英検1級に合格する効率的な勉強法としては、毎日の短期目標を設定し、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの全技能をバランスよく鍛えることが重要です。
この記事では高校生で英検1級に合格した筆者が実際に行なっていた効率的な勉強法と1級を取得するメリットについてお話しします。
そもそも1級を取得するメリットはあるの?高校生で取得できるの?と疑問に思う方こそ是非この記事を読んでください!
目次
英検1級の試験内容と難易度について
1次試験の内容
筆記(100分)/リスニング(約35分)
2024年度第1回検定より、実用英語技能検定の試験内容が一部変更になります。変更後の大まかな試験内容は以下のとおりです。変更点は赤マーカーを引いてあります。
1次試験 | 内容 | 設問数 | 時間 |
---|---|---|---|
リーディング | 短文の語句 空所補充 | 22(3問減) | 100分 |
長文の語句 空所補充 | 6 | ||
長文の内容一致選択 | 7(3問減) | ||
ライティング | 英文要約 | 1 | |
英作文 | 1 | ||
リスニング | 長文の内容一致選択 | 10 | 約35分 |
文の内容一致選択 | 10 | ||
Real-Life形式の内容一致選択 | 5 | ||
インタビューの内容一致選択 | 2 |
2次試験の内容
2次試験 | 内容 | 設問数 | 時間 |
---|---|---|---|
スピーキング | 自由会話 | – | 約10分 |
スピーチ(2分間) | 1 | ||
Q&A | – |
英検1級の難易度
英検の試験において最終目標となる級です。広く社会で求められる英語を十分理解し、また使用できることが求められます。
出典:日本英語検定協会
なぜ英検1級を取得する必要があるのか
「英検1級」と検索すると「英検1級 メリット」や「英検1級 意味」といった検索候補が出てきます。就活では主にTOEICを使った評価が基本ですし、英検1級を取得する必要はあるのだろうかという疑問を持っている人は少なくありません。
しかし、英検は国内認知度が高い英語資格であり日常生活からビジネス英語までを段階的に評価するのに効果的です。今回は英検1級を取得するメリットについて大きく高校生と大学生・社会人に分けて解説していきます。
高校生
高校生が英検1級を取得した場合のメリットは大きく分けて二つあります。
- 入試における優位性の獲得
先述したように、英検は国内最大級の英語検定資格であり、日本国内の高校・大学の入学試験や単位認定、推薦入学、奨学金等の基準として活用されています。最近はグローバル人材の育成に力を入れる高校や大学が増えており、入試の時点で4技能の英語力を証明することが求められています。
以下は英検1級を取得済みの場合の早稲田大学による優遇制度の概要です。
大学・学部名 | 試験内容 | 英検1級 | 英検準1級 |
---|---|---|---|
早稲田大学・国際教養学部 | 共通テストの得点(配点100点) 大学での試験(外国語)の得点(配点80点) 英語4技能テスト(配点20点) | 20点満点 | 14点 |
早稲田大学・商学部 <英語4技能テスト利用型> | 3教科の得点(配点200点) 英語4技能テストの 加点(配点5点) | 5点満点 | 0点 |
この他にも、一橋大学では学校推薦型の出願資格に英検1級の取得が含まれるなど英検の取得が優遇される入試制度は様々な大学で行われています。
出典:一橋大学
- 大学入試との関連性と受験のしやすさ
英検1級は大学入試の練習にもなる。英検1級の取得は共通テストが満点扱いになるなど優遇される他に、大学別個別試験の対策にもなるのです。
英検1級のリスニングやリーディングは英語の文章量が準1級に比べても一段と多くなるため長文に対応した英語力が必要となります。一方で、東京大学や東京外国語大学、早稲田大学などの一流大学で行われる大学別個別試験にも英検1級に相当する長さの3技能を測る問題、そしてそれらの情報処理能力が試されます。
また高校生の場合、各高校が英検の会場になることや団体申込による割引対象になることなどからも他の資格に比べて受験がしやすい英語資格になります。
したがって、一流大学を目指す高校1・2年生ほど早めの個別試験対策と英語力の指標としても英検を取得をおすすめしています。要するに高校1・2年生の段階で英検1級に合格するということはSランクの大学二次試験レベルの英語力があるという指標になります。
大学生、社会人
