- 世界にたった一人の大切な存在なので異なる価値観を持つことは当然
- その人の環境や背景に関係なく、自分らしく成長していける
- 本物の社会や文化に触れ、他者との関係を持つことで自分らしく成長できる
- みんなが受け入れられ、適切な対応をされる
- みんなが文化の担い手・革新者として受け入れられ適切に対応される
- すべての人が持つそれぞれの価値観を尊重できる社会の実現に取り組まなければならない
- みんなの個性を伸ばす・成長できる社会をつくっていかなければならない
- 違いや変化を受け入れられる社会づくりを実現しなければならない
- すべての人が世界を大事にし、注意深く守っていく社会をつくっていかなければならない
- 自然や文化の恵みを未来に残すために責任を持つ社会の実現に取り組まなければならない
- 学校とは、社会からの影響を受けると同時に社会に対して影響を与える独立組織
- 学校で働く人は20の原則を基本に仕事に取り組む
- 学校の教育内容は子どもたちの暮らしや経験、人々と社会の発展にも大切なもの
- 教育学的によく考えられた教具、環境を用意したうえで教育活動をおこなう
- 対話・遊び・仕事・イベントの4つの基本的な活動を大事にする
- 年齢や発達程度の違いがある子どもたちを一緒にすることでお互いの違いを学べる
- 1人の自習学習とグループリーダーが指示・指導する学習をおこなう
- 経験・発見・探究するために教科横断的な総合学習が中心となる
- 行動や成績について評価する際は、子どもの成長という観点から本人と話し合う
- 何かを変えたり、より良いものにするために常日頃から考え行動・検証をする
皆さんはイエナプラン教育という教育法をご存知ですか?
イエナプラン教育は、1924年ドイツの教育学者、ペーター・ペーターゼンが創始した教育モデルです。「20の原則」を元に豊かな人間性を育む教育スタイルは、隣国オランダに1960年代から導入され、今や発祥国のドイツよりも盛んに実施されています。
今回はイエナプラン教育の柱である「20の原則」を中心に、イエナプラン教育の魅力を解説していきます。
イエナプラン教育とは?
イエナプラン教育とは、1924年ドイツの教育学者「ペーター・ペーターゼン」が始めた教育メソッドです。
イエナプラン教育の教室では、年齢の異なる子供たちを一緒に教育する「根幹グループ」を中心に構成されており、子供の自主性の形勢や感情を共有する共同体教育を目指しています。「20の原則」をベースに、会話・遊び・仕事(学習)・催しという4つの基本活動行いながら、子供たちが自発的に学べるユニークな教育スタイルが特徴です。
イエナプラン教育の時間割は教科ごとに分かれていません。4つの活動を中心に「総合的に学ぶ」ということに重点を置いています。「会話」では、グループとグループリーダーを設け、生徒と教師が一緒に参加して授業が行われます。「遊び」の活動では、決まった企画の他に、自由遊びを行うこともできます。
また子供たちが長い時間を過ごす学校は、子供たちが心地よく学べる「リビングルーム」のような環境であることが重要と考えられています。
最後に、イエナプラン教育が他の教育メソッドと一線を画している点ですが、イエナプラン教育では、初期の段階から障害のある子供たちを積極的に受け入れてきました。特別なニーズがある児童もそうでない児童も共に学べる「インクルーシブ」な学校教育は世界で高く評価されています。
イエナプラン教育20の原則
イエナプラン教育には、大きく分けて「人間」「社会」「学校」の3つの要素に関わる教育理念を掲げています。
それぞれの教育原則を読むことで、イエナプラン教育に秘められた教育の本質が見えてきます。早速、見ていきましょう!
