【反転授業とは?】導入目的や背景から導入時の注意点まで解説

【反転授業ってなに?】話題の反転授業をどこよりもわかりやすく解説
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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
キーポイント

✔反転授業とは、従来の授業スタイルのインプットとアウトプットを逆にしたもの。

✔インプット:家で動画学習。

✔アウトプット:学校で学習内容について議論を交わす。

「反転授業について詳しく知りたい」「反転授業を導入したい」と考えている、保護者や学校教員も多いのではないでしょうか。

生徒・教員どちらにもメリットがあるといわれる反転授業を導入している学校も増えています。

今回は反転授業の特徴やメリット・デメリット、導入の注意点やコツについて紹介していますので参考にしてください。

反転授業とは?

反転授業とは、2000年代にアメリカで誕生し、その後欧米を中心として各地に広まっていった教育法です。アクティブラーニングの一種で、これまでの授業スタイルとインプットとアウトプットを逆にしたものになります。

通常、学校の授業でインプットした知識を自宅の宿題を通してアウトプットします。しかし、反転授業は動画等を使って自宅で先に知識をインプットし、学校では議論などのアウトプットを行うのです。基本的な学習は事前に行った状態で、応用力の必要な学習を授業で実施します。

国内においても、東京大学や広島大学、愛媛大学など多くの教育機関で反転授業の導入が進んでいます。

目的

反転授業のポイントは、事前に動画学習を行うことで、これまで60分授業の大半を教科書等の説明に使っていたのが半分の30分を応用の時間として使えるなど、授業時間の再構築ができることです。

これにより、これまで以上に教員が生徒に直接指導したり、応用問題や議論等に時間を割くことができます。

生徒の学習意欲が高まり自主性が生まれ、密度の濃い授業時間になり、教員のサポートもしやすくなるため反転授業が取り入れられています。

背景

元々は、アメリカの学校で欠席する生徒の学習サポートのために、講義の動画を配信したことが反転授業誕生のきっかけです。

2000年代に入ると、TEDで反転授業に関連するプレゼンが行われたり、Microsoftのビル・ゲイツをはじめ、多くの著名人が反転授業を絶賛したこともあり欧米を中心に普及していきました。

論理的思考やチームワークなど、社会で求められる能力を養う効果があるので、日本でも東京大学や東向陽小学校で取り入れられてから、他の大学等でも普及しています。

メリット・デメリットはあるの?

ここでは、反転授業を受ける主なメリット・デメリットについて確認していきましょう。

メリット

反転授業を取り入れることで、生徒や教員には以下のようなメリットがあります。

  • 生徒が目的や課題、疑問を持って授業に取り組む:生徒は事前に自宅で動画学習を行い、基本的な知識を得ます。そのため、「◯◯が△△になったらどうなるんだろう?」「自分は□□の意見だけど皆はどうだろう?」など、問題意識を持って授業に参加できます。
  • プレゼンスキルなどアウトプットの力も養われる:学校の授業時間を議論やプレゼンなどに使えるため、生徒はプレゼンスキルなどアウトプットする力が養われます。これは進学や就職においても重要なものです。
  • 生徒は自分がわかるまで何度もインプットを行える:生徒は自宅で講義動画などを見て事前学習をします。通常授業だと、わからないことがあってもそのまま進みますが、動画なのでわかるまで何度でも見直すことが可能です。生徒のペースに合わせて勉強ができます。
  • 教員は生徒へのサポートがしやすくなる:生徒が事前学習をした状態で授業ができるため、各生徒の疑問や課題に対して的確なアドバイスができますし、学校授業の中で直接指導に時間を割くことができます。生徒へのサポートがしやすくなるのも反転授業のメリットです。
  • 学習進度が高まり、多くの学習内容を取り扱える:事前の自宅学習があり、学校では応用や復習、議論、プレゼンなどさまざまな授業ができるため、学習進度が高まります。学習進度が高まることで、これまでできなかった内容も学べるようになります

