子どもに読解力をつけるには?小中学生に効果的な方法を解説!

キーポイント

✔読解力をつけるには「読書」と「要約練習」。要約のコツは5W1H

✔読解力がない原因は「SNSの使い方」「保護者の方の接し方」

✔読解力は、これからのAI時代に最も必要とされる能力

「国語の点数が低い」「音読を聞いていて不安」など子どもの読解力や国語力が心配に感じる時ってありますよね。 そこで今回は、お子様の読解力のつけ方をご紹介します。

読解力とは

そもそも「読解力」とは一体何なのかご存知ですか。

読解力と聞いて真っ先に「文章を読む力」と考えた方は少なくないでしょう。ただ一口に、文章を読む力とだけ言っても抽象的すぎて、どのように伸ばせば良いの分かりませんよね。これが読解力を伸ばせない原因なのです。

そのため、まずは読解力の要素について「PISA型読解力」と教育のための科学研究所の「読解のプロセス」を参考にご紹介します。

読解力は主に以下のような4要素、「情報の取り出し」「理解・評価」「活用」「非連続型テキストへの応用」で構成されています。

  1. 情報の取り出し
    • 文節に正しく区切る。
      (例)私は本を読む。→私は/本を/読む。
    •  係り受けの構造を正しく認識する
      (例)大きな黒い瞳の少女。→「大きな」は「瞳」に係っている。
    •  主述関係や接続詞を理解する。
      (例)「誰が・何を・どうした」といった構造。
    •  代名詞や指示語が意味しているものを認識する。
      (例)私は本を落とした。彼はそれを拾った。→「それ」が指すのは「本」
  2. 理解・評価
    • 既存の知識とテキストから得られた情報を用いて、未知の用語や概念などを知識として理解する。
  3. 活用

    • 既に持っていた知識と得た知識から、さらに新しい考えを獲得する。
    • 問題解決のために、得た情報を重要度に分けて取捨選択する。
  4. 非連続型テキスト(図やグラフ)への応用

    • 上記の内容を図やグラフ等など文章以外にも実行できる。
    • 文と文以外の表現(図・グラフ・表・式等)から同一性を認識できる。

参考:
教育のための科学研究所『読解のプロセス
文部科学省『読解力向上プログラム

「情報の取り出し」については、小学校高学年や中学生にもなれば当たり前にできているだろう、と感じたのではないしょうか。しかし実際には、そうではありません。これを示す例題を一つ取り上げます。

・幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
・1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。

以上の2文は同じ意味でしょうか。

新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』p.2より引用

この問いの答えは、「異なる」です。2つの文章では、それぞれ沿岸警備を任された対象が異なります。上の文章では沿岸の警備を任されたのが大名であるのに対し、下の文章では幕府です。

一見簡単な問題ですが、中学生の正答率は57%でした。2択の問題であるにもかかわらず、正答率は約50%と当てずっぽうで答えた場合とほとんど変わらなかったのです。約半数の中学生がわからなかった問題であるため、あなたのお子様が解けなくても不思議ではないでしょう。自分の子がどれだけできているのか気になる方は、ぜひ一度RSTをお子様に受けさせてみてください。

また上記の読解力の前提として、語彙力も非常に重要です。文章中にあるほとんどの単語の意味を知らなければ、当然文章を理解することはできませんよね。語彙力は読解力の土台とも言える能力です。

読解力のつけ方

読解力をつけるのに必要なのは、「読書習慣」と「要約練習」です。以下でそれぞれ確認してみましょう。

読書習慣をつける

読解力のつけ方として、読書習慣が挙げられます。

実際に世界的な学習到達度調査であるPISAで、読書習慣の読解力に与える効果が示されています。日本では本を読む頻度が「月に数回以上」と回答した生徒グループは、そうでないグループよりも読解力テストで高い得点を取りました。

「読解力向上のためには、本を読む」。当たり前に聞こえるかもしれませんが、その当たり前をしっかり行うことが大切なのです。

しかし読書をしてほしいと思う反面、ゲームやスマホでお子様になかなか読書習慣が身に付かないとお悩みではありませんか。そんな方にオススメなのが、全国の塾で導入されている「ことばの学校」です。読解力向上のために、通塾も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

要約練習をする

読書と併せて行っていただきたいのが、「要約練習」です。

文章で大切な箇所をわかりやすくまとめる「要約」は、読解力をつけるのに非常に有効な方法だと言えます。なぜなら要約するためには、情報の取り出しから理解まで、きちんと行う必要があるためです。

