大学入学共通テスト プレテストの結果と対策を解説|地理・歴史・公民

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。

2020年度に実施される大学入学共通テストまで残り1年ですね。

プレテストも終わり高校2年生のみなさんを含め、準備しようと考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

ですが「どう対策していいのかわからない」「そもそもなんで今センター試験が廃止されるのかわからない」という方もいるはずです。

今回はそのような声にお応えして、文系科目である地理歴史・公民の問題の傾向から対策までわかりやすく解説していきます。

大学入試共通テストとは

まずは、大学入試共通テストの基本的内容について紹介します。

大学入試共通テストの導入目的や配点について見ていきましょう。

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目的

大学入試共通テストは、2020教育改革の一環で、2021年度から2023年度までは先行実施、2024年度から本格実施の予定です。

急速なグローバル化、AIやロボット、ビッグデータなどのテクノロジーの発達、人口減・少子高齢化による社会構造の変化など、先の予測が難しい時代において創造できる力を育てることを目的に導入されます。

「表現力・思考力・判断力」をこれまで以上に重視するため、数学と国語は記述式問題が導入される予定です。

また、2024年度からは理科と社会にも記述式問題の導入が検討されています。

配点

大学入試共通テストの地理・歴史・公民の配点は次のとおりです。

教科 科目 配点
地理歴史 「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」 1科目100点
公民 「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理,政治・経済」 2科目200点

受験生は地理歴史・公民の10科目から最大2科目を選択します。

尚、試験時間は地理歴史が1科目60分、公民が2科目130分です。

大学入学共通テスト プレテスト

ここでは、大学入学共通テストプレテストの目的や日時、実施場所について紹介します。

目的

大学入学共通テストのプレテストは、2021年1月から実施される大学入学共通テストがどのようなものか実際に体験することが目的です。

そのため、プレテストでは、本番に近い想定で各問題が出題されています。

また出題者側としては、プレテストの結果・平均得点率を今後の問題作成に生かすことができます。

日時、実施場所

2017年、2018年度大学入学共通テストのプレテストの日程や受験者数は次のとおりです。

2017年度プレテスト(11月実施分)
実施期間 11月13日〜24日
受験者数 177,628人
実施場所 各都道府県の協力校
2018年度プレテスト(11月実施分)
実施期間 11月10日・11日
受験者数 68,409人
実施場所 各都道府県の協力校

公民は3科目(現代社会・倫理・政治経済)ありますが、1回目のプレテストは現代社会のみ実施でした。

プレテスト結果 地理

ここでは、2018年度大学入学共通テストのプレテスト(地理)結果について紹介します。

問題の傾向

地理の問題は、表現力・思考力・判断力などをより重視する出題傾向へ変わり、小問数が減少しました。センター試験では35〜37問あったのが、プレテストでは30〜32問となっています。ただし、小問ごとに考える時間は長くなりました。

他の主な傾向は以下の4点です。

  • これまでは位置を問う問題だったが、根拠を問う問題が出題されている
  • 提示資料の数が多い問題もある
  • 長いリード文や会話文が使用されている
  • 複数の選択肢の中から正しいものをすべて選ぶ問題も出題

得点

地理の大問ごとの平均正答率は次のとおりです。

2017年度プレテスト 平均正答率
第1問A 32.9%
第1問B 76.0%
第2問 65.9%
第3問 49.6%
第4問 52.8%
第5問 43.0%
2018年度プレテスト 平均正答率
第1問 55.2%
第2問 52.4%
第3問 62.9%
第4問 64.6%
第5問 64.8%

尚、2018年度プレテストの3年生平均点は62.72点、平均正答率は60.02%です。

勉強法

2018年度大学入学共通テストのプレテストが上記のような傾向があることから、知識を組み合わせて答えを見つける思考力や判断力が必要になり、地誌・系統地理どちらの理解も重要になります。また、地図を見ながら国や地域の位置も覚えておくことが大切です。

