総合型選抜とは?子どもに受けさせるべき?試験内容や対策方法を解説

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キーポイント

✔総合型選抜は旧AO入試に学力検査が義務づけられたもの。

✔出願から合否発表は一般的に9月から12月。

✔選抜方法は、私大は大まかに3パターン。国公立は書類審査、面接、小論文で選抜。

大学受験を考えていて「総合型選抜って何?一般選抜とはどう違うの?」「総合型選抜の対策は?」など、疑問を持っている方は多いでしょう。

2020年度から導入された総合型選抜は、一般選抜や学校推薦型選抜など他の選抜方法とは特徴が大きく異なります。

この記事では、総合型選抜の試験内容や対策方法、スケジュールなどについて解説します。この記事を読めば、受験生に合った選抜方法を選びやすくなるでしょう。

総合型選抜とは

総合型選抜は、従来のAO入試のことで、2020年度より新たな評価方法が導入されたことで誕生した入試方式です。

従来のAO入試に学力評価が義務付けられたこともあり、AO入試から総合型選抜へと名称が改められました。他の入試方式についても、以下のように名称が変わっています。

入試方法の名称変更

「一般入試」→「一般選抜」
「推薦入試」→「学校推薦型選抜」
「AO入試」→「総合型選抜」

総合型選抜は、面接や小論文、プレゼンテーションなどを行い、入学への意欲や入学後の目標、目的意識の高さなどを評価され、大学・学部にふさわしい人材かどうか判断されます。

学力試験を中心に選抜される一般選抜とは違い、意欲や志望動機、人物評価など総合的・多面的に判断するのが特徴です

総合型選抜の大半が専願で、高校の推薦がなくても出願できます。選抜方法は豊富で、対話型、実技・体験型などがあります。

旧AO入試との違い

総合型選抜は旧AO入試のことですが、これまでのAO入試とは「学力評価の義務付け」や「入試日程」に違いがあります。

それでは、総合型選抜と旧AO入試の主な違いについて見ていきましょう。

学力評価が義務付けられた

総合型選抜と旧AO入試との大きな違いは、学力評価が義務付けられたことです。旧AO入試には学力評価は義務付けられていませんでしたが、総合型選抜では、大学入学共通テストや以下のいずれかの選抜方法を活用することが必須となっています。

  • 口頭試問
  • 小論文
  • プレゼンテーション
  • 科目試験
  • 資格・検定試験
  • 実技

旧AO入試では「面接のみ」「書類選考のみ」など、学力不問な選抜方法を採用している大学もありましたが、総合型選抜では必ず学力評価の選抜が行われます

出願・合格発表時期

総合型選抜は旧AO入試よりも、出願や合格発表時期が後ろ倒しになります。総合型選抜と旧AO入試の出願・合格発表時期は以下の通りです。

総合型選抜 旧AO入試
出願時期 9月以降 8月以降
合格発表時期 11月以降 10月前が多い

このように、旧AO入試より総合型選抜の方が遅い時期に出願や合格発表を行います

一般選抜・学校推薦型選抜との違い

総合型選抜は、一般選抜や学校推薦型選抜ともいくつかの違いがあります。違いを把握しておくことで、対策など準備もしやすくなります。

ここでは、一般選抜・学校推薦型選抜との違いについて見ていきましょう。

一般選抜との違い

総合型選抜と一般選抜の主な違いは「評価対象の違い」「出願条件」「入試日程」の3つで、以下にまとめています。

総合型選抜 一般選抜
評価対象 人物評価が中心 学力評価が中心
出願条件 ・高校卒業者(見込み者)
・高校卒業と同等の学力を認められる者
・上記に加え、課外活動実績など大学ごとの独自基準を設定
・高校卒業者(見込み者)
・高校卒業と同等の学力を認められる者
入試日程 9月〜翌2月頃 1月〜3月頃

