【2022年最新版】探究学習の小学校オススメ4選を紹介!|スタスタ

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
キーポイント

✔探究学習とは、自ら主体的に学ぶことで、思考力、判断力、表現力などを養う新しい学習法

✔小学校は「開智小学校」「開智望小学校」「関西国際学園 初等部」「英数学館小学校」の4つを紹介

✔小学校以外にも探究学習の塾がある

教育改革で思考力や判断力が求められるようになり、近年になって注目を浴び始めている探究学習。2019年度からは文部科学省の高校学習指導要領も改訂され、国としても積極的に探究学習を取り入れることが推進されるようになりました。

「それなら早い段階から『探究学習』を子どもに学ばせたい」と考える保護者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、探究学習の授業を実施している小学校を集めてみました。具体的にどんな学習方法なのか、ぜひチェックしてみてください。

探究学習とは

2019年度から高校の学習指導要領が改訂されました。これまで「総合的な学習の時間」として実施されてきた科目が「総合的な探究の時間」に変更されたのです。

その背景には、人工知能(AI)やIoTの「知識基礎社会」と言われる新時代を迎えています。この情報化、グローバル化に適応し、社会に豊かな価値を創造できる人間像として、「自ら主体的に考え、判断し、他者と協働しながら、自己発信ができる力」が求められるようになってきました。

そこで新時代に必要な力をはぐくむ教育方法として、学校教育の現場でも受動的な教科学習だけでなく、「主体的に自ら学ぶ」探究学習の必要性が謳われ始めたのです。つまり探究学習とは、自ら主体的に学ぶことで、思考力、判断力、表現力などを養う新しい学習方法です。

探究学習の基本モデル

探究学習には基本モデルがあります。

  1. 課題の設定:不思議や疑問などの体験的な活動などを通じて自ら課題を設定し課題意識をもつ
  2. 情報の収集:自分で調べたり、人に聞いたりしながら必要な情報を収集する
  3. 整理・分析:収集した情報を整理・分析し、より深い理解へとつなげていく
  4. まとめ・表現:気付きや発見、自分の考えなどをまとめ、プレゼンテーションなどで表現する

こうした探究学習の基本モデルに基づいて、子どもたちは教科の枠にとらわれない横断的な分野において、関心のあるテーマを主体的に学んでいきます。

今後の流れとしては、まずは高校を中心に導入され、将来的には中学校や小学校でも、従来の講義型の授業だけでなく探究型授業が必修科目として加えられて行くのではないかと予想されます。

探究学習の小学校オススメ4選

さて全国ではすでに小学校でも探究学習を導入しているところがあります。その中でも今回、学校理念として「探究」を掲げているおススメの4校をご紹介したいと思います。

開智小学校(埼玉)

埼玉県さいたま市にある12年一貫教育校です。一般的な「小中高」の6-3-3ではなく、4-4-4の3段階に分け、それぞれの時期に最適な学習プログラムを行っています。

  • 【プライマリー】(小1~小4):「体験から学ぶ」として、好奇心や学習意欲を育てることを重視しています。
  • 【セカンダリー】(小5~中2):「幅広く学ぶ」として、幅広い知識・教養を身に付け、探究的な学びを深めることを重視しています。
  • 【ターシャリー】(中3~高3):「深く学ぶ」として、自らの関心にそって専門的に学問を深めることを重視しています。

「国際社会に貢献する、心豊かな、創造力・自己発信能力をもったリーダーを育てる」ことを教育理念とし、「得意を伸ばし、志を高く学び、人のために学び、行動すること」を教育目標として掲げています。(参考:開智小学校

探究学習の取り組み

開校当時より、子どもたちが能動的に学び合う「探究型の授業」が多く取り入れられています。探究学習は自分で「探究テーマ」を設定し、疑問→仮説→検証→発表というサイクルで行われています。1年生から発表もあり、8年生になると、自分の探究テーマに合わせて大学教授や専門家などを訪ねて、さらに理解を深められるようになっています。

探究学習の科目だけでなく、学校全体として、できる限り子どもたちが自主的に企画・運営できるよう考慮されています。あらゆる場面で学ぶ意欲を高め、探究する心を育てながら、集中力、思考力、創造力などの基礎能力を育て、年齢に合わせてより深い探究学習に取り組めるよう一貫したカリキュラム構成となっています。

所在地    埼玉県さいたま市岩槻区徳力186
電話番号   048-793-0080

開智望小学校(茨城)

学校法人開智学園 開智望(のぞみ)小学校は、茨城県つくばみらい市にある6年制の小学校で、2020年4月に(仮称)開智望中等教育学校の開校予定となっています。2018年3月国際バカロレア初等教育プログラム(IBPYP)認定校になりました。日本の小学校卒業資格を取得できる上にIBPYP認定校の卒業生となれるのは、国内で2校目、茨城県では初となります。

