中学受験に強い「日能研」の教育とは|月謝や合格実績も併せて徹底解説

中学受験に強い「日能研」の教育とは|月謝や合格実績も併せて徹底解説
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スタスタ編集部
当社のインターン生である、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、青山学院大学、明治大学、立教大学、東京理科大学、東京学芸大学、筑波大学・・・の現役大学生たちが、自身の小中高大受験・通塾・塾講師経験をベースに、各塾の教育方針や学習システム等の特徴を独自に分析し、編集・執筆しています。
対象学年 小学1年生〜小学6年生
授業形態 集団指導塾
塾タイプ 受験:中堅〜難関校向け
塾の規模 大手塾

首都圏を中心に100校以上を展開する名門進学塾の1つ「日能研」は、難関校への合格者を多数輩出している学習塾として非常に有名と言えます。

「中学受験」で圧倒的な知名度、規模そして実績を誇る日能研は他の学習塾と何が異なるのか。

今回は、特徴、合格実績、教育方針などから日能研の強さを分析したいと思います。

日能研の口コミ

それではまず、日能研に通っていた現役大学生たちにお話を伺ってみましょう。

明治大学
講師が親身になって相談を聞いてくれ、サポートが充実していた。
青山学院大学
教材が豊富すぎて、何をやれば良いかわからなかった。
立教大学
人数が多く、校舎も狭かった。

講師の授業やサポート体制はとても好評でしたが、校舎等の環境面については難があるようです。

日能研の特徴

まず、日能研が多数の合格者を輩出できる理由を分析するために特徴から確認をしてみましょう。

日能研3つのポイント
  1. 思考力養成を重視したカリキュラム
  2. 中堅中学に対する合格実績の高さ
  3. 万全なフォロー体制を保護者に提供

思考力養成を重視したカリキュラム

授業やテキストにおいて、「なぜ、その解法になるのか」という理論や考察を中心に学習が行われます。他塾に比べ演習量は少なく、その分一問一問と向き合い、じっくりと解法を考えるというのが特徴としてあげられます。

そのため、解法を習得するだけでなく、根本から理解することに喜びを感じる子にとっては魅力的な学習環境です。

また、6年生までは、学習ペースが比較的遅いため、他塾のペースについていくことが難しい子にとっても適した学習環境です。

中堅中学に対する合格実績の高さ

日能研の魅力は難関・中堅中学共に合格者が多い事です。長年の実績から各地域で各中学の傾向を分析して行う受験対策、成績データを見ながら最適な志望校を選定する能力があるので、常に高い合格率を誇っています。

数年前から、名門と呼ばれる超難関中学の合格者数はサピックスが1強となっていますが、難関~中堅中学であれば大手塾の実力は拮抗しているといってよいでしょう。料金が安い分、日能研はコストパフォーマンスが高いという評価を受けています。

万全なフォロー体制を保護者に提供

中学入試動向や入試問題分析など入試情報を提供する「講演会」、さまざまな私学の先生に直接質問ができる「私学フェア」、日能研の教室で私学の先生が学校を紹介する「私学のナカミを知る会」などを開催しています。

教室では定期的に「保護者会」を開催し、時期に応じて必要な学習・受験情報を伝えるほか、保護者の疑問・質問に答え、保護者同士でお話しできる「懇談会」、希望により随時行う「個別面談」などがあります。

このように日能研は授業だけをして満足、という塾ではなく、情報の提供や質問できる機会の提供など、保護者の不安を解消するために様々なフォロー体制をしいているにしている塾です。

日能研の教育方針

日能研の教育方針は「未来へ〜学びをつくり、育てていく6年間〜」です。

日能研は、小学生のための中学受験塾として約束された使命として、「志望校合格の支援」を行なっています。ただそれだけでなく、同時に「子ども達の学びと成長を応援する塾」としての理想も追い求めています。

なぜなら、それが「高等教育へつながる学び」だと日能研は考えているからです。日能研での学びは中学受験突破のために大切ですが、それだけでなく高等教育につながっている教育です。

そのため、日能研の教育方針は合格のためにただ知識を詰め込むだけのものではなく、「自分の頭で考える能力を伸ばす」ものとなっています。

日能研の懸念点

ここまで日能研の特徴、教育方針をお伝えしてきました。自分の頭で考える能力を伸ばせるテキストや保護者の方へのフォローが手厚い塾と言えます。しかしどんな塾にも懸念点はあり、それは日能研も同じです。それでは日能研の懸念点を見ていきましょう。

毎週のようにある学習力育成テスト

日能研では学習力育成テスト(旧:カリキュラムテスト)があり、学年にもよりますが、ほぼ毎週あります。

このテストで、その週で習ったことがどの程度定着しているか、単元別に細かく見ることができます。しかしきちんとした学習サイクルがないと、十分な復習ができないままテストに追われることになってしまいます。

