文部科学省の「教育改革プログラム」をどこよりもわかりやすく解説!

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
キーポイント
✔教育改革は2018年から移行期間に入り、すでに導入されつつある

✔教育改革プログラムとは、教育改革を進める上で立てられた指針

✔教育改革によって制度が変わるだけでなく、身につく能力が変化する

こんにちは!スタスタ編集部です。

「教育改革が行われるけど、実際に何が変わるの?」「教育改革プログラムって何?」など、今まさに行われようとしている教育改革に疑問を持っている方は多いです。実際の教育現場では、教育改革に伴って変化し始めているのです。

そこで今回は、文部科学省が公表している「教育改革プログラム」について解説します。

教育改革とは

教育改革とは、2020年度より行われる新学習指導要領の導入や大学入学共通テストの導入などを指します。「2020年に日本教育が変わる」と言われるほど、大きな改革なのです。

「2020年なら、まだ教育改革は行われていないの?」と思われる方も多いですが、そうではありません。

2018年度から少しずつ移行が始まっており、もうすでに変化が起きているのです。

教育改革が行われた背景

ではなぜ、いま教育改革が行われているのでしょうか。教育改革が行われる背景は、主に2つです。

  1. グローバル化が進む社会
  2. 科学技術の促進によって激しく変化する社会

グローバル化が進むことで英語力が必要とされる場面が増えています。さらに、科学技術の革新により、これまでの教育で重視されていた「知識と技能」だけでは社会で通用するスキルが不足し始めたのです。

そこで今回の教育改革を行い、子供たちに社会で役立つスキルを身に着けようとしているのです。

教育改革が進められるスケジュール

具体的にどのようなスケジュールで進められるのでしょうか。まずは、幼稚園と小学校の教育改革のスケジュールを、全体スケジュールとともに表でまとめました。

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表にまとめたように、2018年度からすでに教育改革が行われていることがわかります。

教育改革によって変更になるポイント

では、具体的にどのようなポイントが変更になるのでしょうか。主な変更となるポイントは3つです。

変更となるポイント 具体的な変更点 これまでの教育
学校での教育
  • 学んだ知識をもとに自分で考える
  • 考えたことを表現する
  • 表現された内容を理解して判断する
  • 知識
  • 技能
英語の学習内容
  • 英語4技能の能力向上を目指す
  • 小学5年生から英語の授業が導入
  • 中学・高校では英語で授業が行われる
  • リスニング・リーディング中心
  • 英語の授業も日本語が使われていた
  • 中学校から英語の授業が導入された
大学入試制度
  • 大学入学共通テスト
  • マーク式+記述式
  • 大学入試センター試験
  • マーク式

この変更点に伴って、学びについてどのような変化が見られるのでしょうか。学びの方向性についても、簡単にまとめておきましょう。

変更となるポイント 新学習指導要領 これまでの
学習指導要領
身に付けられる能力
  • 社会に出て役立つ知識や技能
  • 思考力・判断力・表現力
  • 学ぶ姿勢や人間性

「これからの時代に求められる資質・能力」

  • 知識・技能
学びの内容
  • 小学校からの英語教育
  • プログラミングとプログラミング的思考

これまでの学習内容に加えて2点が増える

学び方
  • アクティブラーニング
  • 双方的・対話的な授業
  • 先生による一方向の授業

教育改革プログラムとは

教育改革については簡単に理解して頂けたと思いますが、文部科学省が公表した「教育改革プログラム」とは一体どんな内容になっているのでしょうか。ここからは、教育改革プログラムについて見ていきましょう。

「教育改革プログラム」は、教育改革を進めるにあたり指針となるものです。具体的に見直された点や改善された点と合わせて、「どのような学習を行うのか」ということがまとめられています。

基本的考え方と、4つの内容から構成されています。

  1. 豊かな人間性の育成と教育制度の革新
  2. 社会の要請の変化への機敏な対応
  3. 学校外の社会との積極的な連携
  4. 留学生交流等国際化の推進

それぞれ項目ごとに、簡単にご紹介します。

基本的考え方

教育改革プログラムに記載されている基本的考え方の内容を、表にまとめました。

各項目 内容
目標 社会や経済が大きく変動してく中で、教育立国を目指す
課題
  • 教育力の低下
  • 過度な受験競争
  • いじめ・不登校
  • 青少年の非行問題
これまでの教育現場
  • 一方的に教え込む教育
  • 自分で学んで考える力や豊かな人間性を育む教育が疎かだった
  • 平等性を重視したことで、個性や能力を重視してこなかった
これからの教育の重点
  1. 社会のルールや思いやりなどを育む「心の教育」
  2. 個性と能力を尊重し、子供が個性に応じた選択ができる「学校制度」
  3. 主体性の学校運営によち、「自主性を重視」
  4. 大学での優れた人材を養成し、基礎研究や先端技術を水準を向上するため「大学改革と研究振興の促進」

それでは、教育改革プログラムの4つの内容について、ご説明していきます。

①豊かな人間性の育成と教育制度の革新

1つ目は、「豊かな人間性の育成と教育制度の革新」です。一人ひとりの個性を生かしつつ、豊かな人間性や創造性を育むための教育制度を導入し、教育内容にも変更を加えます。

