【ケンブリッジ国際児童英検編】小学生におすすめの英語検定の特徴を解説

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
キーポイント

✔️ケンブリッジ国際児童英検は、子ども向けのケンブリッジ英語検定。

✔️幼児・小学生・中学生と3つのグレードに分かれている。

✔️試験結果でその後の英語学習をどう進めていけばよいかわかる。

将来的に大学入試へ英語民間試験の導入が決まり、英語教育がますます重視されてきています。そのためお子様に早くから、英語のスキルを身に付けさせたいと考える保護者の方も多いでしょう。

そこで今回は、小学生を対象にした英語の習熟度をはかるテストである「ケンブリッジ国際児童英検」についてご紹介します。

新学習指導要領

既に小学校の5~6年生では「外国語活動」という名称で英語に触れる授業が行われてきました。2020年度から実施される新学習指導要領では「外国語」という名称になり、国語や算数と並ぶ科目として週2コマを目安に授業が行われるようになります。

3~4年生では週1コマを目安に「外国語活動」が加わり、5年生から始まる本格的な授業に備えて英語に触れていく機会を増やしていくことが決まりました。

新学習指導要領の英語授業時間は、実施以前に比べておよそ3倍にもなります。今後は大学の入試改革も控えており、ますます英語教育の重要性が高まっていくでしょう。

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ケンブリッジ英語検定とは

ケンブリッジ英語検定は、コミュニケーションツールとして実践的な場面で英語をどのように使えるか、という観点から4つの技能(読む、聞く、書く、話す)について適正な評価を行っており、実用性のある検定試験として高い評価を受けています。
検定を主宰する「ケンブリッジ大学英語検定機構」では生涯に渡る英語の実践力向上の支援をスタンスとしており、初級者~上級者まで習熟度別の試験が用意されています。

この検定試験は世界大学ランキングのTOP100にランクインするほぼ全ての大学と大学院から認定されているだけでなく、言語能力を評価する国際指標のCEFR(ヨーロッパ共通参照枠)に完全準拠している点が特徴です。同機構はCEFRの開発に携わっており、出題内容もCEFRを具現化した整合性の高いものとなっています。

インプット(読み、書き)とアウトプット(書く、話す)の手段として英語を使えるようなることを念頭にした出題方式になっており、今後展開される新学習指導要領と多くの点において関連性を持っていることから、学生の英語学習の成果を測る手段としてスタンダードな試験になるでしょう。

【ケンブリッジ英語検定編】入試英語に資格・検定が使える?|英語4技能

ケンブリッジ国際児童英検とは

子どもの英語の実力を測る試験として、日本において有名なものと言えば「英検」です。
一方、世界基準で有名なのが「ケンブリッジ国際児童英検(略称:YLE)」という検定試験で、日常生活で必要な英語の運用能力を養うために、およそ130の国々で年間500万人が受験しています。

この検定試験はケンブリッジ大学英語検定機構により開発され、CEFRに準拠するなど「ケンブリッジ英検」に繋がる内容になっているため、後に「ケンブリッジ英検」の受験を考えている場合のファーストステップとしておすすめです。

受験対象は、幼児・小学生・中学生の3つに分かれており、それぞれに合わせて3つのグレード(スターターズ、ムーバーズ、フライヤーズ)の試験が用意されています。
試験は3つの観点(リスニング、リーディング&ライティング、スピーキング)から行われ、それぞれの最高得点が5点の合計15点満点で評価します。

合計10点以上が次のグレードに進む際の目安とされています。そのため一度受けてしまえば、試験結果がその後の英語学習をどう進めていけばよいかの指標もできるでしょう。

ケンブリッジ国際児童英検の3種類のテスト

スターターズ

CEFRでは「Pre A1」のレベルに該当し、英検では4級程度にあたるイメージです。
スピーキングの試験の際は試験官と1対1の状況で面接を行います。
このグレードで必要とされるのは、見せられた絵に対してバラバラになっている文字選び変えて適切な単語を完成させる能力です。