そのため4・5年生のうちに1週間の学習サイクルを身につけられるかが重要です。テスト前に慌てて勉強を始める子や計画的な学習計画が立てられない子は、テスト直しやテストに向けての勉強ができないため、成績向上には繋がりにくいでしょう。

問題数が少ない

日能研のテキストは幅広い層を対象にしているため、単元の導入に工夫を凝らし興味を抱きやすくしています。

しかし同じ問題を繰り返し何度も考えさせるので、問題量が多いわけではありません。問題のレベルもさほど難しくなく、基礎問題の数が多いです。

基礎からじっくり考える子に向いていますが、難関校を目指していたり成績上位だったりすると少し物足りないと感じてしまうかもしれません。

日能研で成績が伸び悩んだ子には

ここまで日能研の懸念点をお伝えしてきました。ここからは日能研に通塾したものの、伸び悩んだ子とその保護者がとるべき行動についてまとめました。またこれから通おうとしている方もぜひ参考にしてみてください。

3つのとるべき行動
  1. 学習サイクルを作る
    新学力育成テストに追われて十分な復習ができていないのではありませんか?記憶の定着や深い理解の為にも何回も復習することが必要です。そのためにも学習サイクルを作りましょう。まずは1週間でいいので1日づつ何をどのくらいやるのか計画・実践して見てください。今日やるべきことが分かりやすくなって、心に余裕が出やすくなるでしょう。
  2. 他の教材を使用し演習量を多くする
    特徴1でも述べたように、日能研のカリキュラムは思考力養成を重要視しているので問題数が少なくなっています。問題を多く解いてコツ・感覚を掴む子や復習をたくさんしたい子には、もの足りないとも言えます。そのような時は、他教材を使用して演習量を多くしましょう。解説が多く掲載されている、簡単すぎず難しすぎないものを選ぶのがベストです。
  3. 集団塾に転塾
    「集団指導は競争意識が芽生えていいけど、塾の雰囲気が合わない」など講師や塾に問題がある場合は集団塾に転塾しましょう。また集団塾といっても大手と個人で雰囲気や合格実績は大きく異なることがあるので、要注意です。

伸び悩んだ方には上記の3つの行動をおすすめします。しかし「成績が伸び悩んだから」という理由だけで塾を頻繁に変えても成績は向上しません。なぜ伸び悩んだのか、という原因究明が最も重要です。塾の雰囲気が合わないのか、問題量が少くて飽きてしまうのか、など原因により対策は大きく変わっていきます。

 

日能研の合格実績

ここまで日能研の強さの秘訣をお伝えしてきましたが、実際にどれほどの合格者を輩出しているのか確認してみましょう。

2019年|日能研の合格実績

学校名 合格者数
開成中学 42名
麻布中学 69名
慶應義塾普通部 24名
駒場東邦 48名
筑駒 10名
50名
ラ・サール 92名
浦和明の星女子 245名
星野学園 338名
獨協埼玉 228名
市川 186名
東邦大学付属東邦 161名
桜蔭中学 28名
雙葉中学 30名
渋谷教育学園渋谷 58名
学校名 合格者数
芝浦工業大学柏中学 109名
豊島岡女子学園 76名
本郷中学 125名
成城中学 101名
芝中学 81名
カリタス女子 149名
中央大学附属横浜 118名
神奈川大学付属 146名
桐光学園男子部 98名
桐蔭学園 81名
逗子開成 109名
桐朋 75名
城北埼玉 368名
清泉女学院 93名
吉祥女子 112名

日能研のコース

さて、日能研が難関校へ数多くの合格者を輩出していることは合格実績を確認するだけでも一目瞭然と言えます。では、実際に日能研では、どのような授業提供しているのか?学年別のコースも確認したいと思います。

日能研小学生向けのコース

まずは日能研のコースは、「1年生~3年生」と「4年生~6年生前期」、「6年生後期」で授業方針が異なります。

「1年生~3年生」の間は教科という学びや系統学習を行わず、「感じる」「考える」「表現する」といった、楽しむことに重点を置いた「低学年の学び」を教育方針としています。

「4年生~6年生前期」では、〈学習プロフィシエンシーシステム〉というシステムを採用しています。日能研は子ども達が系統学習の中で人類の叡智を学ぶときに先人の知恵や知識に縛られて、動けなくなってはいけないという考えをもっています。そのために知識と知識のつながりをつくる方法を学び、学習項目という束縛から解き放たれて、「知識と知識のつながりをつくる方法=思考技法」を身につけるためことが大切であると考えており、その考え方を基にした〈学習プロフィシエンシーシステム〉で動かす系統学習を行なっています。

