教育改革によって、小中学校でプログラミング学習が必須となることが決まりました。家でもプログラミングを子どもに学ばせたい!と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、そんな方々に向けてオススメのロボットプログラミング教材を7つご紹介したいと思います。
目次
ロボットプログラミングとは
ロボットプログラミングとは、その名の通りプログラミングで命令を送り、ロボットを動かす作業のことを指します。
プログラミングの学習と聞くと、プログラマーを育成するためのモノでウチの子どもには関係ないかも…と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、決してそんなことはありません。例えば、ロボットを自分のイメージ通り動かすために、どんな命令をその順番で下すか順序立てて考えることで、論理的思考力が鍛えられます。論理的思考力は社会に出たとき、どんな場面でも必要になってきます。つまり、プログラミング学習は普遍的な能力を身につけるのに役立つのです。また、もちろんロボットに触れるわけですから、情報化社会でコンピューターを上手に使いこなす能力の開発や、理科や算数など従来からある教科の学習時に理解向上の助けにもなります。
ロボットプログラミングだけでなくプログラミング教育全般について書いた記事もありますので、気になる方はご参照ください。
ロボット教材でプログラミングを学ぶメリット・デメリット
では、ロボットプログラミング教材にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?一緒に確認していきましょう!
メリット
- 子どもの興味を引きやすい
ロボットプログラミング教材の最大の特徴は、子どもの興味を引きやすいことです。
実際に手に取って、ロボットを組み立てながら学習を進めていくため、遊び感覚でプログラミングを学ぶことができます。集中力が中々続かない小さなお子様でも遊び感覚であれば、夢中になって取り組むことは間違いありません。
- 親子で学ぶことができる
名目上は、子ども向け教材とは言っていますが、最近のプログラミング教材は質が非常に高く、親御さんも一緒にプログラミングを学ぶことができます。子どもは親の姿に大きく影響を受けます。親が熱中しながらも楽しくプログラミングを学ぶ姿を見れば、子どもは自然と学びたい!という気持ちが芽生えるはずです。幼少期に何か1つでも熱中できるものが見つかれば、その後の人生に少なからず良い影響を与えるでしょう。
デメリット
- 価格が高い
最大のデメリットは、価格が高いことです。一般的なもので約1万円ほどします。高いものだと、6万円以上の教材もあります。したがって、なるべく低い価格でプログラミング教材の購入を考えている方には、少々ハードルが高いかもしれません。
このデメリットを聞いて、購入を諦めようと思った方、ご安心ください。そんな方々に向けて、無料のおすすめプログラミング教材の記事を書きました。ぜひご参照ください。
ロボット教材おすすめ7選
ここからは、どんなロボットプログラミング教材があるのか、ご紹介していきます。対象年齢ごとにオススメのモノを抜粋しました!
なお、注意していただきたい点が2つございます。学習状況と拡張性です。言わずもがなではありますが、初学者の方は、なるべく難易度が低いものからは初めてください。あまりに難易度が高いと途中で挫折してしまいます。対象年齢が低ければ低いほど、難易度が低いと思ってもらって結構です。また以下で紹介する教材には、拡張性があるものとすでに完結してる製品とがございます。拡張性があるものは、自分でパーツを買って新たに機能を付け加えることができますが、その分難易度が高くなっています。
商品名 | 価格 | 対象年齢 |
Cubetto | 35,750円~ | 3歳〜 |
Pets | 22,000円~ | 4歳〜 |
プログラミングロボットダッシュ君 | 29,999円~ | 6歳〜 |
micro:bit | 2,027円~ | 7歳〜 |
Ozobot | 13,980円~ | 7歳〜 |
WeDo2.0 | 30,000円~ | 7歳〜 |
KOOV | 52,649円~ | 8歳〜 |
Cubetto(キュベット)