一般選抜の選抜は学力試験が中心で、出願条件は高校卒業者や見込み者、卒業同等の学力が認められている人で、入試日程は年明けです。

一方で、総合型選抜は面接や小論文、プレゼンテーションなどを通して人物評価を軸として選抜され、出願条件には大学独自の基準が設定されていることが多いです。また、入試日程は一般選抜よりも早めのスケジュールになります。

学校推薦型選抜との違い

総合型選抜と学校推薦型選抜との違いは「評価対象の違い」「高校からの推薦の有無」「選考期間」などで、以下にまとめています。

総合型選抜 学校推薦型選抜
評価対象 ・学業成績
・課外活動実績
・アドミッション・ポリシー
・学業成績
・課外活動実績
高校からの推薦 不要 必要
選考期間 期間が長め
(大学によって異なる)
1ヶ月程度
入試時期 9月〜翌2月頃
(大学によって異なる)
 11月頃

学校推薦型選抜は学業成績や課外活動実績などで評価され、出願するには高校からの推薦が必要です。出願から合格発表までは1ヶ月程度と比較的短い期間です。

一方、総合型選抜は、学業成績などに加え、大学のアドミッション・ポリシー(受け入れ方針)に基づいた学生像かどうか評価をします。選考期間は大学によって異なりますが、学校推薦型選抜より長く、面接等が複数回実施されます。高校からの推薦がなくても受験可能です。

総合型選抜(旧AO入試)の合格者は増加傾向

国立大学、公立大学、私立大学ともに、総合型選抜(旧AO入試)の合格者は増加傾向にあります。以下は、29年度〜31年度の旧AO入試による各大学の入学者数推移です。

国立 公立 私立 合計
29年度 3,249
(3.3%)
761
(2.4%)
52,020
(10.7%)
56,030
(9.1%)
30年度 3,603
(3.7%)
899
(2.8%)
55,329
(11.4%)
59,831
(9.7%)
31年度 4,016
(4.1%)
927
(2.8%)
56,184
(11.6%)
61,127
(9.9%)

※出典:文部科学省「平成31年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」
※()内は全体数に対する割合

29年度〜31年度の3年間で旧AO入試入学者数・割合は、以下のように増えています。

  • 国立大学:767人増(+0.8%)
  • 公立大学:166人増(+0.4%)
  • 私立大学:4,164人増(+0.9%)
  • 合計:5,097人増(+0.8%)

各大学で旧AO入試の採用が広がっていることがわかります。

総合型選抜のスケジュール

総合型選抜の一般的なスケジュールは以下の通りです。

時期 内容
6月頃 募集要項の配布
7月〜8月頃 願書配布
9月〜12月頃 出願/選考/合格発表/入学手続き

※私立大学の場合

総合型選抜の願書受付時期は、9月以降と決まっています。選考〜合格発表、入学手続きの時期は各大学で異なりますが、およそ12月頃までに合否がわかります。

出願までにも、5月〜8月頃にエントリー登録や面談、説明会があります。

対策はいつから始めるべきか

目標とする大学や競争倍率等でも変わりますが、総合型選抜の対策は高校2年生の夏頃から始めるのが一般的です。

オープンキャンパス参加や志望校選定、試験対策などがあるため、夏休みから始めることで多くの時間を確保できます。

ただし、あくまでも一般例であり、志望校や目的・目標が明確な場合は、対策は早いに越したことはありません。

どのような対策をすればいいのか

総合型選抜の対策として、志望大学のアドミッション・ポリシーをよく理解しておくことが大切です。

また、面接、小論文、プレゼンテーションなど学校によって選抜方法が違うため、志望校を早めに設定し効率的に対策をする必要があります。

ここでは、私立大学・国公立大学それぞれの特に重要な対策内容について、解説します。

私立大学

私立大学の総合型選抜は、選抜方法が豊富で大学によって大きく異なります。主な選抜方法のパターンは以下の3つです。

  • 選抜型:志望理由書などの書類選考、小論文、レポート、面接など
  • 対話型:人物評価重視で面接やディスカッションを複数回実施
  • 実技・体験型:セミナーや模擬授業に参加してレポートや課題を提出

