公立中高一貫校のメリット・デメリットは?|私国立中学との違い

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。

 

キーポイント

公立中高一貫校は学費が安い上に本質的な教育を受けられる

✔費用は6年間で350万円〜390万円。私立一貫校の半分以下

✔倍率が高いため、早めの準備や他の選択肢も考える

「学費が安く質の高い教育を受けられる公立中高一貫校を希望している。でも、公立中高一貫校って本当にいいの?試験を受けたら合格する?」

公立中高一貫校(都立中高一貫校)について、このような疑問をお持ちではないでしょうか。学費が安い上に本質的な教育を受けられる学校として、多くの注目を集めている公立中高一貫校(都立中高一貫校)。

今回はその公立中高一貫校(都立中高一貫校)の学費や試験倍率、メリット・デメリットなどについて紹介していきます。

中高一貫校とは?

中高一貫校とは、中学校・高校の6年間の中等教育を一貫して学べる学校のことです。1999年に学校教育法が改正され、全国に誕生しました。中高一貫校は、次の3種類に分かれています。

  • 中等教育学校
  • 併設型
  • 連携型

中等教育学校は、中学校・高校の6年間を同じ学校で一貫して学ぶ形態です。同じ環境で学び続けることができ、中高一貫校の代表的なスタイルになります。

併設型は、県や市など設置者が同じ中学校と高校を接続した形態です。多くの場合は、同敷地内に中学校と高校が隣接されています。高校へは無試験で進学することが可能です。

連携型は、同地域や周辺地域などの中学校と高校が連携している形態のことです。中学校に高校の先生が授業を教えに行くこともあります。地域や学校にもよりますが、高校へは無試験で進学できる場合もあります。

東京都内の公立中高一貫校は、中等教育学校が6校、併設型が5校の計11校です。文部科学省が2017年に公表した「高等学校教育の改革に関する推進状況について」によると、全国の中高一貫校の設置数は2014年に450校だったのが、2017年には595校まで増えています。

各タイプの設置数は次のとおりです。

中高一貫校 併設型 連携型
公立 31 87 80 198
私立 17 373 2 392
国立 4 1 0 5
52 461 82 595

出典:文部科学省 「高等学校教育の改革に関する推進状況について」

中学受験をするなら?

公立中高一貫校や国立中学、私立中学など、進学先によって学習環境や目指せる進路が変わってきます。お子様に合った学校選びをするためにも、それぞれの特徴や違いを知っておくことが大事です。

ここでは、公立中高一貫校、国立中学、私立中学の特徴について見ていきましょう。

学費 通塾期間の目安 テスト内容
公立中高一貫校 約60万円/年 1年間 適性検査・作文
私立 約150万円/年 3年間 4教科のテスト
国立 約50万円/年 3年間

※学校による違い、個人差はあります。国立中学では、別途寄付金を払う場合もあるようです。

公立中高一貫校

公立中高一貫校であれば、中学校〜高校までの6年間、長期的な計画で継続的に学習することができます。6年間を「基礎力養成期」「充実期」「発展期」の3つに区切り、各段階の目的を明確にして生徒の育成を図ります。

一般的な公立校とは違って、自由に教育課程を編成できるのが公立中高一貫校の特徴であり、選択教科を幅広く導入することが可能です。中学入学時は試験がありますが、高校には無試験進級できます。都内には小石川中学校、立川国際中学校、桜修館中学校などの公立中高一貫校があります。

国立中学

国立大学の附属中学校が国立中学校になります。国立大学が附属中学校を設置する主な理由は、次の3点です。

  • 大学の新しい教育法を実現するモデル校として
  • 教育実習生の受け入れ先として
  • 不登校等の教育課題を解決・研究するため

このような用途・研究を目的として、国立中学校は誕生します。東京都には国立中学が8校あり、中高一貫校、小中高一貫校、一貫校でない中学と学校によって制度が違います。具体的には、東京大学教育学部附属中等教育学校や東京学芸大学附属竹早中学校、筑波大学附属駒場中学校などがあります。

