【まとめ】高校生向けeポートフォリオのサービス一覧|大学入試にも活用!

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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
キーポイント

✔️eポートフォリオとは、日々の学習記録を電子化したもの。
✔️大学入試の評価方法に1つとして導入が検討されている。
✔️高校生向けeポートフォリオを4つ紹介。

近年大学入試に利用され始めているeポートフォリオは、高校で導入されるなどますます身近な存在になってきました。大学入試のことを考えると、受験する高校が導入しているeポートフォリオの種類についても確認したほうがよいでしょう。そこで今回は、高校への導入が進んでいるeポートフォリオサービスをご紹介します。

eポートフォリオとは

eポートフォリオの利便性が注目されるようになりました。学習効果を高めるだけでなく、学習過程を共有できる点が優れています。しかし、興味はあるけれど、まだ利用したことがない人もいることでしょう。早速、eポートフォリオの概要を説明していきます。

ポートフォリオとの違い

ポートフォリオとは、書類入れや折かばんなど、書類を管理するものをいいます。一方、eポートフォリオ(electronic portfolio)は、日々の学習活動の記録を電子化したものです。データベースを活用して、提出したレポートや、教員からのコメント、課外活動の様子などさまざまな内容を一括で管理できます。

学習記録を紙媒体でファイリングして管理すると、量が多くなるにつれてスペースを必要とするほか、必要なものを探すのに時間が掛かりがちです。その点、学習記録を電子化したeポートフォリオは、スマートフォンやPCがあれば利用可能で、検索も関連ワードを打ち込むだけで済みます。

eポートフォリオを使うメリット

学習した記録を残すことにより、生徒が学習内容を効率的に振り返ることができます。より効果的な学習方法を検討したり、学習した内容を記憶に定着させたりするのに役立つといえるでしょう。

また、クラウド上に保存することで、保護者や教員も生徒の学習内容を共有できます。教員が生徒に学習のアドバイスをする際に活用したり、三者面談の資料として使ったりすることも可能です。

大学入試における役割

従来のペーパーテストでは受験者の知識を試すことはできても、学習意欲や、他者とのコミュニケーション力、興味を持っていることなど、そのほかの特性を把握することはできません

eポートフォリオには日ごろの学習過程がありのままに記録されるため、ペーパーテストでは読み取れないような主体性・協調性・多様性に関する情報を第三者が確認するのに役立ちます。

その点で、今後の大学入試改革の一環として、入試の評価方法の一つにeポートフォリオの導入が検討されています。それを受けて、すでにeポートフォリオを導入している高校の数も増加傾向です。

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高校生向けのeポートフォリオサービス一覧

eポートフォリオサービスの概要をお伝えしたところで、実際にどのようなサービスがあるのか気になった人もいることでしょう。今回は、文部科学省が推進している「JAPAN e-Portfolio」、海外の名門大学で活用されている「Feelnote」、学習サポート機能を搭載している「Classi ポートフォリオ」、授業の効率化に役立つ「Pholly」の4つを紹介します。

JAPAN e-Portfolio

文部科学省によって運営を許可された一般社団法人教育情報管理機構が提供するeポートフォリオサービスの一つです。

2017年に開発され、3月末には全国の高校約3,300校と約19万7千人の生徒が参加しています。群馬大をはじめ同志社大や大阪教育大など11校の大学で入試の合格判定に活用されたことも興味深い事実です。

JAPAN e-Portfolioは、高校生活の授業、行事、部活動、課外活動、取得資格などの成果をまとめて記録可能で、生徒と教員のそれぞれが利用できます。

高校生は、登録した内容をカテゴリや月ごとに分類して振り返ることができます。大学入試などで個別に大学へ提出することも可能です。

教員は生徒の学習した内容を確認して面談や年度末の指導に活用できます。また、生徒の活動を確認するとともに承認する機能が備わっています。教員が承認をすることで生徒が大学に学習内容を提出できる仕組みです。

ただ、JAPAN e-Portfolioが大学入試で活用される環境は十分に整っているとはいえません。実際に、JAPAN e-Portfolioに参加している113におよぶ大学が参考データとして利用するにとどめる方針を取っています。

しかし、文部科学省が推進しているサービスであることから、他のポートフォリオサービスの中でも今後の大学入試で活用される可能性が高いと考えられます。したがって、今後の動向について注目すべきポートフォリオサービスといえるでしょう。

