いよいよ小学校においても必修化される「プログラミング教育」。プログラミング教育とは具体的に何なのか?どのように学ぶのか?気になっている方もいらっしゃると思います。今回はそんな疑問を払拭しながら、おすすめの無料プログラミング教材を紹介したいと思います。
目次
プログラミング教育とは
2020年度から施行される新学習指導要領に組み込まれる新たな教育法です。情報の獲得・発信の手段であるコンピューターを利用する能力の基礎を身に付けることを目的としています。
小中高でそれぞれ別の取組みが行われます。小学校では、算数や理科など既存の科目の枠内で、理解を深める手段の一つとしてプログラミングを学ぶことになります。中学校では既存の「技術」の授業において、より踏み込んだ形でプログラミング・セキュリティを指導していきます。また高校では『情報Ⅰ』という新たな科目としてプログラミングについて学んでいくことになるのです。
おすすめの無料プログラミング教材7選
ここからは無料で使えるプログミング教材を7つご紹介します。どれも無料なので気になったものがあれば、ぜひお子様と挑戦してみてはいかがでしょうか。
MakeCode(メイクコード)
対象:小学校1年生~高校3年生
Microsoft MakeCode はマイクロソフト社が開発したプログラミング学習プラットフォームで、「MakeCode for Minecraft」や「MakeCode for LEGO® MINDSTORMS® Education EV3」など、プログラミング対象によりバージョンが複数用意されています。
プログラミングの方法は、用意された命令ブロックを使ったビジュアルプログラミングとJavaScriptでのテキストプログラミングの2種類が提供されています。
まずは、取り組みやすいビジュアルプログラミングでプログラミングがどういったものなのか感覚をつかんだ後に、画面をテキストプログラミングのモードに切り替えてみましょう。
ビジュアルプログラミングで組み立てたロジックがJavaScriptに置き換えられているため、同じ動きをコードではどのように表現するのかを学ぶことができ、より実践に近い発展的な学習も行えるのがMakeCodeの特徴と言えます。
プログラミングステップゼロ
対象:小学校1年生~6年生
初めてのプログラミングをする小学生のために、ベネッセコーポレーションが提供するScratch用の学習教材です。
文部科学省の提示する『プログラミング教育の手引き』におけるC分類(学校で習う教科の枠外で、プログラミングの基礎や楽しさ・達成感を体験する段階)に沿った内容となっており、入門編としておすすめとなっています。
以下の3点がこの教材の特徴です。
- 操作の習熟に集中できる
Scratchではブロックを動かして積み重ねるなどしてコンピューターに出す命令を組み立てていく仕組みになっており、教科の枠内でプログラミングに取り組み始める前に、そういった基本的な手順を身に着けられるようになっています。 - プログラミングにおける3つの基本概念を学べる
順次(ブロックを置いた順に命令を実行する)、繰り返し(一定の条件を満たす限り、指定した命令を繰り返す)、条件分岐(処理が条件別に分岐しており、満たした条件内で指定された命令のみ実行する)の3つが無理なく理解できるよう順を追って学べます。 - レベルに応じたそれぞれのペースで合わせることができる
自分に合ったペースで取り組めるように内容が構成されており、各自のプログラミングの得意・不得意に応じて学習を進められます。
GLICODE(グリコード)
対象:小学校1年生~4年生
あの有名お菓子メーカーである江崎グリコが提供する教材で、身近なお菓子である「ポッキー」を題材にしてプログラミングを学べます。
学習の際に用意が必要なのは以下の3つです。
- グリコ―ドをインストールしたタブレットもしくはスマホ
- ポッキー
- 衛生的なシート(ポッキーを並べるために使用します)
キャラクターを動かして画面上の泣いている女の子を助けるという内容になっており、シートに並べた複数本のポッキーの向きや角度を組み合わせて、画面の中のキャラクターを動かしていきます。
並べたポッキーをカメラ撮影して読み込むとそれがプログラムへと変換されて、キャラクターが動き出すのです。その結果に応じてポッキーを並べ直す→撮影する、という流れで改善を繰り返していく中で、プログラミングに必要な考え方を身に着けられるようになっています。