センター試験の過去問を解くことも効果的です。試験では、初めて見る資料をもとに解く問題が出題される可能性があるため、多くの資料を読み慣れておく必要性もあります。

*地誌・・・知識を用いて特定の地域の性格について考察する学問。
*系統地理・・・地形や天候、産業、経済などを地域に関係なく学習する学問。

プレテスト結果 世界史

次に、2018年度大学入学共通テストのプレテスト(世界史)結果について紹介します。

問題の傾向

世界史の問題傾向のポイントは次の4点です。

  • センター試験と比べて大問数は増加したが小問数は減少した
  • 資料や図板の使用が多くなり、情報量が増えた
  • 知識の有無だけでなく時代背景を理解しているか問われる
  • 事象の因果関係を把握しているか試される

得点

世界史の平均正答率は次のとおりです。

2017年度プレテスト 平均正答率
第1問A 56.0%
第1問B 63.8%
第2問A 34.5%
第2問B 50.4%
第3問A 53.5%
第3問B 29.2%
第4問A 58.0%
第4問B 49.3%
第5問A 61.6%
第5問B   67.1%
第6問A
55.2%
2018年度プレテスト 平均正答率
第1問A 55.7%
第1問B 65.5%
第1問C 64.8%
第2問A 72.5%
第2問B 50.6%
第2問C 58.4%
第3問A 53.3%
第3問B 62.2%
第4問A 55.1%
第4問B
56.1%
第5問A
61.9%
第5問B
55.9%

2018年度プレテストの世界史の3年生平均点は62.78点です。

勉強法

世界史は、歴史問題や専門用語を暗記するだけでなく背景や因果関係まで理解しておくことが大事です。プレテストはセンター試験よりも用語が易しいものでしたが、本番でもそうとは限りません。まずは、教科書の知識を習得すること、そして過去問を解くことが有効です。

試験では、初めて見る統計データや図版、史料などが出る可能性が高いため、さまざまな資料に目を通し、考察する力を養うことが大切になります。

プレテスト結果 日本史

次に、2018年度大学入学共通テストのプレテスト(日本史)結果について紹介します。

問題の傾向

日本史は、センター試験よりも難易度が高くなっています。主な傾向は以下6点です。

  • センター試験よりやや難しくなる
  • センター試験より問題数は減るがページ数は増加している
  • 資料やグラフ、年表や図板など情報量が増えたため早く問題を理解しないと時間がかかる
  • 知識を組み合わせて解答する必要があり、単純な知識では解けなくなっている
  • 教科書に載っていない資料を見て仮説を立て、考察できるかを問う問題がある
  • 正解が1つでない問題もある

得点

日本史のプレテスト平均正答率は次のとおりです。

2017年度プレテスト 平均正答率
第1問 57.62%
第2問A 73.65%
第2問B 40.95%
第3問A 48.3%
第3問B 28.9%
第4問A 50.8%
第4問B 40.3%
第5問A 40.7%
第5問B 52.1%
第6問A
39.5%
第6問B
62.2%
2018年度プレテスト 平均正答率
第1問 76.8%
第2問 32.8%
第3問 62.4%
第4問 51.1%
第5問A 57.5%
第5問B 43.1%
第6問 45.1%

尚、2018年度プレテストの高校3年生平均点は55.19点です。

勉強法


日本史は、試験で歴史用語を示さない問題も出題され、2024年度からは記述式問題も導入予定のため、用語を覚えるだけでなく内容を理解する勉強が大事です。

センター試験対策と同じように、教科書や参考書の知識を習得することが大切になります。ただし、用語や事象を暗記するだけでなく、その事象の原因や結果など背景についても理解するよう勉強することが重要です。

また、すべての時代を分断せず横断的に勉強しておくことも必要になります。試験では時代を横断した問題も出るため、すべての時代がつながっていることを理解しておきましょう。

