「聞いたことあるけど、EdTechってなに?」と疑問を抱えている方も多いです。近年、EdTechは海外で急速に発展してきました。
そして今、日本にもその波が押し寄せ、EdTechを活用している方が増えてきています。
そこで今回は、「EdTechとは何なのか」について解説していきます!EdTechのメリットや、具体的なサービス例なども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
EdTechとは
最近「○○テック」という言葉をよく聞きませんか。
X-Tech(クロステック)と言われ、メディアで良く見かける言葉になりました。EdTech(エドテック)も、このクロステックの1つです。
ここでは、EdTechの定義と日本における市場規模の拡大について、ご説明します。
EdTechというワードの定義
EdTechは、Education(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語です。デジタルな技術を利用した教育方法を意味します。
「○○テック」のようなクロステックは、テクノロジーとの組み合わせたものを示しています。金融とテクノロジーを組み合わせたFinTechや、農業とテクノロジーのAgriTech、医療とテクノロジーのHealthTechなどがあります。さまざまな分野でテクノロジーを導入し、産業構造や仕組みに改革を起こそうという動きがあるのです。
EdTechにおけるテクノロジーは、AIやVRなどの先端技術だけでなく、アプリやソフトなどの技術も含まれています。今までの教育システムを変え、新しいイノベーションを起こそうと期待されています。
EdTechは急速に広がりを見せている
教育分野は技術革新が行われる中でも、アナログを中心に進められてきました。しかし今、テクノロジーを取り入れたEdTechが急速に広がりを見せているのです。
インターネット環境があれば学ぶことができるため、教育格差をなくすための方法として注目されています。さらに、様々な学習記録をもとにAIが分析を行うことで、最適な学習方法を提案してくれます。
一人ひとりに合ったオーダーメイドの学習がわかるので、効率的に学習を進めることが可能になるのです。
海外と日本国内におけるEdTechの導入について、表にまとめました。
EdTechが導入された国 | 導入事例 | 市場規模 |
アメリカ |
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中国 |
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約2,030億円 |
日本 |
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約1,700億円 (2016年度) |
EdTech発祥の地であるアメリカだけでなく、中国でも力を入れて取り入れようとしています。
日本でも導入されつつあり、市場規模は拡大しています。野村総合研究所(NRI)では、2023年のEdTechの市場規模は3,000億円にのぼるといわれています。したがって、これからの日本でも広くEdTechが導入されることが予想されます。
EdTechとeラーニングとの違い
インターネットを利用した学習方法に、「eラーニング」があります。皆さんも一度は聞いたことがあり、EdTechよりも馴染みのあるワードではないでしょうか。
インターネットを利用するeラーニングと、テクノロジーと教育を組み合わせたEdTechの違いは一体どんなところなのでしょうか。
ここでは、EdTechとeラーニングの違いについてご紹介します。
コミュニケーションが可能になった
eラーニングでは、基本的に講師による講義を受ける一方向の学習でした。動画を配信する授業も行われていましたが、講師とコミュニケーションを取ることはできませんでした。
一方、EdTechでは、オンラインでの映像授業の中で会話が可能になり、双方向性のある授業に変わりました。
生徒からの質問や講師からのアドバイスを講義中に受けることができます。
AIによるオーダーメイドの学習が可能になった
eラーニングでは自分で学習を進めていく必要がありましたが、EdTechは学習のサポートも行ってくれます。人工知能(AI)を導入することで、生徒一人ひとりの苦手分野や学習ペースを分析します。
分析したデータとこれまでの学習者のデータをもとに、一人ひとりに合った学習を提案してもらえるシステムになりました。
自分だけのオーダーメイドの学習プランがもらえるので、効率的に学習を行うことが出来ますよ。
設定されている料金が安くなった
EdTechは、eラーニングよりも料金設定が安いという料金の違いもあります。eラーニングは、初期費用に加えて月会費がかかることが多いサービスでした。
一方でEdTechは月会費無料というサービスも多く存在します。サービスによっても異なりますが、無料、または格安の料金で利用できます。
料金が安くなったことで、利用しやすくなったという特徴もあります。
それぞれが持つ歴史や導入背景が異なる
導入時期や導入される背景の違いが、それぞれのサービスの違いを生み出しています。
eラーニングは2000年頃に導入されました。当時はまだスマホが普及されておらず、パソコンの前で学習を行うことが一般的でした。また、現在のようにテクノロジーが進んでいた訳ではないため、オンラインの学習を行うためのシステム開発に多額の資金が必要だったのです。
しかし現在は、テクノロジーが進化し、スマホやタブレットが普及しています。そのためインターネット環境とタブレットがあれば、いつどこにいても学習が可能になりました。
さらに、技術革新によって開発コストが低下したことも特徴です。またインターネット回線のスピードも向上し、映像配信を行うサービスも増加しています。オンラインでの学習がより身近になったという時代背景も、eラーニングとは異なる点と言えます。
EdTechはeラーニングが進化したものである
ここまで説明した違いについて、表でまとめてみました。
違い | eラーニング | EdTech |
できること |
|
|
料金設定 |
サービスによって異なる |
サービスによって異なる |
歴史と背景 |
|
|
EdTechとeラーニングの違いは、明確になっていません。表からもわかるように、似ている点も多くあり、はっきりと区別することは難しいのです。
これは、eラーニングを進化させたもの、より優れた教育システムに変えたものがEdTechであるという考え方があるからです。そのため、EdTechはeラーニングは進化したものと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
EdTechが注目される背景
インターネットを利用して学習が可能なeラーニングがあるにも関わらず、EdTechが導入される背景にはどんな理由があるのでしょうか。