Feelnote

FeelnoteはSNS型のポートフォリオ作成サービスです。主に学習内容の記録他者とのコミュニケーションポートフォリオ作成の3つの機能に分かれています。

学習した内容はライフログとして記録可能です。テキストだけでなく写真や添付ファイルを組み合わせて日ごろの活動を蓄積できます。また、プロジェクト機能によってアドバイザーの指導をもとに学習記録を投稿することができる点もこのサービスならではの特徴です。

また、蓄積したライフログはタイムラインで他者と共有できます。ほかのユーザーの活動を見てそれぞれの学習に活かすだけでなく、その内容について意見を交わすことも可能です。

そして、最終的にライフログからポートフォリオを作成できます。テンプレートを利用できるため、誰しもが体裁の整ったデザインで学習内容をまとめられる点が便利です。

Feelnoteは、これらの三つの機能が組み合わさることにより、それぞれの人物像を第三者に明確に伝えられるツールに仕上がっています。

そのほか、アメリカを中心に世界中の高校生に利用されていて、ハーバードやプリンストンなどの名門大学の入試で評価対象とされていることも見過ごせないポイントです。

現在、日本を含むアジア地域の大学を視野に入れた環境整備が進んでいる動きもみられます。これらを踏まえると海外の大学入試を考えている生徒におすすめできるポートフォリオサービスともいえるでしょう。

Classi ポートフォリオ

Classiは生徒の学びや教員の生徒指導をサポートするオールインワンのポートフォリオサービスです。ポートフォリオ機能では、日々の学習記録をはじめ、ベネッセのテスト結果や進路調査結果、成績データなどあらゆる記録を一元管理できます。

導入自治体における実証研究では、学習記録の量と生徒の主体性を示すスコアに関係があることが見受けられたとのことです。その点で、Classiのポートフォリオ機能は学習意欲を高める効果が期待できます。

また、単に学習記録を残すだけでなく、学習サポート機能が備わっているのも特徴的です。ベネッセのテスト結果から生徒の苦手分野を特定し、学習動画(約5分)と確認問題をセットで提案してくれます。

そのほか、コミュニケーションツールとしての機能もあり、ホームルームの連絡や会議にも活用することも可能です。効率的に情報伝達できることから、教育現場の負担を削減する役目も果たしてくれることでしょう。

導入事例についても紹介します。関東学院中学校高等学校では、Classiとその連携サービスの「JTB修学旅行探究ノート」を研修旅行に導入し、台湾・韓国・沖縄のガイドブックを作る学習を行いました。最終的に旅を通して気づいたことや思ったことをポートフォリオに入力するなどして活用したとのことです。

そのほかにも、立命館森山中学校が学習習慣の定着を目的に活用したり、神奈川県立上鶴間高等学校が朝自習のWEBテストに使用したりするなどの事例もありました。Classiは、今後もさまざまな中学や高校で導入が進んでいくことが予想できます。

Pholly

Phollyは、授業を効率的にする機能が豊富ポートフォリオサービスです。

基本的な機能として、授業単位で評価項目や基準を決定して評価を登録できます。生徒が学習内容を振り返るのはもちろんのこと、学校の成績管理などに役立つといえるでしょう。

また、授業に必要な資料を配布することも可能で、それにともないレポートの提出・受領・評価に対応しています。教員が授業前に資料を印刷する手間や、生徒の数に比例して増える提出物保管の負担を軽減できる点はメリットにほかなりません。

そのほか、授業ごとのアンケートの作成・回答・集計にも対応しています。教員が生徒のリアクションを確認することで、その後の学習指導に役立てられます。

このように、学校の授業を効率的にする働きが期待できますが、それにともない膨大なデータを取り扱うことからデータのセキュリティーが気になる教員も少なくありません。

その点、Phollyは、データをセキュリティーの高い複数のデータセンターに同時保存する仕組みです。そのため、万が一データ破損が生じた場合でも対応できるようになっています。

総じて、Phollyは、生徒や教員にとって本当に必要な機能のみ絞られているポートフォリオサービスだと評価できます。

まとめ

以上、eポートフォリオの概要から実際にどのようなサービスがあるのかまでお伝えしました。現在の学校教育における学習・入試環境が目まぐるしく変化していることを知り、驚きを隠せない人もいたのではないでしょうか。eポートフォリオサービスは入試に直結することから、サービスごとに特性を理解して正しく活用することが大切です。しかし、機能が豊富であることにより、かえって使いこなせない生徒もいるかもしれません。その際はコンシェルジュに是非ご相談ください。

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