ちなみに、「東京大学」などの大学名がついていますが、無条件で高校から大学まで進学ができるわけではありません。

私立中学

私立中学は、公立中学にはない特色あるカリキュラムやサポートが特徴です。

中高一貫校が多いので、英語に力を入れていたり、部活や行事が盛んだったり、キリスト教の学校だったりと学校ごとに特色があります。

よって私立中学は独自の取り組みで、生徒の個性を伸ばすことに力を入れているのが魅力でしょう。

公立中高一貫校のメリット

ここでは、以下3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

  • 学費が安い
  • 本質的な教育を受けられる
  • 部活に打ち込める

それでは、1つずつ紹介していきます。

学費が安い

公立中高一貫校のメリットとなるのが、学費が安いことです。私立と比べると、半分以下の費用で済む可能性があります。ベネッセによると、公立(都立)中高一貫校の6年間の費用は354万円〜390万円ですが、私立は780万円〜1,080万円です。

公立(都立)中高一貫校 費用
学校教育費 25万円〜30万円
学校給食費 4万円〜5万円
学校外活動費 30万円
1年間合計 59万円〜65万円程度
6年間合計 350万円〜390万円程度
私立中高一貫校 費用
学校教育費 100万円〜150万円
学校給食費 -万円
学校外活動費 30万円
1年間合計 130万円〜180万円程度
6年間合計 780万円〜1,080万円程度

出典:ベネッセ『中高一貫校に通わせたい 6年間にかかる費用とそのリアル』

※「学校教育費」は授業料、修学旅行費、学用品費など
※「学校給食費」は給食費
※「学校外活動費」は塾費や習い事費用など

私立の場合は弁当持参が多いため、給食費はかからない学校がほとんどです。しかし、授業料や寄付金などの費用が高いため、6年間で1,000万円を超える場合もあります。

本質的な教育を受けられる

中高一貫校に進学をするメリットとなるのが、本質的な教育を受けられることです。

中高一貫校は、6年間、長期的な計画の中で腰を据えて勉強ができます。独自のカリキュラムで授業進度も早く、大学進学の準備がいち早くできます。高校への試験勉強時間がないため、その時間を別の教育に充てることができる環境です。子供が多様な時期に一貫した環境で学習でき、本質的な教育を受けられるため、大学進学実績も高い学校が多いです。高いレベルの中で勉強に集中することができます。

部活に打ち込める

部活に打ち込めるのも中高一貫校のメリットです。ほとんどの中高一貫校では、公立中学と違って高校へ進学時の試験がないため、試験対策に時間を取られて部活時間が削られる心配がありません。環境の変化に気を取られることもなく、慣れ親しんだ環境の中で部活に打ち込めます。

公立中高一貫校のデメリット

公立中高一貫校は、学費が安く本質的な教育を受けられるなどのメリットがある一方で、デメリットもあります。

以下は、中高一貫校の3つのデメリットになります。

  • 中だるみに注意
  • 環境が変わらない
  • 合格が難しい

1つずつ、確認していきましょう。

中だるみに注意

中高一貫校のデメリットの1つが、中だるみしやすいことです。

中高一貫校は高校試験がないので、緊張感が失われ、本来の目的を忘れてしまう生徒がいます。また、授業進度が早いため、ついていけないことで集中力を失くすケースもあります。

中だるみ期間が長引いてしまうと、その後の進路にも影響を与える可能性があるため注意が必要です。中高一貫校ならではのシステムがデメリットにもなり得ることを理解しておきましょう。

環境が変わらない

6年間環境が変わらないことも、中高一貫校のデメリットになります。お子様の多様な時期に環境が変わらないことが、裏目に出るケースもあります。

環境に変化がないことで、悪い意味で慣れが生じてしまい、目的を見失ってしまうのです。慣れから惰性になり、成長スピードが遅くなってしまう可能性があります。

また、人間関係が固定されやすく視野が狭まってしまうことも考えられるため、それによって悪影響が出ないように注意が必要です。

合格が難しい

公立中高一貫校は合格が難しい点がデメリットです。なぜなら日程の都合上、公立中高一貫校は1校しか受検できない上に、学校数がそれほど多くありません。したがって、受検倍率が非常に高くなります。