EdTechが導入される背景について、テクノロジーの進化と企業の参入という2点に注目してご紹介します。
背景①テクノロジーの進化
デジタルテクノロジーが大きく進化し、教育以外の分野でテクノロジーを取り入れるようになりました。
具体的には、車をよべる「Uber」や、SNS・デバイス・AIの導入など、ライフスタイルに変化を与えるほどの革新が行われました。第4次産業革命ともいわれており、世界的に多くの変化が起こっています。
つまりテクノロジーの進化とライフスタイルの変化に伴って、これまでアナログで行われてきた教育にもテクノロジーを取り入れられるようになったのです。
背景②EdTechの分野への参入が簡単になった
2つ目は、テクノロジーが進化したことで、教育の分野への参入が行いやすくなったことです。
これまでは大手企業が行ってきましたが、テクノロジーが進化したことでシステムの開発費が低下し、十分な情報収集も行えるようになりました。そのため失敗した際のコストが下がり、事業を始めやすくなったのです。
大手企業だけでなく、個人やスタートアップの起業家がこれまでの常識を覆すサービスを提供しています。このような背景によって、EdTechは導入されていったのです。
EdTechを導入するメリット
では、EdTechを導入するメリットは一体どんな点があるのでしょうか。「わざわざインターネットを利用した学習を取り入れなくても良いのでは?」という声も一部あります。
そこで、EdTechを導入するメリットについて考えてみましょう。言い換えれば、導入したことによって期待される効果です。ここでは、3つご紹介します。
- 一人ひとりに最適な学習が可能
- 生徒を中心とした学び
- 探究・プロジェクト型学習を行う時間ができる
それぞれの内容について、詳しく解説していきます。
学びの個別最適化(アダプティブラーニング)
アダプティブラーニングは「適応学習」と言われ、それぞれの学習する生徒の理解度や学習状況に合わせて、学習する分野や学習レベルを調節する学習システムです。
AIによって、理解度や学習の進度を分析し、自分にあった学習プランを提案してくれます。
わからないところを重点的に行い、レベルに合わせた学習が可能になるので、効率よく学ぶことが出来ます。
生徒中心の学び
これまでの教育では、教師が一方的に知識を教えることが中心でした。生徒は聞いているだけ、ノートを取るだけという姿勢でしたね。
しかし、EdTechでは、自分に合わせて学習プランによって、必要な知識を学ぶことが出来ます。生徒がわからないことや知りたいことを中心に勉強を進めるので、生徒中心の学びになるのです。
さらに自分で考えて得た知識は、身に付きやすいと言われています。そのため、ただ知識を覚えるだけでなく、グループで協力して動くという実際の行動に活かしやすくなります。
探究・プロジェクト型学習を行う時間が増える
EdTechを利用することで、生徒中心に効率よく知識を学ぶことができます。そのため、探究・プロジェクト型学習を行う時間を増やすことが可能になるのです。
知識を覚えるだけでは、社会に出て使える知識としては不十分です。実際に自分で学んだ知識を活用するためにも、探究心や興味を育てることが大切になります。
そこで実際に授業の一環として学んだ知識を用いて、課題や問題に仲間と取り組む体験と通し、探究心や興味を育むことができます。
EdTechサービス
それでは、EdTechにはどのようなサービスがあるのでしょうか。ここでは、具体的に日本で提供されているEdTechのサービスを3つご紹介します。
- スタディサプリ
- すらら
- classi
それぞれのサービスの特徴やメリットなどをチェックしてみましょう。
スタディサプリ
スタディサプリとは、小学生から高校生までを対象にしたオンラインの学習サービスです。特徴やメリットについて、表にまとめてみました。
気になる項目 | 内容 |
対象学年 |
|
学べる科目 |
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特徴 |
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メリット |
|
月会費 |
月額980円 |
自分1人で学習ができるというお子さんには、とてもおすすめです。映像授業や問題演習の環境が整っているので、苦手分野を中心に自分で勉強を進めることができます。
無料トライアルを利用すると、1週間無料でスタディサプリを体験できます。活用を検討している方は、ぜひ無料トライアルで体験してみてください。
すらら
すららとは、自宅で勉強ができるインターネット教材です。パソコンやタブレットなどを利用し、学習を始めることができます。
気になる項目 | 内容 |
対象学年 |
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学べる科目 |
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特徴 |
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メリット |
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月会費 |
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すららでは、無料で授業を体験できる機能があります。実際に授業を受けてから受講を始められるので、子供に合っているかどうか判断ができます。「無料体験では不安」という方には、4か月プランも用意されていて、1か月7,480円で4か月間利用できます。
classi
Classiは、学校に導入してICT化を助けるクラウドサービスです。アダプティブラーニングやアクティブラーニング、ポートフォリオ、コミュニケーションの4領域にて、生徒や保護者、先生の活動を手助けします。
Classiの特徴は、主に4つです。
- 先生や生徒、保護者のコミュニケーション
- 学習記録とポートフォリオを共有できる
- 資料や必要な連絡事項を一斉に共有できる
- 学習動画やWebテストによって授業以外の学習をサポート
学習の記録や資料を保存しておけるので、生徒の学習をサポートしてくれます。AIによる学習分析で、最適な学習プランを提案してもらえます。
Classiは生徒だけでなく、先生の活動もサポートしてくれます。生徒の情報を一括管理できるの、情報の共有や管理が簡単になります。事務作業を減らすことが出来るため、先生たちが目指す学習指導を行うサポートとして有効です。
まとめ
ここまで、EdTechの定義やメリット、eラーニングとの違いなどをご紹介してきました。
EdTechについて疑問を持っていた方のお役に立てれば光栄です。
もしEdTechに関する疑問をお持ちでしたら、コンシェルジュまでお気軽にご相談ください。
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