アクティブラーニング実践マニュアル|7つの具体的な方法をご紹介

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
キーポイント

✔バズ学習:小グループで特定のテーマについて、活発に話し合わせる学習方法

✔PBL(問題解決型学習):与えられた課題に対して、生徒自身が問題を見つけて解決する学習方法

✔フィールドワーク:実際に現地に行って人物や物を調査する学習方法

✔反転授業:自宅でインプット、授業アウトプットする学習方法

✔ジグソー法:生徒同士が教え合う学習方法

✔ワールドカフェ:リラックスした状態で特定のテーマについて話し合う学習方法

✔橋本メソッド:100人以上の大人数で議論する学習方法

アクティブラーニングにはさまざまな技法があり、子供に適したものを選ぶことが大切です。

今回は、代表的なアクティブラーニングの定義、内容、実践方法などをご紹介していきます。

本記事を読んでさらに興味を持ったかたは、その技法を実践している学習塾一覧の記事もぜひチェックしてみてください。

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アクティブラーニング実践マニュアル7選

アクティブラーニングにはさまざまな技法と実践方法があります。子供の性格や学習状況によって効果が左右されることから、それぞれに適したものを実践させるのが大切です。ここからはアクティブラーニングの技法と実践方法を余すところなくお伝えしていきます。

バズ学習

バズ学習は、小グループで特定のテーマについて討論させる学習方法です。バズ(buzz)という語は、ハチがブンブン飛ぶ様子を表し、活発的な話し合いを連想させます。その点から、名前にバズという語が含まれていると考えられます。

具体的な実践方法は下記の通りです。

  1. 6人のグループを作る
  2. 共通のテーマをもとに意見を出す
  3. さらに新しい考えをお互いから引き出す
  4. テーマに対する見解をまとめる
バズ学習のメリットは話すことで学習した内容をアウトプットできることです。一般的に、インプットするだけの学習は記憶に残りにくいです。その一方で、アウトプットはに学んだ知識を重要だと判断させるきっかけとなり、記憶の定着率を高めてくれます。

したがって、インプットに偏りがちな授業でバズ学習を取り入れる意義は大きいと結論付けられます。

ただし、いくつか留意点もあることは知っておきたいところです。課題の難易度が低いとそもそも話し合いの必要性がなくなってしまうことや、課題が不明確であるとそれぞれの理解が一致せず何を話せばよいのかわからなくなってしまうことがあります。

つまり、単に話し合わせるだけでは、適切な学習効果を引き出せないのです。そのため、バズ学習には、適切な環境を整えて実践させられる指導者の存在が不可欠といえます。そのほか、内向的な性格の生徒が参加しずらいというデメリットも忘れてはなりません。

PBL

PBLはProject Based Learningの略称で、問題解決型学習とも呼ばれています。自分で問題を見つけて解決する能力を養う学習方法です。1900年代初頭アメリカの教育学者ジョン・デューイが初めて教育現場で実践したことで知られています。

PBLの具体的な実践方法の流れは下記の通りです。

  1. テーマを決める
  2. 解決策を練る
  3. グループで話し合って調査対象を明確にする
  4. 自主学習をする
  5. 学んだ知識で問題にアプローチする
  6. 学習したことをまとめる
こうしてPBLの学習法を改めて確認すると勉強の本来の目的が分かってきます。それは、シンプルに目の前の問題を解決することです。

大人になると、仕事や生活で未知の課題と日々遭遇します。課題を解決するには必然的に知識が要求されるため、学習が余儀なくされるのはいうまでもありません。したがって、嫌でも勉強する目的がわかるのです。

一方、子供はそのような経験に乏しいことから、学校で勉強する目的を受験に合格することだと勘違いしてしまいがちです。しかし、それでは勉強に対するモチベーションは湧きづらいといえるでしょう。