『児童が主体的・能動的に学習する学びの創造』を教育方針とし、日本の学習指導要領に加えて国際標準の初等教育プログラムを取り入れた独自の教育課程を行っています。特に年間200時間の英語学習を重視した「国際的な教育」と教科の枠を超えた共通テーマに基づいた課題に取り組む「探究型の教育」に力を入れています。(参考:開智望小学校

探究学習の取り組み

1年生から5年生まで、教科の枠を超えた6つのテーマを1年間で1つずつ、約6週間かけて探究します。この6つのテーマはPYPで掲げられている共通テーマです。6つのテーマは以下に挙げられます。

  • 私たちは誰なのか
  • 私たちはどのような時代と場所にいるのか
  • 私たちはどのように自分を表現するのか
  • 世界はどのような仕組みになっているのか
  • 私たちは自分をどう組織しているのか
  • この地球を共有するということ

同じテーマでも、学年によって小テーマが異なります。例えば「私たちは誰なのか」の場合、低学年なら「自分自身についての理解」をテーマとし、高学年では「人工知能と人間の共生」をテーマにしたりしています。同じテーマを発達段階に合わせてより深く学ぶことでより高いレベルアップが求められています。

探究学習の基本モデルとしては、『疑問の発見→仮説を考える→調査・観察→実験・検証→考察・発表』を繰り返しながらより理解を深めていきます。すべてにおいて、子どもたちが主体的な学びを行うように工夫されています。

所在地    茨城県つくばみらい市筒戸字諏訪3400番
電話番号   0297-38-6300

関西国際学園 初等部(兵庫)

関西国際学園神戸校初等部は、兵庫県神戸市にあるインターナショナルスクールで株式会社関西国際学園が運営しています。乳幼児部、幼稚園部、初等部、中等・高等部に分かれており、初等部は6年制です。

日英トランスリンガル教育を行い、第二外国語としてではなく、母国語である日本語と同じレベルで英語を話せるようになる環境が整っています。各クラスの担任には外国人担任と日本人担任の2人が在籍し、あらゆる授業を英語、日本語の両言語を自由に扱って学ぶことで、日本語で学ぶのと同じように英語で学びます。

『日英バイリンガル教育を通して国際社会で貢献できるリーダーを育成する』ことを教育理念としており、2015年4月に国際バカロレア初等プログラム(IBPYP)の認定校となりました。IBPYPを日本語、英語の両言語で学べる数少ない小学校となっています。

園内にはピアノやバイオリン、書道、水泳、体操、サッカー、そして私立中学受験のための園内塾など、「選択授業」として位置づけられた習い事的なクラスが多数あります。多くは外部専門機関と連携した本格的なものとなっているのも特徴です。(関西国際学園

探究学習の取り組み

探究プログラム(POI:Programme of Inquiry)では、PYPの6つのテーマを各学年の子どもが年間を通じて5~6週間ごとに1つの探究ユニットとして学習します。理科や社会、国語や算数など、教科を横断した要素を絡めて進められます。授業は両担任が入って日本語、英語の両言語で進められる場合もあります。

当校の探究学習では教師の役割も重視し、専門の指導者研修も実施されています。子どもたちが知らないことを教師が教えるのではなく、子どもたちの「知っていること」を基にして探究することで新たな発見を得ます。教師は子どもたちと同じ視点に立ち、共に興味を持ち、調べたり考えたりしながら答えを見つけ出す、いわばファシリテーター(進行役)の役割を担っています。

探究学習を単なる調べ学習にしないため、「構成主義」という教育論に基づいています。構成主義とは、子どもたちがすでに知っている知識をもとに、新しいことに対して自分たちで意味を構築していくことです。あらゆる可能性を模索して結論を出し、その結論が正しいかどうかも振り返って検討し、分析し、次の学びにつなげていきます。こうした探究学習を通じて、卒業後もずっと、自ら進んで学び続ける心を養います

所在地    神戸市灘区新在家南町4丁目1-31
電話番号   078-882-6680

英数学館小学校(広島)

学校法人広島加計学園 英数学館小学校は、1994年に開校された広島県福山市にある小中高12年一貫教育校。英数学館中学校、英数学館高等学校と続いています。グローバル社会で活躍するリーダーを育成するための12年一貫教育を行い、学習指導要領の年間標準時間数を上回る時間数を確保し、英語教育を重視した教育課程となっています。

教育方針の3つの柱として、「探究学習」「国際教育」「英語教育」を掲げ、子どもたちがグローバル社会の中で、生涯学習者として成長するための道しるべとしています。英語教育を重視したカリキュラムに、探究型の授業を取り入れ、「主体的で、協働的な学び」を推進。グローバルスタンダードな学びの姿勢を身に付けることを目指しています。

2015年、国際バカロレア初等教育プログラム(IBPYP)の候補校に認定され、今後の認定校入りを目指しています。英数学館高等学校では2016年にIB認定校となっています。(参考:英数学館小学校