問題構成は以下の通りです。

試験対象となるスキル パート 試験内容 回答方法
リスニング 1 指示に従って、絵の周辺に描かれたものと絵の中の場所を結び付ける。 両者を線で繋げる。
2 自身や動物についての質問 自分の名前や数を書く。
3 物語の内容と一致するイラストを選ぶ。 ボックスにチェックを入れる。
4 指示に従い色を塗る。 色鉛筆で絵の中の物を塗る。
リーディング&ライティング 1 絵と隣の単語の組み合わせが合っているかを答える。 ボックスにチェックかXを入れる。
2 絵とその説明文が合っているかを答える。 YESもしくはNOを書く。
3 絵が表す物を与えられた文字を並べ替えて答える。 綴りを書く。
4 短い文の空欄に適切な語を入れる。 単語を書き写す。
5 絵が表す物語についての質問に答える。 単語や数字を書く。
スピーキング 1 指示された物を絵の中から選び出す。 指を差す。
2 前置詞を理解し、複数の絵カードの中から正しい物を選ぶ。 絵カードを置く。
3 大きな絵のついての質問に端的に答える。 物の色、名称、数を答える。
4 物についての質問に端的に答える。 物の色、名称、数を答える。
5 自身についての質問に答える。 簡潔に答える。

※ケンブリッジ大学英語検定機構『ケンブリッジ国際児童英検 (YLE)受験者・保護者のための受験ガイド』を基に作成

ムーバーズ

CEFRでは『A1』のレベルに該当し、英検では3級程度にあたるイメージです。
全ての問題において、スターターズよりも試験時間が長くなっています。
このグレードでは、以下の3つの能力が必要です。

  • 動詞の過去形を使える
  • 絵を見て何が起こっているか説明できる
  • 2つの絵の異なる点について説明できる

問題構成は以下の通りです。

試験対象となるスキル パート 試験内容 回答方法
リスニング 1 お話を聞いて絵の周辺に書かれた物の名前と対応する絵の登場人物を繋ぎ合わせる。 両者を線で繋げる。
2 パーティーや旅行などについての質問に答える。 単語や数字を書く。
3 お話の中の曜日と対応する活動内容を繋ぎ合わせる。 両者を線で繋げる。
4 説明された内容と一致する絵を選ぶ。 ボックスにチェックを入れる。
5 指示内容に合うように色を塗ったり絵を描いたりする。 絵の中の物に色を塗る。指示された物を書き込む。
リーディング&ライティング 1 絵や単語に一致する文章を合わせる。 単語を書き写す。
2 絵とその説明文が合っているかを答える。 YESもしくはNOを書く。
3 質問に対する正しい答えを選択する。 文字に〇をつける。
4 短い物語の空欄に適した単語や絵を選択し、物語にタイトルを付ける。 単語を書き写し、ボックスにチェックを入れる。
5 物語を読んで、その中から適語を抜き出し文章を完成させる。 1つ~3つの単語を書き写す。
6 選択肢の中から短文の空欄に適するものを選ぶ。 単語を書き写す。
スピーキング 1 2枚の絵を見比べて違い(場所、色、数など)を見つける。 違う点を回答する。
2 4枚構成のお話を見て、その内容を説明する。 短い文章で回答する。
3 4枚の絵の中から仲間外れの絵を1枚見つける。 どの点が他と異なるか回答する。
4 自身の質問について答える。 端的に回答する。

※ケンブリッジ大学英語検定機構『ケンブリッジ国際児童英検 (YLE)受験者・保護者のための受験ガイド』を基に作成

フライヤーズ

CEFRでは『A2』のレベルに該当し、英検では準2級程度にあたるイメージです。
リスニング以外の試験時間が長くなっている点がムーバーズと異なります。
このグレードでは、以下の4つの能力が必要となります。

