✔五感を刺激する専門的な教具を用いる教育で、集中力やリーダーシップなどが身につくとされている。
✔日本国内で受けられる小学校は、現時点で3校しかない(東京都港区南麻布、神奈川県横浜市青葉区奈良、東京都港区白金台。)
✔該当の小学校が近くにない場合は、アフタースクールやオンラインコーチングも一つの手。
国内外の著名人が学んでいることもあって注目されているモンテッソーリ教育。多くの保護者が子どもに学ばせたいと考えていることでしょう。しかし「モンテッソーリ教育の小学校はどこにあるの?」「ふつうの小学校との違いは何?」など、様々な疑問を抱えている方も少なくないでしょう。
そこで今回はモンテッソーリ教育の小学校や公立小学校との違いなどについて詳しく解説しています。
この記事を読むことで、モンテッソーリ教育を受けられる小学校について理解を深めることができますので、興味がある方は参考にしてください。
目次
モンテッソーリ教育とは
まずは、モンテッソーリ教育がどのような教育法なのか、基本的内容について確認していきましょう。どのような教育法か理解しておくことで、我が子に受けさせるかどうか判断がしやすくなります。
では、モンテッソーリ教育の基本的内容について紹介していきます。
モンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育は、マリア・モンテッソーリというイタリアの女性医師が生み出した教育法のことです。誕生して100年が経ちますが、アメリカやヨーロッパなど、世界各国で支持されています。
モンテッソーリ教育では「やりたい」「できるようになりたい」と、子ども自身が成長していく気持ち、発達していく力を持っていると考えます。そのため、子どもの自主性を尊重して、周囲の教師や大人はサポートに徹するのです。子どもが自発的に活動をしたくなるような環境を用意して、五感を刺激する専門的な教具を用い、学習をしていきます。
この教育法では子どもが自立して責任感と他人への思いやりを身につけ、常に学び続ける姿勢を持った人を育てることを目的としています。
海外では幼少期〜大学まで
欧米では幼少期〜大学までモンテッソーリ教育環境が整備されるなど、成果が認められ広く普及している教育法です。
日本でも注目を集めており、モンテッソーリ教育を受けられる幼稚園・保育園なども多くなっています。
海外では、Amazonのジェフ・ベゾス、Googleのセルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、Facebookのマーク・ザッカーバーグ、そして日本では藤井聡太さんも受けた教育法としても人気です。
得られる効果・メリット
話題の教育法モンテッソーリ教育を受けることで、得られる主な効果・メリットは以下のとおりです。
- 集中力のある子どもになる
- 学ぶ楽しさを知ることができる
- 自ら考え行動できるようになる
- コミュニケーション力が向上する
- リーダーシップが身につく
- 社会性や協調性が養われる
- 行動力が高い子どもに育つ など
このように、子どもにモンテッソーリ教育を受けさせることで、さまざまな効果が期待できます。
モンテッソーリ教育を教えている小学校
非常に注目されているモンテッソーリ教育ですが、日本の小学校で教えているのは、まだ3校しかありません。今後、モンテッソーリ教育を教える小学校が増えていく可能性はありますが、現時点で受けられる3校の詳細について確認していきましょう。
ザ・モンテッソーリ・スクール・オブ・トウキョウ
アジア初の小学校・中学校があるモンテッソーリスクールとして誕生した、幼少中高一貫校のインターナショナルスクールです。
学校は東京都港区にあり、さまざまな国籍の2歳〜15歳までの子どもたちが通っています。
マリア・モンテッソーリ・エレメンタリースクール
マリア・モンテッソーリ・エレメンタリースクールを運営しているのは高根学園は、小学校だけでなくモンテッソーリを受けられる幼稚園・保育園も運営しています。
6歳〜12歳までのモンテッソーリのコスミック教育を中心とした独自の教育法で、子どもたちに学びを提供しています。
これまでに、空港見学や華道体験、防災の話を聞くなど、室内での学習だけでなく、専門家の話を聞いたり実体験をするための屋外での授業も充実しています。
東京モンテッソーリスクール
東京モンテッソーリスクールは国際モンテッソーリ協会(AMI)の資格認定を受けた教師が授業を受け持っており、世界基準のモンテッソーリ小学校・中学校を目指し設立されました。(中学部は2023年からを予定)
世界のどのモンテッソーリスクールに行っても(帰っても)、すぐに馴染める小学生のスクールでありたいと、バイリンガル教材を使用し、日本語・英語どちらも表記した教材で、興味を持った物に際限なく取り組める環境を大切にしております。
住所 東京都港区白金台2丁目26-7 4・5F
電話番号 03-3444-3323
校舎運営時間 月〜金9:00〜17:00
モンテッソーリ教育を教えている小学校の授業内容
モンテッソーリ教育を受けられる小学校は、どんな授業をしているのか基本的内容について理解しておきましょう。
専門の教具を使って学ぶ
まず、多くの授業では、モンテッソーリ教育の特徴でもある教具を用いて学習をします。教具を使うことで五感を刺激し、何に対しても好奇心を持つことができ、学ぶ楽しさも知るためです。また、抽象的な学習内容でも、教具を使うことで具体的に理解することができます。
例えばカードを使って視覚的に分数を学んだり、ペグボードで平方根の意味を理解し、模型やミニチュアを使って太陽系や世界の海洋について勉強したりします。幼稚園・保育園だけでなく、小学校でも教具を用いて学習をします。