「人間」について
まずは、イエナプラン教育の20の原則の中から「人間について」の理念を挙げていきます。
- 世界にたった一人の大切な存在なので異なる価値観を持つことは当然
- その人の環境や背景に関係なく、自分らしく成長していける
- 本物の社会や文化に触れ、他者との関係を持つことで自分らしく成長できる
- みんなが受け入れられ、適切な対応をされる
- みんなが文化の担い手・革新者として受け入れられ適切に対応される
イエナプラン教育の20の原則では、「人間」が他者とは異なる価値観を持ちながらも、共同体の中で互いの違いを受け入れ合いながら成長してくことの重要性を説いています。また一人ひとりが文化・社会を支えるリーダーとして、自分らしく成長していくことをモットーにしています。
「みんなが受け入れられ、適切な対応をされる」という原則には、社会的弱者となりやすい「障がい者」を受け入れるイエナプラン教育の理念が込められていると言えるでしょう。
「社会」について
続いてイエナプラン教育の20の原則にある「社会について」の記述を見ていきましょう。
- すべての人が持つそれぞれの価値観を尊重できる社会の実現に取り組まなければならない
- みんなの個性を伸ばす・成長できる社会をつくっていかなければならない
- 違いや変化を受け入れられる社会づくりを実現しなければならない
- すべての人が世界を大事にし、注意深く守っていく社会をつくっていかなければならない
- 自然や文化の恵みを未来に残すために責任を持つ社会の実現に取り組まなければならない
イエナプラン教育の20の原則では「社会」について、個々の価値観を尊重することや、各自の個性を伸ばすことに重点を置いています。
また他者との違いを受け入れることや、自然環境・文化といった未来の資産を守っていくことにも力を注いでいます。
イエナプラン教育では、一人ひとりが自分たちの価値を尊重できるような社会を作り上げることが目標になっているようです。
「学校」について
イエナプラン教育の20の原則では、「学校について」以下の10の理念が掲げられています。
- 学校とは、社会からの影響を受けると同時に社会に対して影響を与える独立組織
- 学校で働く人は20の原則を基本に仕事に取り組む
- 学校の教育内容は子どもたちの暮らしや経験、人々と社会の発展にも大切なもの
- 教育学的によく考えられた教具、環境を用意したうえで教育活動をおこなう
- 対話・遊び・仕事・イベントの4つの基本的な活動を大事にする
- 年齢や発達程度の違いがある子どもたちを一緒にすることでお互いの違いを学べる
- 1人の自習学習とグループリーダーが指示・指導する学習をおこなう
- 経験・発見・探究するために教科横断的な総合学習が中心となる
- 行動や成績について評価する際は、子どもの成長という観点から本人と話し合う
- 何かを変えたり、より良いものにするために常日頃から考え行動・検証をする
イエナプラン教育の20の原則では、「学校」は子供の教育と社会の発展に欠かせない重要な独立組織と位置づけています。子供の教育には、暮らしや経験、そして社会の人たちとの関わりの中で生まれてくるものが、子供の人格育成に大きな影響を与えるという考え方です。
また教材や教育環境については、子供の自主性や好奇心を探求できるものを与え、対話、遊び、仕事、イベントの4つの基本活動に則って、自発的に学習できることを理想としています。学習の際には、一人の自習学習とリーダーが指導する二通りのアプローチがあり、一つの科目ではなく、いくつかの科目を総合的に学ぶユニークな学習スタイルをモットーにしています。
他の学校と違い、イエナプラン教育の学校では、障害のある子供たちも健常者と共に学ぶ機会を与えられます。
子供たちがより良い方向に成長していくようなアドバイスを与えながら、子供たち自身も自発的に「何かを変える」ことや「向上させる」ことに意欲を持てるようにするのが、イエナプラン教育の目指す「学校」のあり方です。
まとめ
オランダで人気の「イエナプラン教育」を紹介しました。イエナプラン教育は異なる年齢の子供たちが共に学ぶユニークな教育環境と、会話・遊び・仕事(学習)・催しという4つの基本活動を中心に子供の自主性を育む教育スタイルです。
また障害のある児童を受け入れるインクルーシブな教育方針も、世界から高い評価を受けています。イエナプラン教育の20の原則によると、学校は私たちのいる社会の縮図であり、子供たちが自発的に学べる環境を作ることこそ重要と説いています。イエナプラン教育がもっとも盛んに行われているオランダは、2014年~2016年まで「世界一幸福な国ランキング」の上位にランクインしていました。
多様性のある社会を許容し、よりよい社会を目指す前向きな人格を育むイエナプラン教育には、自ら幸福だと感じられるような人格の育成に効果があるのかもしれません。
イエナプラン教育を受けたいのに家の近くに教室がなく、家庭で取り入れるのも大変そうだと感じた方は、ぜひスタスタのオンラインコーチングサービスをご利用ください。お子様の主体性を育む指導をしています。詳細は以下よりご確認ください。