また要約文を確認することで、最初にご紹介した読解力の4要素のうち、どこでお子様が躓いているのか把握する手助けとなるでしょう。

ただ、自宅でお子様にどのように要約練習をさせれば良いのか、よく分かりませんよね。要約を簡単に始めるコツとしては、物語の5W1H(誰が・どこで・いつ・何を・どんなふうに・なぜ)を考えながら読ませることです。これらの要素を全て繋ぎ合わせれば、筋道の通った要約文を簡単に作れます。

その他、要約のワークや国語専門の塾もあるので気になる方は是非チェックしてみてください。

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読解力がない原因

ここからは読解力がない原因について解説していきます。上記のような特別な方法を取らなくても、原因を解消できれば読解力の改善に一定の効果を得られるでしょう。

SNS利用による「正しい日本語」離れ

SNSでのコミュニケーションが、読解力低下の一因だと言われています。この理由は、SNS上では正しい日本語に触れる機会が少なくなるためです。絵文字やスタンプ、SNS独自の略語が顕著な例だと言えるでしょう。それらだけで会話が成立してしまうので、知らない言葉に触れる機会が失われてしまいます。またSNSでは単語ベースの会話が行われるため、冒頭の問題にあったように、主述関係など文章構造の理解も曖昧になってしまうのだと考えられます。

ただしこれを解決するために、「SNSを利用させない」というのは現実的ではありませんよね。そこで今日から簡単に実践できる方法を1つご紹介します。それは「保護者の方との会話や連絡では、正しい日本語を使うルール」を設けることです。日々の意識作りを促すことで、読解に必要な正しい日本語が身に付いていくでしょう。

保護者の方の接し方

お子様が小さい頃に命令や指示をする教育をしてしまうと、読解力の土台である語彙力が低下するという研究結果があります。これを解決するために保護者の方は、お子様とふれあい、体験を共有するのが大切です。会話を楽しんだり本の読み聞かせをしたりして、お子様がのびのび成長できる家庭環境を整えることが語彙力向上を助けるでしょう。

参考:内田 伸子『幼児期から学力格差は始まるか-育て方は経済格差を凌駕する鍵-

読解力が活かされるのは国語だけじゃない!

読解力は単に国語の勉強だけに使われる力ではありません。国語以外の教科の成績向上に効果を発揮するのに加え、これからのAI社会を生き抜くために必要な力とも言われています。

読解力は全ての学問の土台

国語はすべての科目の土台。国語力を上げれば、他の科目の成績も上がる。

藤野雄太『すごい学習メソッド』p95より引用

日本一成績が上がる塾と言われる「個別指導塾スイング」の藤野雄太塾長の言葉です。国語が全教科の土台になる理由は、何か新しい知識や情報を得るときには、必ず頭で言葉に変換するからです。理科を例に挙げれば、テスト問題を解く時でも授業を聞く時でも、必ず頭の中では国語で考えていますよね。国語力(読解力)はどの教科においても最も必要とされる能力なのです。

読解力がないと将来AIに負ける!?

「ロボットは東大に入れるか(通称:東ロボくん)」というプロジェクトをご存知でしょうか。2011年に始まり、2016年までにセンター試験で高得点獲得、2021年での東大合格を目標に進められた研究です。

2016年にはAIが、有名私立大学郡であるMARCHに合格するレベルまで到達しました。また同年の東大模試では、数学と世界史が偏差値50を超え、この2科目に限っては東大志願者の平均を超える結果を得るにまで至ります。

これほどの結果を出した一方で、その2016に東大合格を断念する方針が発表されました。国語や英語の長文読解が困難を極めていたこと、イラストを理解する目途が立たないことが理由としてあげられました。

つまりAIの限界は読解にあったのです。ただし裏を返せば、計算や知識を問う事柄についてAIは平均的な人間以上の結果を出しているということでもあります。

したがって来AIが普及しても必要とされる人材には、「読解力」が必要とされるてくると言えるでしょう。

まとめ

ここまで読解力の概要や、不足の原因、つけ方、将来性について解説してきました。そして読解力をつけるには、「読書」と「要約練習」が必要だと分かりました。

近年から徐々に、国語の点数アップ以上の意味を持ち始めた読解力。お子様の将来のためにも、早いうちからトレーニングしておくと良いのではないでしょうか。

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