以下は、2019年度都立中高一貫校の最終応募倍率です。

学校名 一般枠募集倍率
小石川中等教育 6.66倍
白鴎高等学校附属 7.17倍
両国高等学校附属 6.77倍
桜修館中等教育 6.10倍
富士高等学校附属 4.77倍
大泉高等学校附属 6.41倍
南多摩中等教育 5.68倍
立川国際中等教育 4.68倍
武蔵高等学校附属 4.94倍
三鷹中等教育 6.74倍

出典:東京都教育委員会「平成31年度東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定応募状況(一般枠募集及び特別枠募集)

このように倍率は4倍〜7倍程度あり、非常に狭き門になります。そのため、公立中高一貫校だけを受検するのではなく、多くの生徒が私立を併願しています。また受検の結果、地元の中学校へ進学する生徒も少なくありません。

また、東京の主な私立・国立中学校の2019年度入試倍率は、次のとおりです。

学校名 倍率(男) 倍率(女)
【国立】お茶の水女子大学附属 1.4倍 6.1倍
【国立】筑波大学附属 5.1倍 4.8倍
【国立】東京大学教育学部附属(一般) 6.3倍 5.8倍
【国立】東京学芸大附属世田谷 2.6倍 2.9倍
【国立】筑波大学附属駒場 1次(抽選)1.0倍
2次(筆記)4.8倍
【私立】青山学院中等部 3.3倍 5.4倍
【私立】成蹊中学 ①2.7倍 ②3.8倍 ①2.9倍 ②4.7倍
【私立】成城学園中学 ①3.4倍 ②8.2倍 ①4.6倍 ②7.5倍
【私立】慶應義塾中等部 2.5倍 2.9倍
【私立】中央大学附属 ①3.1倍 ②4.0倍 ①4.2倍 ②7.2倍

出典:市進「東京都 国立・公立中学 2020年入試状況速報」「東京都 主要私立中学(共学校) 2020年入試状況速報

このように公立中高一貫校の方が、人気・有名私国立中学よりも高い倍率となっています。公立中高一貫校は合格が難しいことを理解した上で、いろいろな選択肢を考えておくことが重要です。

中学受験の実態

ここでは、公立中高一貫校の入試内容や受検費用について紹介しています。

公立中高一貫校の入試

公立中高一貫校の入試は、適性検査や作文、面接が一般的です。適性検査とは、教科別の学力試験とは違い、教科横断の総合的な内容で、受検者の考える力を試すものです。

たとえば、小石川中等教育学校の適性検査では、「洋服の繊維の種類によって、布に折り目のつけやすさが違うのはなぜか?」について、繊維の特徴の違いに触れながら回答する問題が出題されています。

また、作文は課題について自身の経験や知識をもとに400字程度の文章を作成します。面接は、学校によって形式(個人、集団)が異なります。適性検査や作文、面接があるため、普段から身近な問題や社会的な出来事に関心を抱くこと、そして過去問を解き傾向を掴むことが大事です。

したがって、覚えるのは苦手でも発想力や記述力があるお子様に有利であるということが言えるでしょう。

私立・国立も同時に対策できる?

私立・国立の勉強によっていろんな知識を身に着けられるため、それが公立中高一貫校の入試に役立つことはあるでしょう。

また私立や国立中学でも、公立中高一貫校のように適性検査を実施する学校が増えています。そのため、公立中高一貫校の試験対策も、私立・国立中学の試験対策にもつながる可能性があります。

よって、私立・国立中学校も同時に試験対策を進めることは可能です。

受験費用

中学校の受験費用は、学校で異なります。公立中高一貫校は2,200円、国立は5,000円が一般的です。私立に関しては、学校により異なり2万円前後になります。

公立中高一貫校 2,200円
国立 5,000円
私立 学校によって異なる
※開成中学校は25,000円

併願など複数回受験をすることも考慮し、受験費用を用意しておく必要があります。また、中学受験のために通塾する場合は、以下の費用がかかります。

入塾金 2万円〜5万円程度
授業料 月額1万円〜5万円程度
教材費 1万5,000円〜2万円程度
春期講習・夏期講習・冬期講習費 春期講習:3万円〜7万円程度
夏期講習:16万円〜19万円程度
冬期講習:5万円〜10万円
正月講習:2万円〜6万円程度
模試
1回あたり1万円〜2万円程度

