キャリア教育の基本事項まとめ|子どもの成長を支える新たな教育

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この記事で分かること!
  • キャリア教育の定義
  • キャリア教育の背景と意義
  • キャリア教育で目指される姿
  • これからのキャリア教育
こんにちは!スタスタ編集部です。

最近になって「キャリア教育」という言葉を耳にする機会が、増えてきましたよね。

そこで今回は、キャリア教育とは一体なんなのか定義や背景、意義などから分かりやすく解説します!

キャリア教育とは

文部科学省によるキャリア教育の定義は以下の通りです。

キャリア教育とは、「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して, キャリア発達を促す教育」

「キャリア」と一口に言っても、実際キャリアが何を意味しているのか分からず、この定義だけ見てもキャリア教育が何なのかよく分かりませんよね。キャリアも文部科学省により定義付けがなされており、「人が,生涯の中で様々な役割を果たす過程で,自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ね」とされています。

つまりキャリア教育とは、「一人ひとりが自らの価値を見つけて、自分らしく生きられるようにする教育」と言えるでしょう。

キャリア教育推進の背景と意義

キャリア教育推進は、グローバル化や情報化、少子高齢化による急速な社会・雇用構造の変化が大きく関係しています。実際にここ10年ほどでスマートフォンが私たちの生活を大きく変えたり、近年では戦後以来続いてきた終身雇用の崩壊が叫ばれたりしていますよね。

このような状況から子どもたちは、理想とする大人のモデルを見つけるのが難しくなってきています。そのため子どもたちは、自分の希望溢れる将来を描けなくなってしまっているのです。

また社会の急激な変化が、社会的・精神的発達にも影響を与えているとも言われています。実際に、日本の子どもたちの自己肯定感や人間関係構築力、意欲、将来への希望などは、相対的に低い水準にあります。以下の表で、日本と諸外国の子ども・若者が持つ意識の差について確認してみましょう。

自分自身に満足している 友人関係の満足度 上手くいくか分からないことにも意欲的に取り組む 将来への希望
日本 45.8% 64.1% 52.2% 61.6%
韓国 71.5% 70.2% 71.2% 86.4%
アメリカ 86.0% 79.7% 79.3% 91.1%
イギリス 83.1% 76.8% 80.1% 89.8%
※『平成26年版 子ども・若者白書(概要版)特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~』(内閣府)のデータより作成。

このように現代日本の子どもたちは、社会的・精神的成長が遅れてしまっているのです。そのためキャリア教育を推進して、この状況を打破することが求められています。

この背景からキャリア教育推進の意義は、社会の激しい変化に流されず、自立して困難に対応できる「生きる力」を養うことにあるのです。

キャリア教育で育成される力

では、キャリア教育で実際にどんな力が養われるのでしょうか。キャリア教育の定義にも、「社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てること」とあり、能力・態度が具体的に何を指しているのか分かりませんよね。

中央審議会はこの能力や態度を「基礎的・汎用的能力」と提示しています。それでは詳細を確認してみましょう。

基礎的・汎用的能力

基礎的・汎用的能力は、「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の4つの能力で構成されます。

以下でそれぞれの能力について、確認してみましょう。

  • 人間関係形成能力・社会形成能力
    より具体的に人間関係形成能力を言い表せば、他者の意見に耳を傾けながら、それを基に自分の考えを正確に相手へ伝える力です。また社会形成能力は、状況に合わせた自分の役割を把握し、それに沿って他者と協力し、社会に参画する力です。
    この2つを象徴する具体的なスキルとしては、リーダーシップやチームワーク、他者の個性を理解する力、コミュニケ―ションスキルなどが挙げられています。
  • 自己理解・自己管理能力
    自己の理解において大切なのは、自分のできること・したいことを理解することです。そして、そのための主体的な行動力が求められています。また、自己管理能力は、自らの成長のために、感情を律して進んで勉強する力です。
    自己の役割の理解や忍耐力、前向きに考える力、ストレスマネジメントなどがこの能力に該当します。
  • 課題対応能力
    課題対応能力と聞いて、あなたは何を想像しましたか?「課題解決能力」が真っ先に浮かんだという方も少なくないのではないでしょうか。しかし文部科学省が提示する課題対応能力が意味するのは、それだけではありません。課題の発見・分析と、それを基に計画を立てる力も、課題対応能力には含まれています。
    この能力の要素には、本質の理解や原因の追究、計画立案、実行力が挙げられています。
  • キャリアプランニング能力
    この能力は、自分なりの「働く」ということへの意義と役割を見出し、そしてそれに基づいて主体的な判断でキャリアを形成していく力です。
    この能力を構成する要素として、多様性の理解や将来設計が挙げられています。

