シンギュラリティとは?意味から来る派・来ない派の主張まで徹底解説

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
キーポイント

✔意味:AIが人間よりも高い知能をもつ「技術的特異点」を指す。

✔来る派:ディープラーニングによって開発が進み、人間の知能を追い越す。AIの使い方によっては危険になる。

✔来ない派:AIは人間のように意思を持って動くことはない。AIが数字の言語だけを使って動く限り、シンギュラリティは起きない。

✔今の小学1年生が33歳、中学1年生が39歳で来ると言われている(2019年12月、現在)。

皆さんは「シンギュラリティ」という言葉を聞いたことがありますか?

「聞いたことはあっても、意味はよくわからない」「シンギュラリティは本当に来るの?」など、疑問を持っている方は少なくないのではないでしょうか?

そこで今回は、この先私たちの身に起きるかも知れない「シンギュラリティ」について解説していきます。シンギュラリティについての論争も紹介するので、参考にしてください。

シンギュラリティとは?

現代は社会経済が目まぐるしく変化し、中でも科学技術の革新が目立ちます。人工知能(AI)などを中心に、さまざまな科学技術が開発されています。シンギュラリティとは、科学技術の進化で起こる現象の1つです。

それではシンギュラリティの具体的な意味や、それが起こる背景、シンギュラリティに関連して話題の2045年問題についてご紹介していきます。

シンギュラリティの意味

シンギュラリティ、日本語では「技術的特異点」と言います。人工知能の開発が進み、AIが人間の脳よりも高い知能を持つことを可能にする時点を指します。人工知能の権威とされるアメリカのレイ・カーツワイル博士が提唱した「未来予想の概念」です。

人工知能は、知性を持つ機械、特に知性を持ったコンピュータプログラムを作成する技術と科学と定義されています。1つのことに特化した能力をもつものや、何にでも対応可能なものなど、種類もさまざまです。

現在でも人工知能は、さまざまな場面で使用されています。

  • ロボット
  • SiriやGoogleなどの音声検索や音声入力の機能

今の時点で人工知能の開発により、私たちの生活は10年前には想像もできなかったような生活が実現しています。シンギュラリティによって、私たちの生活はさらに大きく変化すると言われているのです。

強いAIと弱いAI

シンギュラリティの話とセットで出てくる強いAIとは何なのか?気になっている方は少なくないのではないでしょうか?

ここから強いAIと弱いAIについて説明していきます。

  • 弱いAI:与えられたデータやプログラミングに沿って、自動的に動くことができるAI。人間の想定内で能力を発揮するため、自らの意思を持ったり、思考したりすることはありません。例として、囲碁をするロボットや無人レジなどが挙げられます。
  • 強いAI:自意識を持って行動するAI。人間の設定したことをやるだけでなく、自分で考えて判断できるといった特徴を持ちます。高い技術力を要するので、まだ実現していません(2019年12月、現在)。

このように、強いAIが人間の思考や能力を超えることをシンギュラリティと言います。したがってシンギュラリティが来るには、強いAIの実現は不可欠なのです。

研究の歴史と背景

シンギュラリティのきっかけと言える人工知能の研究は1950年代から始まり、第三次のブームとして現在注目を集めています

第一次人工知能ブーム:1950年代後半~1960年代

第一次人工知能ブームでは、コンピュータが推論や探索を行うことを可能にしました。

ある特定の問題について、解答をだせるようになったのです。しかし、この当時は現代社会が抱えている課題を解くことは難しいとされていました。

第二次人工知能ブーム:1980年代

第二次人工知能ブームでは、コンピュータに推測するための知識を与えることで、人工知能が実用可能なレベルになりました。また、多数のエキスパートシステムが生み出され、人工知能が専門家として振る舞えるプログラムが注目されました。

しかし、これらのプログラムを構築するため、人がコンピュータでも理解できるよう知識を入力する必要があったのです。そのため、活用可能な膨大な知識を入力することに限界があるとされました。

エキスパートシステム:人工知能から生まれたシステムで、専門家と同じような意思決定をシミュレートするもの。

第三次人工知能ブーム:2000年代~

第三次人工知能ブームは2000年代に始まり、現在まで継続しています。

「ビッグデータ」の存在により、人工知能が知識を得る機械学習が可能になりました。人工知能が自ら学習する「ディープラーニング」により、大きく技術が進化しているのです。

2045年問題とは?