おいしいポッキーを食べながら、プログラミングを楽しく学べるユニークさが特徴的な教材です。
プログラミングゼミ
対象:小学校1年生~2年生
スマホゲームで有名なDeNAが開発したプログラミング学習用のアプリケーションです。
命令内容が書かれたブロックを組み合わせ、可愛い生き物を試行錯誤して動かしていくうちに、自然とプログラミングを学んでいくことができます。
開発にあたっては利用者(先生・児童)の声を取り入れており、動画によるチュートリアルが充実しているため、子どもが独力でも課題を解決しやすいようになっているのがこの教材の特徴です。
内容は、基本を学ぶパズルモードとオリジナルの作品を作る制作モードの2つ。制作モードではカメラで撮影したオリジナル素材も利用できるようになっており、友達に公開するシェア機能も用意されています。友達の作品を自分流にアレンジすることもでき、他人の作品を通して学びの幅を広げられるのも魅力の一つです。
Smalruby(スモウルビー)
対象:小学校3年生~4年生
日本人である「まつもとゆきひろ」氏が開発し、国内外で広く使われているRuby(ルビー)というテキストプログラミング言語。それを初心者でも理解しやすい様にビジュアルプログラミング言語へと置き換えたものがSmalrubyで、『Rubyプログラミング少年団』というNPO法人によって提供されています。
画面上に用意されたブロックには命令が書かれており、それらを組み合わせて作成したプログラムを使って、キャラクターを動かせるようになっています。特徴的なのは、ブロックで作成したプログラムをテキストプログラミングのRubyへと変換でき、ブロックプログラミングからテキストプログラミングへと発展させるのを想定した作りになっている点です。
それぞれの命令を照らし合わせることで、動きは同じでもテキストプログラミングではどのような表現になるかを簡単に確認できます。そのため将来的に本格的なプログラミングを学ぶことになった場合でもスムーズに学習に入れるでしょう。
プログル
対象:小学校5年生~6年生
学校の先生がプログラミング教育を行う際に手軽に導入できることを目的として、特定非営利活動法人である『みんなのコード』によって開発された教材です。ブラウザ上で動作するようになっているため、導入の際もインストールや初期設定などの作業を必要としていません。
この教材は、算数などの教科学習の理解を深める手段としてプログラミングの学習をサポートしています。示された課題に対して用意された命令ブロックを組み合わせていきます。またステージを進めて行くドリル型の教材であるため、クリアを目指してお子様が楽しんで学べるでしょう。
迷わず進めていくことができるようになっているため子どもが独力で学ぶこともできます。指導案付きのコードを利用すれば親が教えながら子どもと一緒に取り組めるようにもなっているため、子どもだけで学ばせるのは少し不安という方にもおすすめの教材です。
Viscuit(ビスケット)
対象:未就学児、小学校1年生~2年生
原田康徳氏が開発したビジュアルプログラミング教材です。自分で描いた絵を使ってプログラミングを学べるようになっており、文字も全く使用していないため、小さい子どもでも無理なく取り組めるのが特徴です。
描いた絵の操作は、画面上にある2つの輪っかが繋がった『メガネ』というツールを使って簡単にプログラミングできるようになっています。斜めに動かしたい場合は斜め上に絵をずらして輪の中に配置するなど直感的に分かりやすい方法が取られており、やりたいことだけを考えて色々な操作を試すことができまし。そのため自然とプログラミングに慣れ親しめるのが魅力的なポイントです。
学習にあたっては、市販のテキストに加えて公式サイト上での解説動画も豊富に用意されているため、まだ文字が読めないお子様でも一人で学習を進められるようになっています。
まとめ
ここまでプログラミング教育の概要や学習に役立つ無料教材をご紹介してきました。
いよいよ小学校でも必修化されるプログラミング教育。その予習や更なる学習の発展のために、今回ご紹介した教材を利用してみてはいかがでしょうか。
この記事がプログラミング教育への疑問や学習に不安をお持ちだった方のお役に立ちましたら幸いです。
✔️PC:メイクコード、プログラミングステップゼロ、プログラミングゼミ、スモウルビー、ビスケット
✔️スマホ・タブレット:メイクコード、グリコード、プログラミングゼミ、ビスケット
✔️アンプラグド(PC・スマホいらず):プログル