【徹底解説】アクティブラーニングとは|子どもが育つ次世代の学習法

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この記事で分かること!
  • アクティブラーニングは「能動的な学び」ではない!?
  • 様々な教育法がアクティブラーニングに属する。
  • メリットもデメリットも理解した上で取り入れるか考えよう!

最近「アクティブラーニング」という言葉が注目されていますよね。

学校でも導入されるという身近な話題ですが、言葉の意味からメリット・デメリットまで、しっかりと理解できている方は少ないのではないでしょうか?

そこで「文部科学省の資料は内容が多く、読みにくいため見ていられない」という方に向けて、スタスタがアクティブラーニングについて分かりやすく解説していきます!

アクティブラーニングとは?

アクティブラーニングについて調べると「能動的な学び」と紹介するサイトが出てきますが、それはアクティブラーニングのほんの一部の意味に過ぎません。今回はアクティブラーニングの本当の意味について解説していきます。

文部科学省によるアクティブラーニングの定義は以下の通りです。

主体的・対話的で深い学びの視点からの学習法

これだけ見ても、どんな学習方法なのか具体的にイメージしにくいですよね。そこで理解を深めていくために、ここからアクティブラーニングが注目されている背景から解説していきます。

どんな背景なの?

アクティブラーニングの必要性が唱えられるようになった背景は主に2つあると言われています(参考:文部科学省「新しい学習指導要領の考え方)。

  1. 近年、知識・情報・技術をめぐる変化が加速し、情報化やグローバル化のような社会的変化が私たちの予想を超えて発展している。
  2. 情報処理を得意とする人工知能の普及。

今後、社会変化が急速に進むことで、この先も想像していなかった世界が広がるかも知れません。そんなときに私たちには何が求められるでしょうか?きっと想像以上のことが起きたときに対応できる応用力や、適応力です。

また人工知能の普及によって、今まで人間が請け負ってきた単純作業は人工知能に代替されます。例えば、レジ打ちや窓口業務などが挙げられるでしょう。このような簡単なコミュニケーションを必要とする仕事の他にも、計算や翻訳などの知識を必要とする仕事は人工知能の方が得意なので、代替されてしまいます。

そこで人工知能を使う側としての能力である問題解決能力や、人工知能に負けない人間の独特の能力である表現力を伸ばす必要が出てきました。

しかし現在の教育はどうでしょうか?知識を詰め込むことを重視しているため、人工知能に代替されてしまう人間を育成するカリキュラムであると言えます。そこで新たな教育を導入し、それぞれに必要な能力を伸ばす教育法の導入が望まれているのです。

どんな内容なの?

では内容について解説していきましょう。文部科学省のホームページでは3つの柱を用いて説明されています。

  1. 主体的な学び ー 学ぶことに興味や関心をもち、自己のキャリア形成の方向性と関連づけながら見通しをもって取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる学び。
  2. 対話的な学び ー 子供同士の協同、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手がかりに考えることで、考えを広げ深める学び。
  3. 深い学び ー 習得・活用・探究という学びの中で、各教科の特質に応じた「見方・考え方」を形成し、問題を見いだして解決策を考えたり、創造したりする学び。

書いていて思いましたが、公式文書なので少し分かりにくいですよね、、、
言い換えると、「好奇心を伸ばし様々な人と関わることで考えを深め、問題解決能力を育む」というものです。

これらを総合して「主体的・対話的で深い学び」を意味しています。具体的には、グループ・ディスカッションやディベートなどの学習方法を導入することで、生徒は問題を発見し協同して解決する体験ができます。その中で自分の意見を表現し、他者の意見を受け入れるトレーニングをすることができます。したがって社会的能力や経験、教養を身につけることができるとされています。

つまり一人で能動的に学習していく「自立学習」とは異なり、複数人で協同して学習することがアクティブラーニングを語る上で重要な要素なのです。

どんな種類があるの?

では具体的には、どういう方法で学ぶことができるのでしょうか?

アクティブラーニングにはジクソー法やKP法など多くの種類がありますが、今回は3種類紹介していこうと思います!