その点で、PBLを早いうちから子供に実践させて、勉強がなぜ必要なのかを肌で体感させるのは、今後の学習意欲を高めるうえで効果的です。

PBLについて詳しくまとめた記事はこちらです。

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フィールドワーク

フィールドワークとは、調査対象が存在する現地に出向いて人物や物を観察して調査する学習方法です。時には、研究対象となる人々と生活や対話をするほか、インタビューなどを行うこともあります。ちなみに、フィールドワークで調査をする人々はフィールドワーカーと呼ばれます。

具体的な実践例を挙げてみましょう。例えば、商店街の人々を対象とした購買行動の観察があります。具体的には、飲食店やスーパーなどに出向いて、どのようなものが売れているのか、どれくらいの人々が店舗に訪れているのかなどについて情報収集する事例が挙げられますが、観察対象はさまざまです。

実践の際には、可能な限り写真を撮影し、それをもとにグループで情報を整理・統合して、学習を深化させるという方法も効果的だとされています。

座学では書籍や教師の言葉を頼りに情報を取得するのが基本です。しかし、百聞は一見に如かずとのことわざがある通り、現地で学習対象を目の当たりにした方が効率的な場合もあります。このことを知っている生徒と知らない生徒では学習効率に差が開くことはいうまでもありません。

したがって、子供がフィールドワークを体験したことがないのであれば、一度は経験させることをおすすめします。

反転授業

通常の授業では、授業で学んだことを家庭で復習します。その固定概念を打ち破った授業方法が反転授業です。反転授業では、まず、家庭学習に映像教材を用いて予習ます。そして、授業中に演習や意見交換を行うのが一般的です。

授業中に復習と呼べる作業を取り入れている点が、「反転」というキーワードが使われている理由だと考えられます。一般的に、学んだことに満足してしまい復習を怠る生徒は多い傾向にあります。その点で、授業で復習作業を確実に行うことは生徒の学習効果を高めるのに効果的です。

しかし、一見、理にかなったように見える反転授業は、なぜ教育現場であまり馴染みがないのでしょうか? その理由として主に二つの要因が考えられます。

まず、一つ目は子供が予習をさぼれてしまうことです。自宅学習は自己管理が要求されますが、勉強が嫌いな子供はそもそも予習を怠る可能性があります。それでは、せっかくの授業の時間が無駄になるのはいうまでもありません。したがって、保護者が教師の代わりにある程度サポートしてあげられないと反転授業は成り立たなくなってしまうと予想できます。

二つ目は映像授業を家庭で受けるために設備を整える必要があることです。インターネット回線を維持するのに固定費がかかりますし、PCやタブレット端末も決して安いものではありません。

これらの要因を踏まえると、家庭環境が異なる学校教育では実現しづらいことがわかります。一方、学習環境が整っている塾などであれば話は別です。保護者が忙しかったり、設備環境を整えられなかったりしても、通塾するだけで気軽に反転学習を取り入れられることでしょう。

ジグソー法

ジグソー法は学習者同士が教え合いながら学習を進めていく勉強スタイルです。アメリカのカリフォルニア大学サンタ・クルーズ校名誉教授エリオットアロンソンによって提唱されました。

ジグソー法が提唱された背景は、アメリカにおける人種統合にあります。白人と黒人の子供たちが学習するときに、自然と協力せざるをえない環境を作るために考案されました。

ジグソー法の具体的な実践方法も見てみましょう。

  1. 指導者が課題を設定する
  2. 受講者が思いつく答えを書く
  3. 同じ資料を読み合うグループを作る
  4. 資料に書かれた内容を話し合う(※この過程はエキスパート活動と呼ばれる)
  5. 違う資料を読んだ人を含む新しいグループに組み替える
  6. エキスパート活動で話し合ったことを含めて意見交換を行う
  7. 理解が深まった状態で再び課題の答えを追求する
  8. 答えがでたら全体で発表する
  9. 一人ひとりが発表を聞きながら互いの答えと根拠を吟味(※この過程はクロストークと呼ばれる)
  10. 再度課題に対して最終的な答えを記述する
  11. 指導者が受講者の記述内容が始めと比べて深化しているかを確認する
このように、ジグソー法は一人で学んだことを他者の視点を借りて再学習できます。それにより、自分だけではわからなかった点が解決できたり、自分が思いつかなかった解決方法に出会えたりするなど、さまざまな学習効果が期待できるでしょう。