探究学習の取り組み

探究学習は各学年で年間5~6週間にわたり、50~60時間かけて取り組みます。

探究学習は子どもたちが不思議に思ったことや疑問に思ったことから学びをスタートします。不思議や疑問を自分たちで調べ、気づきや発見を他のメンバーと共有し、主体的な行動を起こし、振り返るという探究モデルのサイクルを繰り返しながら、子どもたちは自分の学びや理解を広げたり、深めていきます。子どもたちはペアやグループの一員として役割を担い、対話や協力しながら課題に取り組み、評価し合いながら探究を進めていくのです。教師はその探究をガイド、サポートしながら責任もって学びの場となる授業を創ります。

そして最終ゴールとなる「CenterIdea(中心となる考え)」の理解へと向かいます。


所在地    広島県福山市引野町980-1
電話番号   084-941-4115

これからの時代委必要な「探究学習」

探究学習に期待できる可能性

高校の学習指導要領ではすでに「探究的な学習」が重視されています。「総合的な探究の時間」だけでなく、「世界史探究」や「理数探究」、「古典探究」など、既存の教科学習にも多くの探究学習が組み込まれているのです。これらは今後の大学入試でも受験科目として組み込まれていく大学が増えると予想されています。大学入試共通テストでも「思考力・判断力・表現力」などの評価が重視されるようになります。そうした力の育成には、教科の枠を超え、主体的に学ぶ力を養う探究学習が欠かせない役割を担っていると言えます。

その背景には、これからの国際社会・情報社会を乗り切り、導いていくための人間像として、主体的な課題発見力や論理的思考力、発信力、行動力などが重要であるという共通認識が拡っているからです。まさに国際的なリーダーシップをはかるためには、そうした能力は必要不可欠でしょう。

しかしながら、日本の講義型で受動的な教科学習では、そうした能力を育成することはできていません。学ぶ意欲のない学習では、思考力も判断力も養われず、ましてや受け身の学習では表現する機会もほとんどないのが現実です。こうした現状を国としても重く受け止め、これからの教育には「探究」が重要であるという方針をあらゆる場面で打ち出すようになってきたのです。

探究学習のスタートは「好奇心や学びたいという気持ちを大切にする」ことから始まります。そしてそれが、最も好奇心旺盛な時期である幼少期からスタートし、継続されることが、将来的にどのくらいの影響を与えることになるかは想像にたやすいでしょう。受験のための教科学習では育まれにくい、いわゆる「生きる力」を育ててくれるものが、探究学習なのではないでしょうか

サポートする指導者の役割の重要性

ここでひとつ注意しなければならないのは、探究学習のカリキュラムさえあれば誰もが目標達成できるわけではない、ということです。例えば、小学校低学年の子どもに「興味があることを自分で調べて、まとめて、発表しなさい」と言っても難しいでしょう。自分が何に興味があるのかすら、自覚していないケースも少なくありません。さらに、それを自分で調べるといってもその方法もわからず、興味が深まるどころか、難しい・わからないと離れていってしまう恐れもあります。

そこで重要なのが、探究学習をサポートする指導者の役割です。自分が何に興味があるのか、に気づけるように対話や情報提供によって導いてくれる。どうやって調べたらいいのか、方法を教えてくれる。自分なりにまとめた考えについて共に考え、意見をくれる。発表の仕方についてアドバイスをくれる。そうしたサポート役に徹してくれる指導者の存在が不可欠です。特に幼少期の探究には多くのサポートがなければうまく行きません。

言ってしまえば、探究学習は家庭でもできます。学びの場は学校だけではないのです。親がうまくサポートしてやれば、子どもは探求心をもってどんどん伸びていくでしょう。でも自分にそれができるだろうかと考えた時に不安に思う人はたくさんいると思います。そして、その不安は今の一般高校の先生、今後は中学校や小学校の先生も抱くことになります。従来、探究学習の指導方法を学んできたわけではない教員がほとんどだからです。

探究学習の指導は簡単なものではないでしょう。子どもの好奇心を大切にして、主体性を奪うことなく、より深い学びへと導いていくことは専門的な知識や指導方法が必要になります。良い指導者がいる学校に恵まれれば幸いですが、そうでない場合もあるということは念頭に置いておいた方がいいでしょう。

探究型学習の塾も登場

こうした背景や現状を踏まえ、近年は探究学習を主体とした塾も増えてきています。塾も受験のための教科学習だけでは、これからの入試制度に太刀打ちできなくなることを知っているのです。

だからこそ、これからの時代に必要な力を総合的に育成するよう努力していると言えます。こうした専門の塾では探究学習指導の基本スキルをもった指導者がサポートしてくれることでしょう。

お近くに探究学習を重視した進学先がない場合は、こうした専門塾の活用も視野に入れ、お子さまのより先々の将来を見据えた選択をしていきたいですね。探究学習の塾を探している方は、こちらの塾がおすすめです。

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