ロンドンにあるPrimo Toys社が開発したCubettoは、モーターを内蔵する木製の箱型ロボットです。地図に記載された目的地にCubettoを連れていくために、コーディング用ブロックを使ってプログラミングを組み、動かしていきます。この取り組みの中で、プログラミング的思考を学ぶことができます。
またCubettoは前述した通り、手触りの良い木でできているので、小さなお子様でも安心して遊ぶことができます。スクリーンを使う他の教材のように、目が悪くなるのではないかといった心配をする必要もありません。
対象年齢も3歳からとなっており、比較的小さなお子様でも遊ぶことができるようになっています。
価格:35,750円~
対象:3歳〜
Pets(ペッツ)
Petsは、方向を指示する様々なブロックを差し込むことで、自分の思い通りに動かすことができる自走型ロボットです。パソコンやタブレットを一切使わないことが特徴の1つです。また説明書や問題を示すカードにも、ほとんど文字が使われておらず、小さなお子様でも簡単に扱い方を理解できる作りになっています。
難易度が上がるにつれ、失敗してはブロックを組み替え、また失敗してはブロックを組み替えるという”試行錯誤”の作業が求められるようになります。この工程が子どもたちの思考力を育み、「ロボットは着実に一つ一つ命令された行動を実行する」というプログラミングの基礎知識を獲得する手立てとなります。
価格:22,000円~
対象:4歳〜
プログラミングロボットダッシュ君
プログラミング ロボットダッシュ君は、スマートフォンやタブレット内のアプリを使って操作するタイプのロボットです。全世界で導入している学校が20,000校以上にも及び、アメリカ合衆国オバマ前大統領がコンピューターサイエンス教育週間において取り上げたなど、話題性に富んでいるロボットでもあります。
遊べば遊ぶほど、自然とロジカルな思考力が養われ、ITに強くなるということを最大の特徴として謳っています。また先ほど申し上げた通り、アプリを使ってロボットを動かしていくのですが、そのアプリが5種類も存在するため、お子さまの成長に即して難易度を上げられるという自由度の高さも特徴の1つです。
価格:29,999円~
対象:6歳〜
micro:bit(マイクロビット)
micro:bitは、小中学生向けにイギリスで開発された直径わずか約5㎝のプログラミング教材です。特徴は拡張性があることです。拡張パーツを購入することで、機能を増やすことができます。
一番安いベーシックなキットでも色々な機能がついています。例えば、micro:bitには、センサーやボタン、音楽、LEDなど色々な機能がついており、それらを組み合わせたりして、様々なことができます。LED照明を点灯させながら、音楽を奏でる、といった事です。また拡張パーツを購入することで、スピーカーやコンパスなども作ることができます。非常に自由度高いと言えるでしょう。
しかしながら、自由度が高いということはそれだけ難易度も高いと言えます。ある程度プログラミングの学習を済ませた後に、今度は自分で色々考えながら何か作ってみたい!という方にはオススメです。
価格:2,027円~
対象:7歳〜
Ozobot(オゾボット)
ロボットプログラミング用の教材はいくつもありますが、オゾボットはその中でも世界最小と言われています。
タブレットや紙などに表示された線を読み取る機能(ライントレース)を持っており、線をたどらせてロボットを動かすことができます。
線の色を区別することも出来るようになっていて、色の組み合わせで様々な動作(『左へ曲がる』、『ゆっくり』など)を指示することができ、動きの違いを楽しみながら学習を進めることができます。
プログラミング教育では基本的にタブレットやパソコンが必要になることが多くなります。この点、オゾボットは紙とペンを使っても楽しむことができるのが特徴です。
プログラミング教育には興味があるけれど、あまり子どもに電子機器に触れさせたくないという方にもおすすめできる教材です。
価格:13,980円~
対象:7歳~
WeDo2.0
WeDOはレゴ社が販売する小学生向けのロボットプログラミング教材です。新学習指導要領に基づき、子供たちが楽しみながらプログラミング学べるようにデザインされています。レゴに親しんだお子様も多くいらっしゃることから、プログラミングへのハードルも下がるのではないでしょうか。
