【まとめ】反転授業|大学の導入事例4選をまるっと紹介!

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
キーポイント

✔広島大学:事前に学生には予習してもらい、講義中にグループで疑問点や不明点の解消をおこなう。

✔山梨大学:15分~30分の事前学習をして、授業では質疑応答・プレゼンテーション・学び合いをする。

✔愛媛大学:事前学習をして、講義中はグループを作り演習をおこなう。

✔玉川大学:事前学習後に、ディスカッションをおこなう。

東大など多くの大学でも導入が進む反転授業。注目されている学習法ということもあり、関心のある教育関係者や保護者の方も多いのではないでしょうか。

今回は反転授業のメリット、導入大学の内容や事例などについて紹介しています。この記事をご覧頂くことで、反転授業への理解が深まりますので、参考にしてください。

反転授業の概要について知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

【反転授業ってなに?】話題の反転授業をどこよりもわかりやすく解説

主な大学の導入事例

ここから、実際に導入された大学での効果や内容を紹介していきます。

広島大学の導入事例

広島大学では、主体的な人材育成のために反転授業などを含む、アクティブラーニングを導入しています(参考:広島大学)。

広島大学の反転授業では事前に教科書の提示や資料配布をし、オンライン学習支援システムで講義ビデオ(20分〜40分程度)を学習します。講義室での講義はほとんどなく、生徒のグループワークがメインです。講義ビデオでわからなかった点をグループ内で共有して、教員に質問するなどして解消していきます。

共同学習後は学習内容をどれくらい理解しているか知るために確認試験を実施し、グループ間で答え合わせを行い、試験結果に合わせて補填講義を実施。その後、知識をきちんと理解し、知識の生かし方まで身についているかどうか確認するため応用試験を行い、各グループで発表して評価を受けます。

また授業後にはA4用紙1枚程度のレポートを書かせると同時に、専用の掲示板を用いて全員が質問を行い、質問と回答内容を全員で共有できるようにしています

広島大学における反転授業の体験談

広島大学で紹介されている生徒の体験談では、反転授業に対して以下のような感想が述べられています。

  • 授業内容が面白かった
  • 自分で考えて積極的に学習できるため身につきやすい
  • インターネット上で動画を見れるため何度でも復習できて便利
  • 理解しているようで理解していないことがわかった
  • 人に教えることで理解も進んだし、教え方についても考えるようになった
  • みんなで話し合って考えるので印象に残りやすい
  • わからないことがあればすぐに聞ける
  • 知識の生かし方を考える習慣が身についた

山梨大学の導入事例

山梨大学でも反転授業を導入していますので、主な内容や成果について見ていきましょう。これまでの授業で大部分を占めていた一斉講義部分を動画にして事前提供を行い、学校での授業時間は生徒が主体的・協調的な学び合いの場としています。事前動画は15分〜30分程度で、授業では演習や質疑応答、プレゼンテーション、学び合いなどを実施します(参考:山梨大学)。

2013年には反転授業を導入したのが1科目のみでしたが、2016年度には前期だけで40科目を対象とするなど拡大しています。反転授業を導入したことで一定の教育効果(成績向上)も確認できています。

反転授業の導入によって学生が疑問点を持ち授業へ参加するため、分かっていること・分からないことの把握がしやすくなったことで疑問を解消しやすいのがメリットです。

山梨大学における反転授業の主な成果

反転授業を導入した工学部の専門科目では、導入前後の成績を2年分比較したところ、反転授業導入後の方が高得点者の割合が増えていました。

また導入して間もない時期に行った調査で、導入後から反転授業に取り組んできた教員の科目と他の講義科目を比較したところ、授業前に事前学習をした生徒の割合が反転授業の科目は8割〜9割だったのに対し、他の科目では2割〜4割程度だったとのことです、