就職活動においてはTOEICを使った英語力の評価が主流になりつつありますが、英検1級の合格率は約10%前後と言われており、その合格率の低さから他の就活生との間にアドバンテージを獲得するのに有効だと言えます。また、1級合格はビジネス英語を理解していることの証明であり、国際的なビジネス環境での活躍をアピールする材料になることは間違いありません。
さらに、通訳試験を受験する際には、英検1級保持者に一部試験免除の特典があります。このように、英検1級は多くの職場やキャリアパスでビジネス英語の十分な実力を証明する重要な資格となります。
また、通訳案内士(ガイド)試験においては外国語(英語)の筆記試験が免除されるという優遇制度もあります。このように、高校生に比べて直接的に評価される機会は少なくなりますが、自身の英語力がキャリアとして活かせるのかどうかを理解する大事な指標であると言えます。
英検1級に必要な勉強時間について
既に英検準1級相当の英語力を持っている人が英検1級の受験を目指す場合、必要な勉強は約500~600時間と言われています。受験を決めてから当日まで半年間あるとすると、500÷180=2.777≒1日約3時間弱の勉強で1級に合格することができるということになります。
さらに、現役高校生の場合英検対策以外の授業時間でも英語に触れているため英検に必要なトータルの時間は2時間ほどで間に合う可能性がかなり高いです。筆者自身が高校三年生の夏に英検1級に合格した際は授業時間を除いて1日2時間×3ヶ月で合格しました。
準1級との難易度の違いと自分の得意不得意分野を把握してから適切な勉強方法と時間配分を行えば、着実に英検1級に対応できる英語力を育てることができます。
準1級から1級にレベルアップするにあたり鍛えるべきポイントは主に以下の3点です。
逆に言えば、準1級を持っている時点で英文を解読する力や英文を理解するリスニング力は十分あるということです。
技能別勉強法
英検1級を目指す際には、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つの技能すべてが満遍なく高得点を取ることが求められます。そのため、自分の得意不得意を把握し、バランスの取れた勉強計画を立てることが重要です。
私が英検1級に合格した時の学習計画表
こちらは筆者が3ヶ月で英検1級に合格した時の計画表です。
自分の得意不得意がわからない場合は、英検公式サイトや参考書に掲載されている過去問を2、3回解いてレーダーチャートを作成することをおすすめします。これにより、自分の強みや課題を把握し、より効果的な学習方針を見つけることができます。
得意不得意レーダーチャート
セクション | 問題数 | 正答数 | 正答率(%) |
---|---|---|---|
リーディング 短文の語句 空所補充 | 22 | 9 | 41 |
リーディング 長文の語句 空所補充 | 6 | 6 | 100 |
リーディング 長文の内容一致選択 | 7 | 4 | 57 |
リスニング 長文の内容一致選択 | 10 | 8 | 80 |
リスニング 文の内容一致選択 | 10 | 5 | 50 |
一方で、ライティングに関しては自己採点や対策が難しい部分があるので、気軽に利用できるオンライン塾や添削サービスを利用するのもおすすめです。
次に、英検1級に3ヶ月で合格した筆者の英検対策法を紹介します。
【勉強法】リーディング
英検1級の新形式では、リーディングセクションの問題数が41問から35問に削減されました。
大問1語彙力問題
英検準1級と1級の難易度の一番の差異は、語彙力の要求レベルにあります。準1級では約7,500から9,000語の語彙力が求められますが、1級では約10,000から15,000語まで必要とされます。
特に、語彙問題は得点率を上げるのが難しいため、正答率60%を目指し、長文問題での正答率80%にすることの方が合格への近道だと言えます。ですので、大問1の正答率が中々7割に乗らないと悩む必要はなく、正答率が6割に達するようになったら準1級レベルの単語で書かれた長文問題の正答率を上げる方に集中しましょう。
単語力を鍛えるためにはスキマ時間に単語帳を見ることと同時期に英検を受ける友達や家族に問題を出してもらって答えるということをやっていました。
当時は単語帳を紙で作成していましたが、今は「英検1級でた単」のように自動で単語の選出と問題作成をやってくれるアプリなどがあるので、そちらを活用して反復して単語に触れるということをやっていきましょう。
大問2・大問3長文読解