主体性や知性を育む自由教育・体験学習
モンテッソーリ教育の基本的なプログラムは、算数、幾何、生物、地理、音楽、美術、体育などの教わる科目に、一般的な小学校との違いはそれほどありません。
しかし前述の通リ、教具を使ったり、生徒が自発的に動くような環境が用意されているのが異なる点です。また子どもが興味を持った事柄について研究・探求していく自由教育もおこないます。
そしてモンテッソーリ教育では、6歳〜12歳の6年間は知的好奇心が広がる大切な時期のため、社会的環境へ参加することで自己形成しやすくなると考えています。そのため実際の体験を通して学んでいく体験学習も多いです。
学校にもよりますが、農業や書道、空港や石油コンビナートなど、さまざまな現場で専門家から直接話を聞いたり、見学や体験などをしています。
では自主性を重んじ特徴的なモンテッソーリ教育を教える小学校は、公立小学校と何が違うのでしょうか?具体的な違いを知っておくことで、子どもの進路選びもしやすくなります。
ここから、一般的な公立小学校とモンテッソーリ教育を教える小学校との違いについて見ていきましょう。
基本的に宿題やテストがない
公立小学校とモンテッソーリ教育の学校との違いの1つが、宿題やテストがないことです。モンテッソーリ教育では、リサーチ課題などはあるものの、家に帰っておこなう宿題は基本的にありません。
あくまでも自発的な活動を重んじる教育法なので、家に帰ったら家の中での仕事やコミュニケーションを優先して欲しいという考えからです。
宿題に追われることがないため、時間や気持ちに余裕を持つことができ、コミュニケーション力や社会性などを育む活動や自分の好きな活動に時間を割くことができます。
自主性を身につけるための時間割構成
公立小学校とモンテッソーリ教育の学校とでは、時間割も異なります。一般的に、公立小学校では1時間目は国語、2時間目は算数、3時間目は理科、4時間目は社会、、、など、各科目が当てはめられて時間割が構成されています。
しかしモンテッソーリ教育の小学校では、1時間目は国語、2時間目は算数といった科目ごとに分けられてはいません。
例えば午前中の時間は自分が学びたいこと、やりたいことを選んで学び、午後になると国語や算数などの科目学習をするなど、自発的な活動を重んじた時間割です。
子どもの自主性を尊重することで自分自身の可能性を広げ、学ぶ楽しさを知ることができるのです。
年上・年下と同じ少人数クラス
一般的な公立小学校では、1年生◯クラス、2年生◯クラス、3年生◯クラス、、、というように、学年ごとにクラス分けがされています。そのため同年齢の生徒たちと同じクラスで勉強することが基本です。
しかしモンテッソーリ教育の小学校の場合は、異なる年齢の生徒と同じクラスで学習をしていきます。具体的には、1年生〜3年生というように3学年の生徒が混在する20人〜30人程度のクラスです。
年下の立場でクラスに入り、やがて年上の立場も経験することで、リーダーシップの形成やコミュニケーション力、協調性などを身につけることができます。
充実した課外活動
公立小学校の場合、国語や算数、体育など、基本的には学校内で実施する授業が中心です。課外活動をおこなったとしても、2〜3ヶ月に1回程度と少ないペースでの実施となります。
モンテッソーリ教育を教える小学校の場合は、本物に触れ、好奇心旺盛で学習意欲の高い子どもを育成するために、課外授業も多めに取り入れられています。
実際の現場を見学したり、その道の専門家から直接話を聞くことで、目標・夢が見つかったり、個性を伸ばすことにもつながります。
友達と支え合い成長
モンテッソーリ教育は、公立小学校のように教師が一方的に教えて、子どもたちが受身で勉強するスタイルではありません。子どもたちの自主性を大事にし、教師は環境づくりやサポートをすることに力を入れます。
その結果、生徒同士で教え合ったり助け合う関係性が築かれて、互いに切磋琢磨しながら成長をしていくのです。
モンテッソーリの小学校が近くにない場合は?
日本モンテッソーリ教育綜合研究所附属「子どもの家」の小学部に通う
大田区には「子どもの家」というモンテッソーリの活動を行う教育施設があります。開校されるのは毎週水曜の15時から17時までです。
言語教育や算数教育、文化教育といったモンテッソーリ教育に則した学習環境が用意されています。
オンラインコーチングを受ける
子どもの家を視野に入れたとしても、通うのが難しいという方は少なくありませんよね。そんな方におすすめしたいのがオンラインコーチングです。モンテッソーリ教育ではありませんが、お子様の「自主性を育てる」ことを目的としている点ではモンテッソーリ教育と共通しています。
モンテッソーリ教育ではなくても、「自分で考え、行動する力を育てたい」「子どもに自分の人生を生きて欲しい」と考える方は、ぜひ詳細をチェックしてみてください。
まとめ
今回はモンテッソーリ教育の小学校やふつうの小学校との違いなどについて紹介いたしました。
世界的に注目されているモンテッソーリ教育も、国内で受けられる小学校は2校と、まだまだ少ない状況です。ここで紹介した内容が、モンテッソーリ教育の小学校に疑問をお持ちだった保護者の方のお役に立てたら幸いです。
スタスタの「モンテッソーリ教育」記事集
- モンテッソーリ教育の概要
- モンテッソーリ教育を受けた有名人
- モンテッソーリ教育が受けられる保育園・幼稚園まとめ
- モンテッソーリ教育を小学校以外で受ける方法
- モンテッソーリ教育のおすすめ教具
- モンテッソーリ教育の資格をとる方法
[…] 実は、3校しかないんです。 […]