉強の仕方を教えてもらえる塾、テレビに出てくる有名講師が教えている塾など、さまざまです。しかし、どうしても地域という物理的な障壁があり、これまでは「あの気になる塾」に通うことや、「あの気になる先生」に教えてもらうことはできませんでした。
しかしオンライン授業になったことによって、そんな物理的な障壁は取っ払われました。今回インタビューに答えてくださった、個別指導塾テスティーは主に東京に校舎を構えていますが、オンラインになったことにより、現在九州から授業を受けている子もいるそうです。
誰にも聞かれないから、安心して話すことができる
オンラインコーチングの特徴のひとつが安心できる環境で話せるということです。
コーチングでは、守秘義務がありクライアント(生徒)が了承しないかぎり他言することは決してありません。
人は、安心できる環境だからこそ本心を話すことができます。
イヤホンなどをつけて会話をすれば、他のだれかに聞かれるということはありません。
高校生だからこそ、親や学校の先生に話せない悩みを抱えているものです。対面ではなかなか言えないことでも、オンラインで安心できる環境だからこそ話せることもあります。
これが、リアルの教室だと部屋を分けたとしても防音室でもない限り安心安全の場をつくるのは難しいでしょう。
進路相談や学習コーチングは、オンラインでの指導が最適だと言えるでしょう。
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オンライン授業のデメリット
接続不良
やはりオンラインでしばしば起こってしまうのが、接続不良。タブレットやスマホなどのハードデバイスの問題であることもあれば、環境やソフトの問題であることもあり、授業が止まってしまうこともあるそうです。
ただし、オンライン指導歴が長ければ長いほど、こうしたトラブルは経験済みです。たとえ起こってしまったとしても、すぐに対応できるようにはなっているそうです。また個別指導塾テスティーやMEL School(メルスクール)などの”オンライン授業”に力を入れている塾では、塾内の配信環境もどんどんアップデートしておりますし、オンラインサービス自体も都度改善されているため、今後こうした問題は減っていく傾向にあるでしょう。
対面コミュニケーションができない
オンラインでどうしてもできないのが、”対面のコミュニケーション”です。例えば、「〇〇君よくやったね!」なんて肩を叩いたり、「明日頑張ってこいよ!」なんて握手を交わしたりすることができないわけです。こうした物理的なコミュニケーションが、対面指導ならではのメリットですね。
しかしこのウィズコロナ時代の中で、なかなか密な物理的コミュニケーションを取りづらい世の中ではあります。コロナが明けたら、指導はオンライン、受験前や夏休みに通塾して対面コミュニケーションを取る!なんてことにもなるかもしれませんね。
オンとオフの切り替えが難しい
先ほどメリットのところで、「通塾の必要がない」ことを挙げさせていただきましたが、お子様の中には通塾をオンオフの切り替えに使っている生徒もいるそうです。
どうしても遊ぶ空間と勉強する空間が同じだと、オンオフの切り替えは難しくなってしまいます。なので、オンオフの切り替えを通塾時間にしているお子様は、オンライン授業を受ける際は何か切り替えのスイッチを作る必要があるかと思います。
例えば、「メガネをかける」や「制服にあえて着替える」のような、ルーティンを作るのがいいでしょう。
自習室がない
しばしばオンラインのデメリットとしてあげられるのが、この自習室がない問題です。確かに通塾しているお子様の中には、自習室という”勉強しかできない環境”を求めている子も多いかと思います。
では、本当に自習室がないと困るのでしょうか?実は、多くのお子様は自習室そのものではなく、”勉強しかできない環境”を求めているのです。
最近ではこうした環境を作るためにさまざまな工夫をしているお子様も多く、YouTubeのような動画配信サービスで手元だけ映して配信しながら勉強する子もいます。塾でもこうした工夫はあり、先生がお子様の自習を見張りながら、わからない時にはすぐに質問できるような状況を作っているそうです。
管理人が常駐し、やる気のある生徒がいる質の高い空間です。
だから、緊張感をもって集中して学習することができます。
集中力が低い子は工夫が必要
対面授業の際に、「ほら、ちゃんとこっち向いて!」とか「ちゃんと鉛筆持って!」のような指導をしているような集中力の低い子は、やはりオンラインだと苦労するそうです。
じゃあオンラインになったから集中力が減ったかというと、そうではないと言います。むしろ保護者の方がいるので、ふざけてかまってみたいなこともできないそうです。
やはり「オンライン授業は本当に集中できるのかな?」と心配される保護者の方も多いかと思いますが、ご安心ください。実際に指導して数多くのお子様を見てきているプロの講師の目線では、ほとんどの子はオンラインが原因で集中力が落ちたり、成績が上がらないみたいなことはないそうです。
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対面授業と徹底比較
ここまででオンライン授業のメリットとデメリットについては、ご理解頂けたかと思います。しかし、
- 本当に成績上がるの?
- メリットはわかったけど、まだ納得できないな〜
なんて思っている方もいるかもしれません。そこでここではこのウィズコロナ時代で1年間オンライン授業を行ってきたプロ講師の方に、その前後での変化をインタビューしまとめました。
項目 | 変化 |
価格 | オンライン=オフライン |
出席率 | オンライン>オフライン |
志望校合格率 | オンライン≧オフライン |
退塾率 | オンライン≦オフライン |
価格については、両校ともに変わっていないそうです。塾の中には、オンラインになったことで価格を下げているところもあるそうですが、提供する授業の質はむしろ上がっていることから、料金は変えていないと言います。
出席率に関しては、オンラインにしたことで圧倒的に向上しています。これは部活動や学校の用事で行くのが間に合わない生徒や送り迎えができない生徒が、どこでも授業に出席できるようになったことに起因しています。
志望校合格率に関しては、ほとんど変化がないそうです。全体的な傾向を見ると、普段はでない英検1級に合格する生徒や開成中学に合格する生徒が出てくるなどの、合格実績の向上はありましたが、オンラインとの因果関係が取りづらいため、変化なしとさせていただいております。
退塾率に関しては、オンラインにしたことにより減少したそうです。もちろんオンラインになったことによって退塾した生徒がいないわけではありませんが、ほとんどのお子様は「オンラインになっても変わらないよね」と退塾することはないそうです。むしろ、オフラインでの退塾要因がオンラインで解消されたことで、全体的な退塾率は下がっています。
まずは体験してみよう
いかがだったでしょうか?オンライン授業はこれまでスタンダードではなかった分、イメージがわかない部分も多かったと思いますが、少しご理解頂けましたでしょうか。
これまで解説させていただいた通り、オンライン授業には数多くのメリットがあります。これまで対面ではできなかったことができるようになってきております。ウィズコロナ時代の教育の新しいスタンダードになってくる日も近いのではないでしょうか?
とは言っても、オンライン授業が皆様のお子様に合うかどうかは、実際に体験してみないとわかりません。多くのオンライン塾では無料体験を行っておりますので、是非これを機に、オンライン授業を体験してみてください!
今回ご協力してくださいました、浅井さんが運営する「MEL School(メルスクール)」及び、繁田さんが運営する「個別指導塾テスティー」、鈴木さんが運営する「大学受験スタスタ塾」でも、無料でオンライン授業を体験できます。
これからの時代を生き抜いて、自分の人生を歩める人になってほしいと思っています。そこに物理的な壁が無くなったオンラインコーチングを是非体験してほしいです。
さらに細かく比較して、塾を選びたい方はこちらもご参考にしてください!
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