シンギュラリティという言葉と共に、「2045年問題」というワードが登場しています。

2045年と言えば、今の小学1年生が33歳、中学1年生が39歳の時点ですね(2019年12月、現在)。

2045年問題というのは、人間の脳を人工知能の知性が超える、つまりシンギュラリティを2045年までに達成するということです。

収穫加速の法則が根拠とされている

収穫加速の法則は、科学技術の進歩が直線的でなく、指数関数的に進行するという法則です。

一度大きな進歩が起こると、次の進歩は短期間で起こると言われています。そのため、イノベーションが加速し、2045年までに大きな変化が起こると予想されているのです。

2045年には予測できないことが起こると言われている

収穫加速の法則によって、指数関数的に進化していきます。その結果、2045年には、人間の予想をはるかに上回り、人間の知能を超えた人工知能が誕生すると言われているのです。

人工知能は、永遠に進化します。さらに人工知能が自分で改良し、さらには人工知能を生み出すとも予想されているのです。人工知能の開発は、「人類最後の発明」と考える科学者もいます。

シンギュラリティは来る?来ない?

これだけ大きな話題になっているシンギュラリティですが、本当に実現するのでしょうか。

シンギュラリティについては、さまざまな意見が存在します。シンギュラリティが来る派と来ない派の意見を、表でまとめました。

来る派


人物像 主張


ソフトバンクの創業者
  • AIの知能が人間の知能を超えたときに、人間の50倍のIQをもつ超知性が生まれる。
  • この超知性は使い方を間違えればリスクになるが、善意で使えば人間のパートナーとなり、世界が良い方向へ進む。






・ホ



物理学者
  • AIが自分自身を開発し続ければ、人間は競争する前に追い越される。
  • マシンによって生産された富を分かち合えば、誰もが豊かな生活が送れる。しかしマシンの持ち主が富を分かつことを拒否すれば、ほとんどの人間は貧困に苦しむ。
ビル
・ゲイツ
マイクロソフトの共同創業者
  • AIが人間の雇用を奪おうとしているが、それを食い止めるのは難しい。
  • 今の時点では、プラスに働くが、今後は知能が強力になり、懸念をもたらす。
イ|ロン

マスク
テスラの共同設立者
  • 今後、AIは核兵器より危険。
  • 人間はAIを操れると思っているが、実際は不可能である。
  • 「ターミネーター」のようなことが起きる可能性があり、AIを監視するツールの開発を急いでいる。
レイ

カ|ツワイル
人工知能研究の世界的権威
  • 収穫加速の法則によって技術は爆発的に進化する。
  • AIは分散化されていて、人々を管理するようなAIは今のところない。
  • テクノロジーを民主化する動きも活発化しているので、脅威にはならない。

このように、シンギュラリティが来ると唱える人の中にも、シンギュラリティが起こってもAIが人間の脅威になることはなく共存できるという主張と、脅威になると考える主張で分かれています。

来ない派


人物像 根拠



人工知能研究者
  • AIといっても「計算の速度が上がったこと」「大容量になったこと」この二つが実現しただけ。
  • 強い人工知能は今の時点では存在しないので、現時点では実現可能性は低い。
  • 身体を持たないコンピューターが、仮に脳の神経細胞を再現できても人間のように意思を持った動きはできない。



ディープランニング技術を活用する企業支援を行う企業のCRO
  • 1950年代以降、何度もAIブームがきたが、そのほとんどが生活に影響なかった。
  • 「宣伝文句」として利用されているだけ。
  • 研究者は実際の技術内容を正確に理解し、地に足の着いた開発でシンギュラリティを目指すべき。



人工知能学会前会長
国立情報学研究所教授
  • 現在のAIは人間の1歳児くらいの知能しかもたない。
  • 今の数学では解析が難しい機械学習アルゴリズムがあり、アルゴリズムが指数関数的に伸びることはない。
  • AIが人間の仕事の一部を担うことはあり得るが、丸ごと奪うようなことはない。








コンピューター科学者
  • 人工知能は人間ではないので、人間と同じように考えることはできない。
  • 人工知能は目標や欲望がないので、人工知能自体が意図して何かをすることは考えにくい。



国立情報学研究所センター長
  • テストにおいて、AIは過去データから回答は導き出せるが、文章などの意味を理解しているわけではないので、新しい解法を思いつくことはできない。
  • 現在のAIは計算ができるコンピューターで、AIが数学の言語だけを使って動いている限り、シンギュラリティはこない。

このように来ない派でも、現在の技術ではシンギュラリティは来ないという意見の方と、たとえ技術が発達してもAIが人間と同じような思考を持つことはないため心配されるようなことは起きないという意見の方と、考え方は大きく異なっています。

このような論争について、お子さまと話し合うことで論理的思考力が身につく効果もありますので、ぜひ意見の分かれている話題に関して、お子さまと話し合ってみると良いでしょう。

まとめ

ここまでシンギュラリティについて、意味や背景、今後の予想などをご紹介してきました。本当に実現するかどうかは意見が分かれますが、人工知能の進化についてはこれからの動向に注目する必要がありそうです。

この記事がシンギュラリティに疑問をお持ちだった方のお役に立てれば幸いです。

シンギュラリティは、次世代の子どもたちに大きく関わる問題です。この機会に、シンギュラリティが来るのか来ないのかを親子で話し合うのも良いのではないでしょうか?

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