新学習指導要領はいつから?ポイントをわかりやすく解説|スタスタ

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この記事で分かること!
  • 新学習指導要領はいつから?
  • 学習指導要領って何?
  • なんで学習指導要領は変わるの?
  • 具体的にどんなことをするの?

最近、「新学習指導要領」の導入が話題になっていますよね。

しかし「新学習指導要領」がなぜ、どのように、いつから変わるのか完全に理解できている人はそう多くはないはずです。

今回はそんな方々に向けて、スタスタが「新学習指導要領」をわかりやすく徹底的に解説していきます!!

いつから導入されるのか?

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新学習指導要領は、小学校では2020年度、中学校では2021年度から全面的に実施されます。高等学校では、2022年度の入学した生徒から年次進行で実施される予定です。また幼稚園では、新しい幼稚園教育要領がすでに2018年度に実施されており、特別支援学校は、小・中・高等学校学習指導要領に合わせて実施されることになっています。

そもそも学習指導要領とは?なぜ変わるのか?

「学習指導要領」とは、文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)の基準のことです。幼稚園から高等学校まで全国どこの学校でも、この基準に基づいて授業をする必要があります。そして、この学習指導要領は社会のニーズや時代の変化に即して、約10年毎に改正されています。

近年、情報化・グローバル化の加速度的進展やAIの飛躍的な発達により、社会は大きく、そして激しく変化しています。進化を遂げた人工知能(AI)が様々な意思決定をし、身の回りの物のほとんどがインターネットと結びつき、今までできなかったことが簡単にできる時代が到来するでしょう。

そのような予測困難な時代にあっても、子どもたちには、前向きに変化を受け止め、よりよい豊かな未来の創り手になっていくことが期待されています。子どもたちにとって、学校教育とは社会に羽ばたくための土台を作るモノです。前述したような社会の変化に対応し、生き抜くために必要な資質・能力を備えた子どもたちを育むため、今回、学習指導要領は改訂されたのです。

新時代に必要な資質・能力とは?

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学習指導要領の改訂は、未来を生き抜くために必要な資質・能力を向上させるためだとわかりました。では、学習指導要領における資質・能力とは、一体どんなものなのでしょうか?気になる方も多いと思います。一緒に見ていきましょう!

まず、結論から申し上げます。一言で言うならば・・・

ズバリ、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性など」の3つの柱からなる「資質・能力」のことです。(参照:文部科学省『新しい学習指導要領の考え方』

以下、3つの柱を詳しくそれぞれの内容について解説していきます。

知能・技能

「何を知っているか、何ができるか」

◯各教科等に関する個別の基礎的・基本的な知識や技能の習得だけではなく、既存の知識と関連付けたり組み合わせたりすることで育まれる、社会の様々な場面で生きて働く知識・技能

思考力・判断力・表現力等

「理解していること・できることをどう使うか」

◯問題を発見し、その解決に必要な情報を収集・蓄積するとともに、自分の持ちうる知能・技能をフル活用しながら問題を解決へ導くための思考力

◯必要な情報を取捨選択し、問題解決への方向性を定め、結論を決定するための判断力

◯自分の意思・意見をどんな相手・状況であっても伝えるための表現力

学びに向き合う力・人間性等

「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」

◯受動的にただ言われたこと学ぶのではなく、主体的に学習に取り組む態度も含めた学ぶ力

◯グローバル化によって、より多様化する世界を尊重し、様々な人々と互いの良さを引き出しながら共同する力、持続可能な社会づくりに貢献する力、リーダーシップやチームワーク、豊かな感性や他者への思いやりの心などを持ち合わせた人間性

これらの3つの力を教育課程全体や各教科での学びを通じて、それぞれバランスよくふくらませながら、一体的に育成していきます。この力こそが、新時代を生き抜くために必要なのです。

具体的に何をやるの?

新学習指導要領によって、幼稚園・小学校・中学校・高等学校で導入される内容はそれぞれ違います。そして、その数は膨大であり、まさに教育改革であると言えます!この記事では、その中でも顕著なものを紹介していきたいと思います。

幼稚園

現在すでに、幼稚園では小中高の新学習指導要領にあたる「幼稚園教育要領」が導入されています。この導入で、これといった具体的な実施内容の変化は見られませんが、幼稚園での幼児教育がより意義を持つようにと教育の方針が変わったと言えます。

具体的には、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を幼稚園教諭と小学校教員で共有することで、幼児教育と小学校教育の接続をより一層強化しています。幼稚園教諭は、育ってほしい姿を目標に子ども達を指導し、小学校教員は、幼児教育で身につけたことを活かしながら授業することでスムーズな小学校進学が可能となるのです。

参照:文部科学省『平成29年改訂幼稚園教育要領解説』

小学校

英語(外国語)

英語(新学習指導要領の表記では「外国語」)が導入されます。

3年生から「外国語活動」が始まります。3年生から4年生へと2年をかけて「聞く」「話す」のコミュニケーションを中心に、年間35時間の授業を通じて、英語に慣れ親しんでいきます。

5年生からは年間授業時間が、なんと倍の70時間に増えます!そして英語は、評価が伴い、成績のつく正式な「教科」に変貌します。学習内容としては、4年生までの「聞く」・話す」を基盤としながら、アルファベットの大文字・小文字の習得や英語の文構造の把握といった「書く」「読む」が加わってきます。

プログラミング教育

今まで「プログラミング教育」は、各小学校の裁量に任されていましたが、今回の改訂で必修となります。これは、AIの目まぐるしい進化、情報社会の急速な発達に対応するためです。コンピュータで文字を入力するなどの情報手段の基本的な操作や、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力の習得を目指します。