プレテスト結果 現代社会

ここでは、2018年度大学入学共通テストのプレテスト(現代社会)結果について紹介します。

公民は現代社会、倫理、政治・経済の3種類ですが、2017年1回目のプレテスト では、現代社会の実施となります。2回目のプレテストでは3種類です。

問題の傾向

現代社会は、センター試験と比べて問題数は減少しているものの、解く時間は長くなっています。

現代社会の問題傾向は次の4点です。

  • センターと比べて問題数は減少
  • 資料やリード文が増えたため解く時間が長くかかる
  • グラフを参照して議論を完成させたり、資料から得た知識を関連づけて解答させる問題など
  • ただ覚えているだけの知識ではなく、背景を理解しているか問われる

得点

現代社会の平均正答率は次のとおりです。

2017年度プレテスト 平均正答率
第1問 51.6%
第2問 77.5%
第3問 35.5%
第4問 43.7%
第5問 52.5%
2018年度プレテスト 平均正答率
第1問 53.6%
第2問 39.2%
第3問 55.9%
第4問 47.0%
第5問 59.7%
第6問 58.7%

尚、2018年度プレテストの高校3年生平均点は51.77点です。

勉強法

時間内に解答するには素早い処理能力が必要なため、資料の読解力や物事の背景・因果関係を理解しながら勉強することが大事です。問題パターンは限られるため、過去問や資料集から多くのパターンを把握することも大切になります。

テストでは非常に文章量が多いですが、すべてを丁寧に読まなくても、大枠を理解すれば解ける問題が多いです。全部を読み込んでいると時間が足りなくなるため、流し読みの練習もするようにしましょう。

プレテスト結果 倫理・政治経済

ここでは、2018年度大学入学共通テストのプレテスト(倫理・政治経済)結果について紹介します。

倫理・政治経済は2回目のみの実施です。

倫理

倫理は、センター試験と比べて、問題数は減ったが解くのに時間がかかる問題が増えている傾向があります。ただし、難易度はセンター試験とそれほど変わりありません。

また、任意にテーマを選んで解く問題や当てはまる答えをすべて選択する問題などが出題されています。

倫理のテストは、思想史の知識がないと読解できない問題が多いため、日頃の勉強で倫理の基礎的な知識を習得することが前提です。そして、思想家ごとの立場を考えて考察すること、限られた思想の対立パターンを把握することが大切になります。さらに、できるだけ多くの倫理の資料集に目を通し、本と著者をセットで覚えておくようにしましょう。

以下は、倫理の2018年度プレテスト平均正答率になります。

2018年度プレテスト  
第1問A 80.6%
第1問B 50.8%
第1問C 47.6%
第2問A 48.8%
第2問B 64.0%
第3問A 39.4%
第3問B 42.1%
第3問C 34.7%
第4問A 59.0%
第4問B 49.8%

倫理の3年生平均点は55.89点、平均正答率は52.32%です。

政治経済

政治経済は、センター試験と比べて設問数は減りましたが、情報量が増えて、解くのに時間がかかるようになりました。ただし、難易度はセンター試験とそれほど変わりありません。

また、政治経済の必要な知識は、これまでのセンター試験とほとんど変わっていません。主な違いは読解する資料が多いことです。

そのため、これまで通り教科書の知識を習得し、読み込むことが大切になります。教科書や参考書から得る知識を身につけながらも、適切に読み取る力を養うためです。

センター試験と大きな変化がないからこそ、過去問を解くことも有効と考えられます。

以下は、政治経済の2018年度プレテスト平均正答率になります。

2018年度プレテスト  
第1問A 55.1%
第1問B 39.7%
第2問 61.7%
第3問 52.3%
第4問A 37.8%
第4問B 40.2%

政治経済の3年生平均点は49.29点、平均正答率は49.62%です。

まとめ

大学入試共通テストは、変化が激しい世界で創造できる力を養う目的で作成されています。それに対応して、表現力・思考力・判断力を重視した問題が出題されるのですね。

これからは、暗記するだけでなく、事象の背景や因果関係についても勉強をして理解することが重要になるでしょう。

受験では戦略を立てながら勉強をすることがとても重要です。大学入学共通テストの各教科の難易度を理解し、効率よく勉強を進める助けになれば幸いです。

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