志望校のアドミッション・ポリシーや学部・学科の特徴をよく確認し、選抜方法に合った対策を行うことが大切です。

主な対策内容
選抜型 国公立大学の欄を参照
対話型 面接
ディスカッション ・自分の意見を裏付ける根拠を提示する
・他の受験者と意見を対立させるのはNG
・自分ばかりが話しすぎないように注意する
・他者の意見を聞きながら、その意見に対する自分の考えをもつ練習
実技
・体験型
レポート ・セミナーなどに参加した際にメモをとる
・レポートの形式を確認する
・課題分を読み、レポートの趣旨を意識する
・自分の学んだことや感じたことなど、経験と自分を結びつける
*他の人に添削してもらうことで精度を上げる
課題 ・課題に求められている意図をくみ取る

ただし、難関大学の場合は国公立大学と同じように、書類選考や小論文、面接、加えてレポート提出などが課されます。難関私立大学を受験する場合は、下記の国公立大学と同じ対策に力を入れるようにしましょう。

国公立大学

国公立大学の総合型選抜は、書類審査、面接、小論文で選抜するのが一般的です。なかには、プレゼンテーションの実施やセミナーのレポート提出、共通テストを課す大学もあります。

そのため、以下の内容は必ず押さえておきましょう。

  主な対策内容
書類 エントリーシート
志望理由書
・自分の特性などを理解する
・自分の特徴と志望大学や志望学部の特性を関連づける
・入学後のビジョンを設定する
・他の試験で答える内容と矛盾が起きないように確認する
・添削してもらい他者からの見え方を意識する
*客観的な視線で添削をしてもらうことで精度を上げることが可能
レポート ・レポートの書き方を学ぶ
・自分の意見を持てるように多角的な知識を入れておく
・語彙を増やし、スムーズに課題を理解できるように準備する
・難しい言葉を無理に使わずに簡単な言葉に言い換える練習
・自分でテーマを選定する場合もあるが、書きやすい内容ではなく興味のある内容を選ぶようにする
面接

・自己分析を行う
・結論を先に述べる
・志望動機、自己PRの説明
・身だしなみや姿勢
・アドミッション・ポリシーに合った回答
・明るく元気よく話す
・事前に提出した資料と矛盾のないように話す
・高校時代の校風や理念などが自分に与えた影響を準備する
・オープンキャンパスに参加して感じたことなどをメモしておく
・興味のある講座や教授の名前を覚えておく
・学長・学部長の名前などを確認しておく
・何度も練習をして暗記ではなくスラスラ答えられるように準備する
*事前に練習を行いアドバイスをもらうことで精度を上げる
小論文

・課題分や問題も趣旨をくみ取る練習
・序論・本論・結論などの段落構成
・表記面のルール
・要約の仕方
・ニュース等を見て時事問題の把握
・感情的にならず論理的に話を進める練習

上記のように、書類、面接、小論文対策には特に力を入れましょう。

しかし対策内容が多すぎて不安に思う方も多いと思います。

以下の塾のように、AO対策もしてくれる塾で添削などをしてもらうことで万全の対策ができるでしょう。

まとめ

この記事では、総合型選抜の試験内容や対策方法、スケジュールなどについて解説しました。最後に大事なポイント4点をおさらいします。

  • 総合型選抜は旧AO入試に学力評価が義務付けられた
  • 学力評価も行うが人物評価を重視している
  • 各大学でアドミッション・ポリシー(受け入れ方針)や選考方法は異なる
  • 高校2年生の夏頃から対策を始めるのが一般的

選考方法を決める際、ここで紹介した内容も参考にしてみてください。そして、志望校が明確な方は、早速、受験対策を始めていきましょう。

本記事が、今後の進路のお役に立てれば幸いです。

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