勤労観・職業観

また中央審議会は基礎的・汎用的能力の他に、「意欲・態度及び価値観」も自立のために必要な要素として挙げています。人は自らの価値観に基づいて行動するので、価値観が能力育成の基盤となることから重要視されているのです。そして価値観の中でも、とりわけキャリア形成に関係する「勤労観・職業観」の形成が必要とされています。

勤労観・職業観の形成を支援するうえで注意しなければならないのは、律の正しい勤労観・職業観はない」ということ。これは人によって生き方は様々なので、勤労観・職業観も人それぞれで良いからです。そのため子どもたち一人ひとりが、自分にとっての働く意義や目的を見つけるのが大切なのです。

「正しい勤労観・職業観がないなら、何を基準に形成の支援をするの?」と疑問に思った方もいるかもしれません。勤労観・職業観の形成で目指されるのは、「望ましさ」です。多様性を大切にしながらも、社会倫理に大きく外れたものが形成されないように、共通の土台を設けているのだと考えられます。

「望ましさ」の要件は、文部科学省から提示されています。以下から確認してみましょう。

  • 職業には貴賤がないこと
  • 職務遂行には規範の遵守や責任が伴うこと
  • どのような職業であれ,職業には生計を維持するだけでなく,それを通して自己の能力・適性を
    発揮し、社会の一員としての役割を果たすという意義があること
  • 一人ひとりが自己及びその個性をかけがえのない価値あるものとする自覚
  • 自己と働くこと及びその関係についての総合的な検討を通した,勤労・職業に対する自分なりの
    備え
  • 将来の夢や希望を目指して取り組もうとする意欲的な態度

これらを踏まえると、職業観では「職業に優劣はなく、それぞれに明確な価値があるということ」、勤労観では「自分のしていることは、社会だけでなく自分の成長のためにも価値あるものだということ」を認識するのが重要視されていると言えます。

キャリア教育の方向性

文部科学省はキャリア教育の具体的な方向性として、4つの取組みを提示しています。以下からそれぞれをご確認ください。

  • 学校における体系的・系統的なキャリア教育実践の促進
    小・中学校では学級会などの特別活動を中核にしつつも、学校行事や総合学習の時間、個別指導の進路相談など、学校の教育活動全体を通じたキャリア教育の推進が求められています。高等学校ではホームルームを中心として、総合的な探究の時間や公共の授業、個別指導としての個別指導など、こちらも学校の様々な活動からキャリア教育を推進していくことが方向づけられています。
  • 職場体験活動やインターンシップなどの職業に関する体験活動の充実
    普通科の高等学校で行われようとしているのが、アカデミックインターンです。大学等の卒業を前提とする資格が必要な職場も含めた職業体験を充実させようとしています。
  • 学校と地域・社会や産業界等が連携・協働した取組の促進
    小学校から高等学校までを通し、地元理解と愛着を深めるキャリア教育や、職場体験・インターンシップ受け入れ先企業の拡大が方向づけられています。
  • 児童生徒が活動を記録し蓄積する教材等(キャリアパスポート)の活用
    普及と定着を推進されているのが、「キャリアパスポート」です。これは、生徒自らがキャリア活動に関する活動のプロセスを記述し振り返れるようにする教材です。
    実際にこれを用いた青森県と兵庫県の事例では、「新たな学びの動機付けに繋がった」「自己肯定感の高まりが見られた」「課題解決能力が身に付いた」などキャリアパスポートが生徒の変容をもたらしたそうです。

まとめ

キャリア教育について定義や背景、意義などから解説を行ってきました。キャリア教育について抱えていた疑問は解決できたでしょうか。

ちゃんと理解できなかったという方や、疑問点・不明点を持った方、キャリア教育で目指される能力を早くから塾で伸ばしたいという方は、是非スタスタのコンシェルジュにご相談ください!

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スタスタ編集部

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