時間とともに結果が変わっている可能性もありますが、導入してそれほど時間が経っていない時期でもこれほどの差が出ています。そしてアンケート調査では、事前の学習ビデオが内容理解に役立ち、わからないときにビデオを見た生徒が多かったこともわかっています。

愛媛大学の導入事例

愛媛大学でも反転授業が導入されており、iPad等のタブレッドで動画を作成できるExplain Everythingなどを用いて実施しています。事前学習後は、グループをつくって演習プリントを解き教員は巡回する演習授業をするなどしています。

また、問題の解説動画をYou Tubeにアップして、講義から演習、解説、テスト、講義という流れで解析学演習の勉強をしたり、数学基礎では4人を上限としたグループを組み、教員やティーチングアシスタントがサポートをします。

他の科目でも反転授業が導入されており、科目ごとに動画教材の工夫や授業方法に違いがあります

玉川大学の導入事例

玉川大学でも反転授業を導入しています。富士ゼロックスのシステムを活用するなどして事前学習用の教材を用意し、生徒は事前学習後にディスカッションに参加するなど、他の反転授業と同じような進め方になります(参考:文系授業における反転授業の事例研究)。

反転授業の主なメリット

反転授業を受ける主なメリットは次のとおりです。

  1. 目的意識を持って授業に臨める
    反転授業では、生徒は事前に動画教材を視聴したうえで授業を受けます。授業はプレゼンや議論などアウトプットが中心となるため、どのような意見を主張するのか、周りのどのような意見・考えを知りたいのかなど、目的意識を持って授業に臨むことが可能です。
  2. 強制的にアウトプットの場ができる
    従来の学習方法だと、どうしてもアウトプットの場を設けづらいという課題がありました。基本的にどの授業もインプットでアウトプットの場がないため、知識の生かし方を身につけることが難しかったのです。しかし反転授業であれば強制的にアウトプットの場ができるため、知識を身につけ、その生かし方も習得することができます
  3. 自分のペースで勉強しやすい
    反転授業の場合は、知識をインプットする講義にあたる授業は自宅で行います。インターネットを活用した動画教材のため、自分の好きなタイミングで視聴し、学習することが可能です。時間・格好・姿勢などは自由で、周りを気にすることなく学習できるため集中もしやすいです。
  4. 教員のサポート効率が高まる
    反転授業は生徒にだけメリットがあるわけではありません。生徒は授業前に知識を得て、どれだけ正確に知識を得ているか授業で議論等を行うため、教員は生徒の理解度を把握することができます。生徒の理解度がわかれば、より適したアドバイスやサポートができるようになるため、教員も対応がしやすくなりますし、生徒も不得意・苦手な部分を早期に解消できます
  5. プレゼン力やコミュニケーション力が高くなる
    反転授業を受けることで、生徒のプレゼン力やコミュニケーション力が高くなるのもメリットです。アウトプットの場であり、生徒同士で話し合い、学び合うことでコミュニケーションの仕方も覚えていきます。
  6. 生徒が理解できるまで繰り返し勉強できる
    通常の講義であれば、同じことを繰り返すことはありませんし、内容が理解できなくてもそのまま進んでいくものです。しかし反転授業の自宅で行う動画教材学習は、内容を理解できるまで何度でも繰り返し勉強することができます
  7. 次の学習内容に早く進める
    反転授業を取り入れたことで、これまで以上に学校で多くの学習内容を取り扱うことができるようになります。実際に反転授業を取り入れた学校では、従来よりも短い期間で学習内容を終え、学習進度を高めることができたという結果が出ています

反転授業は生徒・教員・学校それぞれにメリットがあるため、注目されているのです。

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まとめ

今回は反転授業のメリット、導入大学の内容や事例などについて紹介いたしました。

教育現場でも注目されている反転授業は、多くの大学・教育機関で導入が進んでいます。従来の教育方法とはまったく異なり、さまざまなメリット・効果も期待できます。

ここで紹介した内容が、反転授業の導入を検討している大学の先生のお役に立てば幸いです。

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