ただし「プログラミング教育」は、前述した英語とは違って新教科にはせずに、現行の各教科の中で実施されることになっています。

道徳

道徳の授業は現在でも行われていますが、正式な教科としては扱われていません。このことが原因で、地域によって取り組みの量や質に差が生じている問題があります。そして昨今、いじめが原因で多くの青少年が自殺に走ってしまうことが社会問題となっています。この2つの問題を解消するために改訂がなされました。

今回の学習指導要領の改訂で、「道徳」は「特別の教科である道徳」という位置付けになります。もちろん、それに伴って学習指導要領をもとに修正が加えられたものが新しい教科書として使用されます。しかしながら「道徳」の目的は、物事を多角的に捉え、自分自身の道徳的価値を深めていくことにあるので、数値化された評価、つまり成績評価の対象にはならない予定です。

参照:文部科学省『小学校学習指導要領(平成29年告示)解説』

中学校

プログラミング教育

現行の学習指導要領でも「プログラミング教育」はすでに実施されています。具体的には現在「技術・家庭」の学習内容は、「A材料と加工の技術」「B生物育成の技術」「Cエネルギー変換の技術」「D情報に関する技術」の4つに分かれており、そのうち「D 情報に関する技術」の「プログラムによる計測・制御」という項目で扱っています。

今回の学習指導要領の改訂で、内容「D 情報に関する技術」に「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」が追加されます。このことによって、学習内容は約2倍になると言われています。

ソフトウェアをどう使いこなすのか?のような受動的な学習だけではなく、ネットワークの活用やプログラミングによる問題解決といった能動的な学習を目指しています。

英語(外国語)

語を通じて、他国の文化への理解を深め、「聞く」「話す」「書く」「読む」といったコミュニケーション能力の基礎の養成を目指します

今回の改訂で、授業時数が各学年で105時間から140時間に増えますが、文法事項等の学習内容はほとんど増加していません。これは、言語活動の充足を通じた、徹底的なコミュニケーション能力の基礎の育成を意図するもであると言えるでしょう。

具体的な内容としては、

第1学年で自分の気持ちや身の回りの出来事などの中から簡易な表現を用いたコミュニケーションの育成。
第2学年で事実関係を伝えたり、物事について判断したりした内容の中からのコミュニケーションの育成。
第3学年で様々な考えや意見などの中からのコミュニケーションの育成。

になっています。これらの能力をを3年間で段階的に育成していきます。

参照:文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説』

高等学校

主権者教育

2016年の6月22日に選挙権年齢が20歳から18歳になりました。また2022年度からは、成年年齢も18歳になる予定です。これらを背景として、公民科に必修科目「公共」が導入されます。前回の学習指導要領においては「公民のうち『現代社会』または『倫理』『政治・経済』のいずれかが必修」となっていましたが、今回の学習指導要領では「公民のうち『公共』は必修」となりました。「現代社会」が廃止され、それを「公共」が取って代わった形です。

「公共」での主権者教育を通して、子どもたち自らが主体となって政治を動かし、社会に参画する力を身につけることが目標です。

学習の範囲は「現代社会」と大きくは変わりませんが、その学習の方法は大きく変わってきます。アクティブラーニングを活用した学習方法ですので、具体的には、ペアワークによる対話やグループ単位での調査・発表になると考えられます。

消費者教育

2022年度に実施される18歳への成年年齢の引き下げは、保護者の同意を得ずに締結した契約を取り消すことができる年齢が20歳から18歳へと変わったことを意味します。

自立した消費者を育成するため、「公共」と「技術家庭科」の授業を通して、消費者契約の重要性、それに付随する消費者の権利行使の仕方など学習します。

参照:文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説』

「何をやるか」だけではなく、「どのように学ぶか」も重視される

新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)」の視点でのアプローチによって、子どもたちの学習方法を変えることをも重要視しています。

では主体的・対話的で深い学びの視点とは、どのような視点でしょうか?見ていきましょう。

  • 「主体的な学びの視点」
    学ぶことに興味や関心をもち、自己のキャリア形成の方向性と関連づけながら見通しをもって取り組み、自己の学習活動を振り返ってつなげる学び。
  • 「対話的な学びの視点」
    子供同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手がかりに考えることで、考えを広げ深める学び。
  • 「深い学び」の視点
    習得・活用・探究という学びの中で、各教科の特質に応じた「見方・考え方」を形成し、問題を見いだして解決策を考えたり、創造したりする学び。

これらを総合したものが「主体的・対話的で深い学び」の視点であると文部科学省は言っています。(参照:教科等の本質的な学びを踏まえたアクティブ・ラーニングの視点からの学習・指導方法の改善のための実践研究

子供たちグループディスカッションやディベートなど能動的に学習する「アクティブ・ラーニング」の視点から、「何をやるか」だけでなく、「どのように学ぶか」を重視することで、現在の教育に変革をもたらそうとしているのです

複数人で協同して学習する「アクティブラーニング」によって、一人で能動的に学習する「自立学習」では培えなかった、社会的能力や経験、教養を身につけることが子供たちに期待されています。

アクティブラーニングについての詳しい解説に関しては以下の記事をご覧ください。

【徹底解説】アクティブラーニングとは|子どもが育つ次世代の学習法

2019.07.16
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まとめ

ここまで「新学習指導要領」がいつから・どうして・どんなふうに変わるのか解説してきました。

学習指導要領の改訂が、これからの予測困難な社会に必要な能力育成に必要不可欠だということがおわかりいただけたと思います。

新学習指導要領に沿ったプログラミング教育を提供する塾を知りたい!など、なにか気になることや疑問点があれば、スタスタ塾コンシェルジュにご相談ください。

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スタスタ編集部

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