PBL

PBLとは「問題解決型学習(Project Based Learning)」の訳です。これは自ら問題を発見し、解決する能力を養うことを目的とした教育法です。

以前は医学や歯学、看護学のような、現場での問題解決能力が重要視される教育課程で採用されていましたが、アクティブラーニングの教育方法として注目され始めました。この学習法は主に以下の流れで展開されていきます。

  1. テーマを決める。
  2. 解決策を考える。
  3. 相互に話し合い、何を調べるか明確にする。
  4. 自主的に学習する。
  5. 新たに獲得した知識を問題に適用する。
  6. 学習したことを要約する。

基本的にはこの流れで進行していきます。しかしPBL法には2つの方法があります。「チュートリアル型」は一つの課題に対して仮説を立て、検証していく方法です。「実践体験型」は課題を実社会の中に設定し、民間の企業と協力しながら問題を検証していく方法です。教育現場ではチュートリアル型の方が取り込みやすいため、PBLの主流として行われています。

この学習法を取り入れることで、生徒は問題解決を通して知識を応用する力を身につけることができます。またディスカッションをメインにした授業によって、表現力も備えることができるのです。

探究学習

次に「探究学習」について解説していきます。探究学習とは、生徒が自分で問いや課題を見つけて情報収集や情報の整理・分析、まとめを主体的におこない、独自の最適な答えを見つけ出す学習方法を指します。

情報の収集は文献からだけでなく、フィールドワークによっても収集します。したがって自然体験や就業体験、ボランティアなどの社会と関わる活動まで行います。

このように誰かと協同して課題を解決することで、多様な考え方を持つ他者と適切に関わったり、新しい価値を創造したりすることで、地域社会への参画や貢献の態度に繋がるとされています。

また探究学習に取り組んでいる学生ほど、国語や数学などの思考力を必要とする科目の学力が伸びるというデータもあります(参考:文部科学省「総合的な学習の成果と課題について」。この結果より、自ら考えて最適な解を探す活動によって思考力や表現力を伸ばすだけでなく、考え方のプロセスを学ぶこともできるので、学力も伸びるのです。

ジグソー法

最後は「ジグソー法」についてです。ジグソー法は3ステップに分かれており、2ステップまでを準備段階とし3ステップ目でジグソー活動に入ります。以下で詳しく紹介していきます。

  1. ホームグループ ー ホームグループとは学習者が所属するグループです。学習者を均等に振り分けグループを作り、課題を発表します。
  2. エキスパート活動 ー この活動ではグループ内のメンバーごとに違う学習をしてもらいます。その後、同じ内容を学んでいる他のグループの構成員同士でエキスパートグループを組み、学びを深めます。
  3. ジグソー活動 ー エキスパートグループで学習内容を理解し、最初のホームグループへ戻します。そこで最初に与えられた課題に取り組みます。課題を解決する中で、エキスパートグループで学んだ内容が必要になるので、協力・合意形成・プレゼンテーションが必然的に必要になります。

これがジグソー法の大まかな流れになります。この学習法では学習者全員が大きな責任を負い、仲間に学習してきた内容を伝えることが課題解決に必要になります。そのためグループでの課題解決力はもちろんのこと、個人の表現力や理解力を鍛えることができるのです。

より詳しい種類について気になる方は、以下の記事でご覧ください。

アクティブラーニング実践マニュアル|7つの具体的な方法をご紹介

2019.08.17

学校ではどう取り込まれているの?

ここまでアクティブラーニングについて説明してきました。では今後、教育現場ではどのように取り込まれるのでしょうか?

アクティブラーニングは教育方法によって伸びる能力が異なります。したがって科目によって導入する形態に違いがあるとされています。では以下の表で、それぞれ確認していきましょう。