出典:スタスタ「中学受験にかかる小学生の塾費用は?私立中学にかかる費用まで徹底解説」
受験費用だけでなく、塾費用などトータルで考えておく必要があります。

結局、公立中高一貫校は受験すべき?

以上のことより、中高一貫校は次のようなお子様にオススメと言えるでしょう。

  • 環境を変えず勉強や部活に打ち込みたい
  • 幅広い内容を学習したい
  • 高校受験よりも先の進路へ向けて動き出したい
  • 公立中高一貫校へ進学する明確な目的がある

ただし、高校受験がなく緊張感が失われやすいため、目標を見失わないように、保護者様のフォローが大切になります。

公立中高一貫校は私立中学よりもお金をかけずに、公立中学校よりも恵まれた環境で過ごせるので、とても魅力的な進路です。しかし、ご本人の意思や意欲があってこそなので、お子様と一緒に受検するかどうかを決めることが大切です。

公立中高一貫校受検におすすめの塾

上述したように適性検査という独特な試験方法が採用されているため、公立中高一貫校に合格した生徒の多くは塾へ通っています。ここからは東京都・神奈川県・オンラインで公立中高一貫対策を行うおすすめの塾を紹介していきます。

東京都

合格実績を見た場合、東京都の公立中高一貫校受検では「ena」の一強状態が続いています。2020年度入試では、全ての公立中高一貫校でenaが最多の合格者を輩出しました。

そのため都内の公立中高一貫校を第一志望にして受検する場合、まずenaを選択肢の一つに入れておいて間違いないでしょう。

その他の都立中高一貫校に強い塾が気になる方は、以下の記事をご確認ください。

神奈川県

神奈川県内の公立中高一貫校への塾別合格実績は以下の通りです。

合格実績のみで考えた場合、各学校に対するおすすめの塾は以下のようになります。

志望校別のおすすめ塾一覧

各塾をより詳しく合格実績で分析した記事はこちらから

ただし、もちろん合格実績が全てではありません。それぞれの塾が各学校へ一定数以上の合格者を輩出していることから、各塾の指導力は保証されていると言えるでしょう。気になるところがあれば、体験授業や教室見学に行って、お子様の性格や雰囲気と合うかをしっかり確認するのが大切です。

オンライン・通信

Z会の通信教育

Z会の通信教育では、小学生向けコースで公立中高一貫校対策を行っています。

Z会は元々記述問題の多い東大受験に強い塾であったため、添削指導が最大の魅力です。通信教育ですが担任指導者制を採用しており、生徒の学習状況を把握した丁寧な添削指導を可能にしています。

このような指導により2020年度入試では、関東地方にある34校の公立中高一貫校へ、計689名の合格者を輩出しました。

e点ネット塾Plus+

e点ネット塾Plus+では以下3つの教材・指導を利用して対策を進めて行くことになります。

  • いつでもどこでも受けられる映像授業
  • 公立中高一貫に特化したオリジナルテキスト
  • 作文・文章添削サービス

特に作文については、答えが明確ではないため、ご家庭で教えるのは非常に難しいですよね。e点ネット塾Plusでは追加料金一切なしで、お子様が書いた作文を校正・添削してもらえるのは、非常に魅力的なのではないでしょうか。

まとめ

今回は、公立中高一貫校の学費や試験倍率、メリット・デメリットなどについて紹介いたしました。公立中高一貫校は、中だるみや入試倍率が高いなどの懸念点はありますが、安い学費で質の高い教育を受けられる魅力的な学校です。

受験対策は通信でも可能であるので、お子様に合った学習方法で是非合格を目指してください。

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