生徒や保護者に関係する変更点は、具体的に11つが挙げられます。

  1. 完全学校週5日制の実施
  2. ボランティアや自然体験活動などの道徳教育を充実
  3. 読書活動が行える施設整備を行う
  4. 中高一貫教育を行う学校整備を進める
  5. 3年以上4年未満の在学で大学を卒業可能にする
  6. 新学習指導要領を導入し、カリキュラムの変更
  7. 科学や情報の教育環境を充実させる
  8. 外国語の能力向上だけでなく、国際理解に関する行為を行う
  9. 環境問題に関する課題や知識を学ぶ
  10. 大学入試や高校入試制度の変更
  11. 大学の秋入学の推進

これまでの教育では見られなかった点が多く導入され、教師の研修や資格制度も見直されているのです。すべてを理解する必要はありませんが、重要なポイントだけ抑えていくと教育改革を知ることが出来ます。

②社会の要請の変化への機敏な対応

2つ目は、「社会の要請の変化への機敏な対応」です。現在、社会経済は大きく変化しています。そんな変化に対応しながら、少子高齢化や男女共同参画社会を作り、科学技術の発展を担う人材を育成する必要があります。

そのために、学術研究や情報化、文化、スポーツなどを通して、これから社会の要請にこたえられる人材を育成していきます。生徒や保護者に関係する変更点は、具体的に12つが挙げられます。

  1. 少子高齢化社会に対応する教育を充実
  2. 幼稚園での教育で、道徳性を育て津活動や自然体験、社会活動などを行う
  3. 医療や福祉関係に従事する人材を育成する
  4. 心の健康や食生活、生活習慣病など健康に関する教育を行う
  5. 男女平等観を育成するための教育や学習を充実
  6. 科学や技術と触れ合い、興味や知識を身につける
  7. 高等専門学校に関する制度を充実
  8. インターンシップや産学連携を通した人材育成
  9. さまざまな研究を行うことに触れ、研究者育成を行う
  10. 情報教育やマルチメディアを取り入れた学習を行う
  11. 文化を情報化して触れやすくする
  12. 生涯にわたってスポーツを行えるよう環境や学習を整える

変化する社会に対応するため、これまで以上に健康や情報化、スポーツ、文化などの学習が充実します。これから求められていく医療や福祉、科学者の育成を中心に、人材育成につながる教育制度が特徴と言えます。

③学校外の社会との積極的な連携

3つ目は、「学校外の社会との積極的な連携」です。教育改革を進めるために、学校と家庭、地域社会の連携が必要とされています。そのため、学校外の活動やボランティア活動を促進し、さまざまな問題へ対応できるよう連携を強化します。

生徒や保護者に関係する変更点は、具体的に9つが挙げられます。

  1. PTA活動を活性化する
  2. 学校施設を整備して、地域コミュニティの拠点とする
  3. さまざまな家庭環境に対応した家庭教育を支援する体制を強化
  4. 子供に関する悩みを持つ親の相談を受ける体制を作る
  5. 地域での学校外活動を促進
  6. 情報提供を行い、ボランティア活動を促進
  7. 学校外から優れた人材を迎え入れて、外部指導者の活用を行う
  8. 暴力やいじめ、不登校などの問題への対応を充実化する
  9. 子供が相談できる体制の整備を充実化する

地域や家庭と連携して勉強できる体制を整えるため、さまざまな取り組みが行われます。学校外活動やボランティア活動が促進され、様々な体験を生徒にしてもらおうという方向性が見られます。

④留学生交流等国際化の推進

4つ目は、「留学生交流等国際化の推進」です。国際化・グローバル化が進行している中で、日本人としての自覚とともに国際的な視野と経験が必要です。これからの国際社会で世界に貢献できる日本人を育成しつつ、留学生交流や教員の国際体験などを充実させる必要があると考え、改善が行われています。

生徒や保護者に関係する変更点は、具体的に6つが挙げられます。

  1. 留学生交流を推進し、受け入れ体制を充実化
  2. 英語などの外国語教育を強化
  3. 国際理解教育を充実
  4. 教員の国際交流や国際貢献を促進する
  5. 研究者の国際交流や国際共同研究を推進する
  6. 外国人を対象にした日本語教育を推進する

生徒だけでなく教員にも国際的理解を深め、これからのグローバル化に対応する人材を育てようとする動きが強まっています。さらに、国際化に伴って日本に留学生を受け入るだけでなく、日本語教育を推進するということも重視されています。

まとめ

ここまで文部科学省の「教育改革プログラム」についてご紹介しました。2020年度から新学習指導要領が導入される「教育改革」は、今回紹介した教育改革プログラムの4つの重点によって作成されたものです。

プログラムについて理解することで、教育改革で行われる変更点についても理解を深めることができたのではないでしょうか。

文部科学省の「教育改革プログラム」に疑問をお持ちだった方のお役に立てたら幸いです。なにか気になることがあればコンシェルジュにご相談ください。

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