1つのセットにスマートハブ、モーションセンサー、モーター、ブロックなどが入っています。もちろんロボットはレゴブロック使って作成していきます。自分が作成したロボットに、付属しているセンサーやモーターの電子部品を組み込みことで、学習に使うプログラミングロボットが完成します。ロボットをパソコン・タブレットに対応しているソフトを使用して動かし、学習を進めていきます。
内容としては、直感的に理解できる、簡単なビジュアルプログラミングですので、初めてのプログラミング教材に最適だと言えます。また、基本セットに含まれるソフトには40時間以上のしっかりとしたカリキュラムが組まれている点からも安心できると思います。
価格:30,000円~
対象:7歳~
KOOV(クーブ)
ソニーにより開発された教材で、船や恐竜など自分の思いのままにブロックでロボットを作り、それらをプログラミングで動かして遊ぶ中で理解を深めていく内容になっています。
かたちあるものを創造する力、意図した動きを実現するための方法を探求する力などを育むことを狙いとしています。
クーブには学習をサポートしてくれるアプリが充実しており、子どもはもちろん初めてプログラミングに触れるお父さんお母さんも安心して取り組むことできるようになっているのが特徴です。
『ロボットレシピ』には多くの作品例が載っており、それを足掛かりにして、オリジナルの作品を制作することができます。
プログラミング学習においては、レベルに応じたミッションやクイズが用意されているため、ステップバイステップで楽しみながら理解を深めていくことができるでしょう。
価格:52,649円~
対象:8歳~
プログラミングを学ぶ教材は3種類
ここまでロボットプログラミングとその教材について見てきましたが、ここではロボット以外のプログラミング教材についてもご紹介していきたいと思います!
プログラミングを学ぶ教材は目次の通り、3種類あります。アンプラグド・ソフト・ハードの3つです。以下それぞれ詳しく解説します。なお、ハードをロボットとマイクロコンピュータとで分けて4種類とする場合もありますが、今回は統合しています。
コンピューターを使わないプログラミング(アンプラグド)
タブレット端末などの電子機器が不要であり、手軽に取り組めるため、最初に触れるプログラミング教育としてこの方法で学ぶことが多くなることが予想されます。
新学習指導要領で求められているのはプログラミング能力そのものではなく、プログラミング的な思考力です。
そのため、電子機器が無くともパズルなどの遊具を利用して、コンピュータが処理を行う際の内部的な働きや、プログラミング的な思考に基づく問題解決の流れ(アルゴリズム)を学習することが可能です。
また、プログラミング教育を実施するにあたり、生徒に必要な電子機器を用意する予算の確保が難しい自治体であったとしても、この方法であれば、無理なくプログラミング教育に取り組めるというメリットがあります。
この記事では、簡潔に”アンプラグド”についてまとめてみましたが、さらに詳しく知りたいという方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。
ソフトを使うプログラミング(タブレット、コンピュータ)
タブレットやコンピュータにインストールした専用のアプリケーションを用いてプログラミングを学ぶ方法です。
具体例としては以下の2つがあり、有料・無料、国産・海外産とさまざまなものが用意されています。
- ビジュアルプログラミング(ブロックなどをつなぎ合わせることで、視覚的にプログラミングができるタイプです)
- コードプログラミング(本格的にテキストを入力するタイプで、プログラミングという言葉から多くの方がイメージするのがこちらだと思います)
ハードを使うプログラミング(ロボット)
ソフトによるプログラミングとは異なり、手に取って動きを確認できるハード(ロボットなど)を通してプログラミングを学ぶ方法です。
ロボットを動かすためには、以下の3要素が必要となり、ブロックと電子パーツを用いて作られたロボットをタブレットやコンピュータ上で作成したプログラミングで制御して動かします。
- ブロック
- 電子パーツ
- プログラム
まとめ
今回はロボットプログラミングとは何か、メリット・デメリット、そしてそのオススメの教材についてご紹介してきました。
プログラミングの必修化にあたり、様々な不安をお持ちの方に少しでもお役に立ちましたら幸いです。
✔年齢と学習状況を考慮して選ぶべき。
✔幼児は、Cubetto・Pets・ダッシュ君
✔小学生は、micro:bit・Ozobot・ WeDo2.0・KOOV