このようなメリットがあるからこそ、反転授業がさまざまな教育機関で導入されています。

デメリット

メリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう。

  • 生徒によって学習環境に違いがある:反転授業は自宅で動画学習をするわけですが、各家庭によって環境が異なります。スマホやタブレット、パソコンなどデバイスを指定すると購入しないといけない生徒が出てきます。決して安くないため、大きな経済的負担になります。また、デバイスを指定しない場合は、どのデバイスからでもスムーズに視聴できる動画やシステムの用意が必要です。どちらにしてもコストがかかるため注意が必要です。
  • 保護者にも反転授業の意図・目的を理解してもらう必要がある:反転授業は自宅で事前学習を行うため、保護者にも授業の意図や目的を知ってもらう必要があります。保護者の理解を得られないと、高い効果は期待できません。
  • すべての生徒に合うわけではない:反転授業に限ったことではありませんが、すべての生徒に合うわけではありません。高い効果を発揮する場合もあれば、あまり効果が見られないケースもあります。

このようなデメリットがあることも理解しておく必要があります。

反転授業の導入について

反転授業の導入が徐々に進んでいますが、導入にあたり注意点や上手くいくためのコツなどもあります。

それぞれ紹介していますので、参考にしてください。

導入の注意点

反転授業を導入する際は、以下の注意点もあります。

  • 教員全員が反転授業の特徴や性質を理解する:反転授業を導入する際は、教員全員が学習法の特徴や性質を理解しておく必要があります。なぜなら、教員の役割の1つがファシリテーターであり、コーチングスキルも求められるためです。まずは、学習法の内容を理解し、スキルを身につけておく必要があります。
  • 生徒も忙しいことを念頭に対策を立てる:生徒によって生活スケジュールは異なります。放課後に部活や塾がある生徒もいれば、休日に自宅の手伝いやボランティアなどをやっている生徒もいます。各生徒でスケジュールが異なり、多忙な生徒がいることも理解したうえで指導方法や授業内容、進行速度を決める必要があります。
  • 各教員が好き勝手にやっては失敗する:教員ごとでばらばらの動きをしていては、高い効果は得られません。生徒も方向性や指導方法が異なる教員だらけで混乱してしまう可能性があります。動画コンテンツ1つとっても、各教員が好き勝手にやっていては、教員の自己満足で終わってしまいます。

導入する際のコツ

導入する際のコツについて見ていきましょう。

  • 教員同士が情報共有し連携すること:方向性や指導方法がばらばらになりすぎないように、教員同士が密に情報共有をすることが大事です。特に導入当初はどんな細かいことでも積極的に共有することで連携力が深まり、生徒へ適切な対応ができるようになります。
  • 他校の事例を研究する:国内には既に反転授業を取り入れている学校があります。他校がどのような授業内容にしているのか、どんな点で困っているのか、どうして上手くいったのか研究をすることが大事です。そのうえで、良い部分を取り入れればスムーズに進められる可能性があります。
  • 家庭でもサポートをしてもらう:保護者の理解があり、家庭でもサポートをしてもらう必要があります。理解やサポートを得ることができれば、生徒も積極的に自宅学習できますし、保護者もその様子を見て子どもの成長を感じることができます。理解やサポートが得られないと、生徒も集中できない可能性がありますので重要になってきます。

反転授業の導入事例

反転授業は多くの教育現場で導入されています。例えば事前に40分程度の講義動画と資料で勉強し、授業時間はグループワークを主としている大学もあります。授業後にはレポートを提出し、全員が質問・回答を共有できる専用掲示板を用意していたりもします。

各学校で事例が異なるため、いろいろな事例を集めてみてもおもしろそうです。

まとめ

今回は、反転授業の特徴やメリット・デメリット、導入の注意点やコツについて紹介いたしました。

反転授業は生徒・教員双方にメリットがある学習法ですが、デメリットや注意点もありますので、しっかりとした準備や対策が重要です。

ここで紹介した内容が、お役に立てれば幸いです。もし不明な点などありましたら、お気軽にご相談ください。

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