科目 導入例 効果
国語・英語 グループ・ディスカッション、
ディベートなど
国語や英語などの言語科目におけるアクティブラーニングの重要性は想像しやすいかと思います。グループディスカッションやディベートなどの教育法を導入することで作品の理解を深めたり、自分の考えを表現したりすることが可能になります。
数学 グループ・ワークなど 問題の解き方を他の人に教えることで、自分の理解が深まるということは経験がある人も多いのではないでしょうか?数学では一見アクティブラーニングの効果がなさそうですが、理解を深め新たな解法を身につけるという点で非常に効果があります。
理科 フィールドワーク、
実験など
理科では実際の実験やフィールドワークを通して、生徒の好奇心を育む効果があると言われています。学習の中で発見した問題を実験で検証し、それを発表やレポートで共有することで学びを深めることができます。
社会 フィールドワーク、
グループ・ディスカッションなど
社会は暗記科目と言われますが、アクティブラーニングを取り入れることで学びが深まるとされています。フィールドワークによって遺跡や古代の生活に触れたり、グループワークで当時の人々の感情を想像したりするなど学びが広がるとされています。

このように教科ごとに合った学習法を取り入れることで、効果的に学べると共に生徒の好奇心を育む効果もあるのです。

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メリット・デメリットはどうなの?

このように様々な分野で注目されているアクティブラーニングですが、実際に教育を受けるとなると、メリットやデメリットがどんなものなのか気になりますよね!

ここからはメリットとデメリットについて紹介していきます。

メリット

これまでアクティブラーニングの意味や、注目されている背景を解説していきました。ここでメリットをまとめていきたいと思います!

  • 必要な情報を自分で選んで判断し、実際に行動する能力が身につく ー アクティブラーニングが注目されている背景でも紹介したとおり、現在は急速な情報化が進んでいます。そんな環境で生きていく上で情報を取捨選択する能力が備わっていれば、将来困らないと言えます。
  • 問題の本質を捉え、解決に向けて考える力が身につく ー 人工知能は問題を処理する存在であり、人間は人工知能を利用する上で問題を見つける必要があります。その点、アクティブラーニングを導入することで人工知能を使用する側としての能力が備わることは、大きなプラスになるでしょう。
  • 自分の考えを相手に伝えることができるようになる ー グループディスカッションをすることで、社会に出てから仕事を進める上で必要な表現力を身につけることができます。将来、人工知能の普及によって人間の仕事が代替されていったとしても、人工知能にはできない自分の感情や仕事の状況を適切に表現できる人材は重宝されるでしょう。

相手の意見を傾聴し、自分で考え、周りの人と協力する力が身につきます。特に協同の体験を通して、他者とのコミュニケーションスキルを身につけることができる。

以上のようにアクティブラーニングを導入すると、学力以外の資質の部分を伸ばすことができます。人材開発の面から見ても基礎的な能力の向上によって、日本の企業が伸びる効果があるとも言われています。

アクティブラーニングのメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

アクティブラーニングはメリットだらけ!子どもに身に付く3つの能力とは

2019.08.21

デメリット

メリットを並べると「アクティブラーニングは良いものだから教育にどんどん取り入れるべきだ」と思ってしまいますよね。しかし実はデメリットもあるのです、、、

  • 授業の進行に時間がかかる ー グループワークやディスカッションを授業に取り入れると、やはり進行に時間がかかってしまう問題が起きるとされています。
  • 評価が難しい ー テストによる評価のように客観的な数値では計れないため、学校に取りれると評価が難しい問題が起きてしまいます。
  • 受験に生かせない ー 学力よりも能力を伸ばすことに重きを置いているので、勉強に興味を持たせることはできても学力を伸ばす役目が少ないことが挙げられます。
  • 教師の教育が必要 ー 生徒の主体的な学びを促進する際に、教師の役目は大変大きいです。そのため教師の習熟度によってワークが左右されると言えます。

物事には裏表があるように、アクティブラーニングにもデメリットが存在します。メリットとデメリットの両面を知った上で、取り入れるかどうかを決めることが重要です。

まとめ

ここまでアクティブラーニングについて意味からメリット・デメリットまで解説してきました。アクティブラーニングによって今後の社会を生き抜くために必要な能力を伸ばせるということは分かっていただけたと思います。

しかしメリットばかりではなく、デメリットもあるのでご自身の目で確かめ、考えることが大切です。今回の記事が皆さんの理解に役立てたら嬉しいです!

なにか気になることや疑問点があれば、スタスタ塾コンシェルジュにご相談ください。

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スタスタ編集部

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