  • 動詞の過去形を使える
  • 絵を見て何が起こっているか説明できる
  • 2つの絵の異なる点について説明できる
  • 過去進行形や未来形を使える

問題構成は以下の通りです。

試験対象となるスキル パート 試験内容 回答方法
リスニング 1 お話を聞いて絵の周辺に書かれた物の名前と対応する絵の登場人物を繋ぎ合わせる。 両者を線で繋げる。
2 場所や旅行などについての質問に答える。 単語や数字を書く。
3 人や物が描かれた絵と関連のある絵を選択する。 ボックスの中にアルファベットで答えを書く。
4 説明された内容と一致する絵を選ぶ。 ボックスにチェックを入れる。
5 指示内容に合うように色を塗ったり絵や文字を書き込んだりする。 絵の中の物に色を塗る。指示された物を書き込む。
リーディング&ライティング 1 単語とその内容を表す文章を合わせる。 単語を書き写す。
2 絵とその説明文が合っているかを答える。 YESもしくはNOを書く。
3 会話の中で抜けている箇所に適切な文章を選択肢の中から選ぶ。 文字を書く。
4 短い物語の空欄に適した単語を選択し、物語にタイトルを付ける。 単語を書き写し、ボックスにチェックを入れる。
5 物語を読んで、その中から適語を抜き出し文章を完成させる。 1つ~4つの単語を書き写す。
6 選択肢の中から短文の空欄に適するものを選ぶ。 単語を書き写す。
7 空欄に適切な単語を書き込み、日記などを完成させる。 自身で考えた単語を書く。
スピーキング 1 2枚の絵を見比べて違い(行動、場所、色、数など)を見つける。 違う点を回答する。
2 類似した2つの状況について質問し、相手からの質問に答える。 質問したり回答したりする。
3 5枚構成の絵を見て、その内容を説明する。 文章で回答する。
4 自身の質問について答える。 端的に回答する。

※ケンブリッジ大学英語検定機構『ケンブリッジ国際児童英検 (YLE)受験者・保護者のための受験ガイド』を基に作成

何が違うの?

3つのグレードの違いについて以下にまとめました。
グレードが上がるにつれて試験時間(特にリーディング&ライティングやスピーキング)が長くなり、より集中力が必要とされてきます。
アウトプットを重視した学習を意識することを心がけましょう。

スターターズ ムーバーズ フライヤーズ
対象 幼児 小学生 中学生
受験料 5,250円 5,775円 6,300円
CEFR Pre A1 A1 A2
英検(目安) 4級程度 3級程度 準2級程度
試験時間 45分 65分 75分
リスニング 20分(パート数:4) 25分(パート数:5) 25分(パート数:5)
リーディング&ライティング 20分(パート数:5) 30分(パート数:6) 40分(パート数:7)
スピーキング 3~5分(パート数:5) 5~7分(パート数:4) 7~9分(パート数:4)

成績証明書

YLEは合否を判定するものではなく、受験者全員に成績証明書を授与することになっています。
証明書では3つのスキル(リスニング、リーディング&ライティング、スピーキング)それぞれについて、ケンブリッジの紋章(シールド)の数で達成度を表示しています。

各スキルの最高得点は5となっており、次のグレードに進むための最低限の力が身についているという目安として、全スキルの合計得点が10以上になることが指標になっています。
証明書は受験後3~4週間後に届くようになっていますが、詳細は受験した際の試験センターまでお問い合わせ下さい。

習熟度に合わせた様々なテスト

あらゆる習熟度に応じてステージが用意されているケンブリッジ英検においてYLEは最初のステップであり、より高度な英語運用能力を身に付けるためにも学習を継続的に進めていくことが重要となります。

YLEの次のステップであるKETは、CEFRレベルがフライヤーズと同じA2に設定されているものの、中高生を対象にした内容となっているため記述量が若干多くなっているなどの相違点があります。
その後は以下のようにステップが進み、最終的には英語力の証明として最高峰レベルのプロフィシエンシーが用意されています。

  1. キー・フォー・スクールズ(KET)
  2. プレミナリー・フォー・スクールズ(PET)
  3. ファースト・フォー・スクールズ(FCE)
  4. アドバンスト(CAE)
  5. プロフィシエンシー(CPE)

まとめ

英語を話すだけでなく英語を使って何かを学ぶ能力というのが、今後ますます必要となる時代が迫ってきています。
ケンブリッジ英検は英語を母語としない児童がネイティブに近いレベルになるための教育カリキュラムに沿って作成されており、その内容は子ども心を研究しつくした楽しいものとなっています。
早いうちから楽しみながら取り組むことで、自然と英語を使いこなす能力を磨いていってみてはいかがでしょうか。

なにか気になることがあればコンシェルジュにご相談ください。

参照:
ケンブリッジ大学英語検定機構
ケンブリッジ大学英語検定機構『ケンブリッジ国際児童英検 (YLE)受験者・保護者のための受験ガイド
ケンブリッジ大学英語検定機構西日本試験センター JP176『ケンブリッジヤングラーナーズ英語検定 (YLE)

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