英検1級では、準1級よりも文章量が増えるため、速読力と要約力を鍛えることが重要です。英検1級の文章を読解できるようになれば、共通テストや大学の二次試験など、情報処理の速さが求められる試験にも対応できるようになります。
私は以下のような方法で段階的に勉強を進めました。
- まずは、時間制限無しで問題を解く。設問→本文の流れで読み進め、本文は段落ごとに50語程度に要約します。全ての文章を理解しなくても因果関係や登場人物、キーワードを把握するということが長文に対する耐久性をつける上でも重要です。また、この要約の練習は1級ライティングや大学個別試験の対策にもつながります。もし、英語の文法に自信がなく読むスピードが上がらない場合は落ち着いて1文ずつ品詞分解しながら読み進めましょう。この時点では速読にはこだらわなくても大丈夫です。私も最初はスラッシュや品詞を書き込みながら読んでいました。
- 1の方法に慣れてきて、要約のために文字に起こさなくても読みながら要点整理ができるようになったら要約無し時間制限無しで問題を解きます。この時のポイントは1段落に対して1問を解くということを心がけていました。英検の長文は段落と設問の数が対応していることが多いのでこの方法で解答する癖をつけていました。
- 2の方法で正答率が8割を超えてきたら時間制限を設けて解く練習に移ります。新形式ではライティングの要約問題が増えたのでその問題に10分を費やすとして語彙問題と長文問題の時間配分を5分づつ減らして30分で解く練習をしていきましょう。この方法で勉強して8割を超えれば、自ずと英検の試験も二次試験の英語の長文も無理なく正答することができるようになっていました。
【勉強法】リスニング
リスニングもリーディング同様、文章量が多くなるため流れてくる英文の重要な部分だけを取り出して話を理解するということが重要になってきます。リスニングの私流勉強法も段階に分けて説明していきます。
- まずは英検1級の長い文章を聞く集中力を身につけるために長文のリスニングをしていきます。おすすめの参考書は旺文社が出している「英検1級 文で覚える単熟語」です。問題を解く前に白い用紙とシャーペンを用意します。
1) 音声1回目は聞こえてきた内容を全て書き出します。この時スペルが曖昧、音がわかるけど単語がわからない。というところに何かしらのマークをつけておきます。
2) 1)でもう1度聞きたい部分を把握した上で2回目の音源を聞きます。同様にメモを書き、解像度を上げていくことを意識して聞いていました。
3) 2)終了段階でこの問題の要約を行います。
4) 3)の材料をもとに問題を解いて丸つけ。
- 上記の方法に慣れてきたら音源を1度だけに減らして正答率が上がるまで繰り返し問題を解く練習に移りました。この時点で重要な部分のみをピックアップして情報を繋ぐことに慣れてきます。
- 2のやり方でセクションごとの正答率が上がってきたら通しで問題を解いていました。リスニングに関しては時間配分などは特にないので私は本番前1週間で3回分くらいをフルで解いて挑みました。
【勉強法】ライティング
英検1級の新形式では、リーディングセクションの変更が行われました。具体的には、1題から2題に増加し、要約問題が追加されました。この要約問題は、大学の二次試験でもよく見られる問題形式であり、東京大学の第1問や京都大学の入試などでも同様の力が求められます。
- ライティングの勉強法に関しては、模範模写を行っていました。この際注意していたのがただの写経をするのではなく、表現の幅を増やすためのストックを増やすことを意識しながら模写するということです。「この文章は段落の最後ではこの表現に言い換えられている。」「この構文や単語は使えるな。」ということを常に考えながら手を動かしていました。
- ライティングのトピックがより専門的になるため時事問題に触れておく必要があると思ったので、旺文社が出している「英検分野別ターゲット英検1級英作文問題 改訂版」の別冊を熟読しました。この別冊にはトピックにされやすい分野とそれにまつわる頻出単語、時事問題をまとめた別冊がついているので常にニュースに張り付いていなくても時事問題についての大まかな知識をつけることができました。1日1問づつ自分で解答作成→模写と比べて改善点の洗い出し→模写までをセットで勉強していました。
【最後に】おすすめのサービス紹介
英検1級合格を目指す際、細かい計画の立て方やライティングの添削、モチベーションの維持に悩む方におすすめの専門塾「スタスタLIVE英検」があります。指導がすべてオンラインで行われるため、自分のスケジュールに合わせて英検の勉強を行うことができます。
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