また、そのほかにもジグソー法を取り入れるメリットがあります。家庭学習では、家族以外の生徒と交流して勉強する環境を整えることは難しく、独学が基本になってしまいがちです。

独学は自分のペースで勉強できるというメリットはあるものの、誤った学習に陥ってしまう危険性があります。客観的な意見を得られないがゆえに、そのまま誤った学習を継続してしまい、勉強時間を無駄にしてしまう生徒もいることでしょう。

他者と意見交換を基本とするジグソー法は、そのような独学のデメリットを払しょくしてくれる貴重な学習方法です。

ワールドカフェ

アクティブラーニングは複数の参加者と一緒に学習する形式が多い傾向にありますが、他者と一緒に学ぶことにストレスを感じてしまう人もいることでしょう。そんな生徒や児童でも取り組みやすいのがワールドカフェという学習スタイルです。

ワールドカフェによる学習では、リラックスした雰囲気の中で自由に対話をしながら特定のテーマについて学んでいきます

ワールドカフェという学習方法を詳しく理解するために、その目的について挙げてみましょう。

  • 自由な環境で意見を発言できるようにする
  • 新しい発見をしたい
  • 堅苦しい雰囲気を払しょくする
  • いつもと違う雰囲気で話し合いをする
  • 参加者同士の関係性を高めたい
  • 知識やアイデアを集めたい
  • 多様な価値観を知る
他のアクティブラーニングは学習効果を重視したものがたくさん見られます。一方で上記の目的を踏まえると、ワールドカフェは参加者が発言しやすい環境づくりを根本としています

実践する場合は、グループを少人数にして発言しやすいようにしたり、飲食を許可して場の雰囲気を和みやすくしたりするなど、シチュエーションに応じて工夫すると効果的です。

橋本メソッド

橋本メソッドとは100人から200人ほどの受講生で活発に議論をしあうアクティブラーニングです。競争原理とゲーム感覚を取り入れて生徒の発言欲求をうまく引き出すようにして行います。また、学びたいことを中心に学んでいくところも特徴的です。

アクティブラーニングには討論形式の学習スタイルが多く見られますが、それらと橋本メソッドの違いは何でしょうか。

まず、討議の活発さと時間の長さです。橋本メソッドでは、少人数のグループを組むのではなく、教室全体を一つのグループとします。そのため、教室のあちこちから活発に発言が飛び交うのです。また、授業の3分の2ほどを討論の時間に充てているため、討論の時間が比較的長いという点にも特徴が見られます。

そのほかの違いとして、シャトルカードを取り入れている点も挙げられます。

授業終了前の5分間で、受講生が最低50字以上の感想や疑問をカードに記録し、指導者は次回の授業開始時に返信を行うのです。それにより、活発な議論を通して学んだことをさらに深く追求できます。受講生と指導者の間をカードが往復するところにシャトルという言葉が使われる所以があるのでしょう。

通常の授業は教師による一方通行の知識伝達になりがちです。ノートの記録を取るという単調な作業に集中力が切れてしまう生徒はたくさんいることでしょう。その点、リアルタイムで討論が活発に行われる橋本メソッドは能動的な授業参加が求められます。授業を受けるのに抵抗がある生徒でも、退屈に感じることなく学習を進めていけるといえるでしょう。

まとめ

以上、代表的なアクティブラーニングについて、概要や実践方法などをお伝えしました。 アクティブラーニングにはさまざまな種類があり、それぞれに取り入れるメリットがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。さらに気になったかたはそのほかの学習方法についても調べてみるとよいでしょう。

また、さまざまな種類を知り、お子さんにどのアクティブラーニングを実践させようか迷ってしまったかたもいるかもしれません。その際は、塾コンシェルジュにぜひご相談ください。お子さんの性格や成績、学習環境に応じて、アクティブラーニングを実践している塾を紹介させていただきます。

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