「6年生後期」では、志望校合格に特化した学習を行います。子ども達が入試本番で学力を活かしきる「合格力」の完成が最大のテーマで、保護者の方も面談や出願など、入試まであっという間のこの時期。「合格」のその日に向けて、ラスト6ヶ月を走りきるためのカリキュラムになっています。

それでは、日能研のコースについて確認してみましょう。

小学1・2年生
  • 小学1年生・2年生コース(ユーリカ!きっず わくわくステップ・ふむふむステップ)

体験的な学びに取り組む「わくわくステップ」、知識へとつなげる「ふむふむステップ」。
知識の要素は(ことば・論理・数・図形・自然・社会生活)の6つのカテゴリーに分かれており、
将来的に4教科へとつながる内容がプログラムされています。

小学3年生
  • ステージI(予科教室)出会う

国語や算数の基礎的な学習がスタートします。

国語は「言葉を使って学び進むための準備」がテーマで、言葉の使い方や自然の表現などについて学習します。

算数は「身近にある数や形を題材として考えることの楽しさを知る」がテーマで、量と数、数え方の工夫などについて学習します。

小学4年生 前期

 

  • ステージII 親しむ

いよいよ系統学習がスタートします。単体の知識を覚えるだけでなく、知識と知識をつなぐ「線」を見ること、また「線」をつくることを意識して学習します。知識と知識がどうつながっているのかに着目し、他者と共有したり、再現したりできる「つながり」すわなち「論理」を学びます。

また、国語算数に加えて理科と社会の学習もスタートします。

小学4年生 後期

小学5年生 前期

  • ステージIII 広げる

ステージIIでは点と点を線でつなぎ「つながり」すなわち「論理」を見つけるという学習をしました。ステージIIIではさらに、その「線」つまり論理同士のつながりを学び、様々な論理の集合体、すわなち「面」として見るための学習をします。つまり知識と知識をネットワーク構造でつなげていく学びをします。

1つの点から出る「つながり」が増えるほど、大切になるのは、そのつながり方です。新しい知識と出会ったときに、知識と知識のつながりに気づきやすくなるための「思考技法」を学びます。

小学5年生 後期

小学6年生 前期

  • ステージIV 深める

「点」と「線」でつくられた「面=ネットワーク」を再構築できるようになることを学びます。すなわち、ある知識と知識のつながり方は、別の場面でも使えることに気づき、実際に使えるようになるよう学びます。
「思考技法」と「素材」を意図的に切り離すことができると、状況に応じて「思考技法」を使えるように、自分のネットワークを客観的に、俯瞰して見る視点を得ることを目標とします。

小学6年生 後期
  • ステージV 合格力を鍛える

「全てを合格のために」をテーマに、志望校合格に向けて学力別編成のクラスで行われる合格力完成教室、効果的に学力を伸ばすために行われる志望校特別講座といった授業が行われます。

また同時進行で、合格判定テスト、合格力実践テストといった模擬試験も数多く行い、志望校合格に向けた対策を万全のものとします。

日能研の料金

日能研の料金は一般的な中学受験学習塾と比較すると「平均的」であると言えます。

子どもの思考力を伸ばすための独自のカリキュラムと、志望校対策に向けた授業が用意されていることを考慮すると、安価とは言えないものの妥当な料金と言えるでしょう。

では、日能研の料金について学年とコース別に紹介をしたいと思います。

日能研小学生向けコースの料金

コース 小学1年生・2年生
科目 国語・算数
金額 8,900円/月
コース 小学3年生
科目 国語・算数
金額 9,500円/月
コース 小学4年生
科目 国語・算数・社会・理科
金額 4科目:19,000円/月
2科目:14,250円/月(算国)
コース 小学5年生
科目 国語・算数・社会・理科
金額 4科目:23,400円/月
2科目:16,800円/月(算国)
コース 小学6年生(アドバンスコース)
科目 国語・算数・社会・理科
金額 4科目:27,900円/月
2科目:20,000円/月
コース 小学6年生(マスターコース)
科目 国語・算数・社会・理科
金額 4科目:37,800円/月

*料金は税別です。
*別途入会金、テスト代、教材費が発生します。

日能研の分析結果のまとめ

日能研がなぜ難関中学に多数の合格者を輩出できるのか?「特徴」、「教育方針」、「コース」から分析を行いました。

結論、受験勉強に留まらず総合的に子どもの思考力を育むことに重点を置いた指導法が、結果的に子ども一人一人の志望校への合格に繋がっていると言えます。

料金面は決して安価ではありませんし、低学年のうちに学習サイクルを確立することが鍵となります。それでも子どもの将来を決める難関校への合格を目指すならば日能研に入塾させることは非常に的確な一手と言えるでしょう。

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